世界のお菓子
世界には各国ごとに独自の伝統や文化に根ざしたお菓子が数多く存在します。今回はヨーロッパ、アメリカ、日本、その他の国々から、代表的なスイーツを紹介します。それぞれのスイーツには歴史や逸話があり、食べるだけでその国の文化を感じ取ることができるでしょう。世界のお菓子の旅に出かけてみましょう。
世界のお菓子【ヨーロッパ編】
イギリス「スコーン」
日本でもなじみ深いスコーンは、スコットランド発祥の伝統的なお菓子です。その名前は、スコットランド王の戴冠式で使われた「運命の石(The Stone of Scone)」に由来しています。本来、スコーンは手で割って食べるのが正式な作法で、ナイフで切るのは避けられます。イギリスでは、特にアフタヌーンティーの際によく楽しまれています。
フランス「マドレーヌ」
マドレーヌは、たっぷりのバター、小麦粉、卵を使って焼き上げた、貝殻型のお菓子です。名前の由来にはいくつかの説があり、ロレーヌ公の召使いが作ったとも、女性料理人の名から取られたともいわれています。ふんわりとした食感と、バターの香りが特徴です。
フィンランド「ヨウルトルットゥ」
フィンランドのクリスマスには欠かせない伝統菓子、ヨウルトルットゥ。フィンランド語で「クリスマスのタルト」を意味し、星形に折ったパイ生地にプルーンジャムをのせて焼き上げます。手軽に作る場合は、市販の冷凍パイシートとドライプルーンを使うこともあります。
スペイン「チュロス」
チュロスは、スペインまたはポルトガル発祥と言われており、揚げたてを砂糖やチョコレートソースで楽しむのが一般的です。複数形で「チュロス」と呼ばれますが、単数形では「チュロ」と呼ばれます。海外では、朝食としてもよく食べられています。
オーストリア「ザッハートルテ」
「チョコレートケーキの王様」とも称されるザッハートルテは、オーストリアを代表するスイーツです。このケーキには、ホテル・ザッハー風とデーメル風の2種類があり、どちらもその独特のレシピが守られています。
フランス「シュー・ア・ラ・クレーム」
フランスの代表的なデザートのひとつ、シュー・ア・ラ・クレーム。日本では「シュークリーム」として親しまれています。サクッとしたシュー生地と、なめらかなカスタードクリームの組み合わせが魅力です。
イタリア「ジェラート」
ジェラートは、イタリアの伝統的な氷菓で、クリーミーで濃厚な味わいが特徴です。その歴史にはさまざまな説がありますが、いずれにしてもイタリア人にとっては季節を問わず愛されるスイーツです。
世界のお菓子【アメリカ編】
アメリカ「アップルパイ」
アメリカのアップルパイは、パイ生地の蓋を被せるダブルクラストが一般的です。シナモンやクローブで風味付けされた甘酸っぱいリンゴが特徴で、サクサクの食感が楽しめます。
アメリカ「ブラウニー」
ブラウニーは、アメリカ生まれの濃厚なチョコレートケーキです。フランスのガトーショコラと比較すると、しっとりとした食感が特徴です。硬さにバリエーションがあり、軽めのものからキャンディのような濃厚なものまで、好みに合わせて楽しめます。
アメリカ「レインボーケーキ」
レインボーケーキは、鮮やかな色使いが特徴のアメリカ発祥のケーキです。伝統的には7色に仕上げますが、家庭では少ない色でも作れます。SNSでも話題になり、子供の誕生日ケーキとして人気があります。
アメリカ「シフォンケーキ」
シフォンケーキはアメリカ発祥で、そのふわふわと軽い口当たりから「シフォン(絹織物)」という名前が付けられました。1980年代に日本にも伝わり、今では世界中で親しまれています。
アメリカ「ドーナツ」
アメリカでは、ドーナツは朝食や軽食としてよく食べられます。日本ではお菓子としてのイメージが強いですが、現地ではホットドッグやハンバーガーに並ぶファストフードの一つです。
世界のお菓子【日本編】
日本「練りきり」
日本の伝統的な和菓子のひとつである練りきりは、季節の花や風景を表現する芸術的な和菓子です。白あんをベースに練り上げられ、手間をかけて作られます。
日本「ショートケーキ」
意外かもしれませんが、ショートケーキは日本発祥のお菓子です。1920年代に誕生し、いちごとクリームが特徴的なこのケーキは、現在でも広く愛されています。
日本「せんべい」
せんべいは、日本を代表するお菓子で、草加せんべいがその発祥とされています。カリカリとした食感が人気で、海外でも注目されています。
日本「かき氷」
かき氷は、平安時代から存在する日本の夏の風物詩です。枕草子にも登場するほど古い歴史を持ち、現在でも人気のあるデザートです。
日本「ぜんざい」
ぜんざいは、甘く煮た小豆と餅が入った伝統的な和菓子です。島根県の佐太神社の「神在(じんざい)餅」が名前の由来とされ、現在も多くの人に愛されています。
世界のお菓子【そのほかの国編】
中国「杏仁豆腐」
中国発祥のデザート、杏仁豆腐。その歴史は三国志時代までさかのぼり、薬膳として食されていたのが始まりです。
フランス「シャーベット」
果汁を冷やして固めたシャーベットは、フランスで「ソルベ」と呼ばれ、肉料理の口直しとしても楽しまれています。
アルゼンチン「アルファフォーレス」
アルファフォーレスは、アルゼンチンを代表するクッキーで、ドルセ・デ・レチェを挟んだサクサクの生地が特徴です。
韓国「ホットク」
ホットクは、もちっとした生地の中に黒糖やシナモン、あんこなどを包んだ韓国のお菓子で、さまざまな食感を楽しむことができます。
ポルトガル「パン・デ・ロー」
パン・デ・ローは、ポルトガルの伝統的なカステラの一種で、行事ごとに食べられるお菓子です。
まとめ
世界各地には、長い歴史や文化が育んださまざまなお菓子が存在しています。それぞれのスイーツには、その国ならではの独自の風味や食感があり、人々の生活に溶け込んでいます。どの国のスイーツも、その背景にある文化や伝統とともに楽しむことで、より深く味わうことができるでしょう。次に甘いものを食べる際には、そのお菓子がどんな物語を持っているのか、ぜひ思いを馳せてみてください。