懐かしさと新鮮さが同居する、バタークリームケーキの世界。昭和の香り漂う町の洋菓子店で人気を博したこのスイーツは、時を経て進化を遂げながらも、昔ながらの素朴な魅力を失わずにいます。ふんわりと口どけするバタークリームに、しっとりとしたスポンジケーキが織りなす味わいは、年月を経ても色あせることがありません。バタークリームケーキに秘められた、昭和の心惹かれる物語と、今なお愛される理由を探ってみましょう。
昭和時代のケーキと言えばバタークリームケーキ
バタークリームケーキは、昭和時代の喫茶店の風景を彩る存在でした。若干黄色がかったバタークリームが特徴的で、濃厚なバターの味とこってりとした甘さが楽しめます。固めのクリームでバラやパンジーなどの花をデコレーションし、時にはチェリーを添えるのが定番でした。内側のスポンジケーキの層には、イチゴジャムやマーマレードジャムが重ねられ、カットした時の断面のカラフルさが魅力的でした。 昭和の子どもたちに大人気だったバタークリームケーキですが、1980年代の終わりと共に影を潜めていきました。その原因は、生クリームを使ったフレッシュケーキが登場したことです。バブル期の日本で、バタークリームケーキは古臭いケーキとみなされ、オシャレなフレッシュケーキに押されて隅に追いやられてしまいました。優雅な喫茶店の風景に溶け込み、ひと口ごとに広がる上品な味わいを楽しんだ昭和の人々の思い出は、時代の移り変わりの中で徐々に色あせていきました。
バタークリームケーキが主流だったワケ
バタークリームケーキが主流になった理由は、当時の事情にマッチしていたからです。 戦後の食糧難の時代、卵や生クリームといった高価な材料は手に入りにくく、代わりにバターと牛乳を使ったケーキが一般家庭に広まりました。バタークリームは長期保存が可能で、冷蔵庫が普及していない時代にも適していました。菓子店の商品としても扱いやすかったため、1960年代には定番商品となり、人々に親しまれるようになりました。 また、マーガリンやショートニングを使わずにヘルシーに作れること、卵不使用なので食物アレルギーにも配慮できることから、近年の健康志向にもマッチしています。馴染み深い味わいと手軽さゆえに、バタークリームケーキは長らく日本人のソウルフードとして愛されてきたのです。 さらに、バタークリームは固さがあるため、クリームでデコレーションしやすく、見た目も楽しめる一品でした。甘い菓子が貴重だった昭和時代の子どもたちにとって、バタークリームケーキは味と見た目の両方で魅力的な贅沢品だったのです。
バタークリームケーキはまずい説！？
当時のバタークリームケーキにはネガティブなイメージを持つ人も少なくありませんでした。それは安価なマーガリンを使用していたため、後味がオイリーで重たかったからです。しかし、現代のバタークリームケーキは一味違います。こだわりのバターを使用し、美味しさを追求した仕上がりとなっているのです。素材へのこだわりが、バタークリームケーキの魅力を際立たせ、令和の時代に再び人気が高まっている理由なのです。
気になるバタークリームケーキのカロリー
バタークリームケーキという名前を耳にすると、まずはその濃厚な味わいに思いを馳せてしまいます。豊かなバターの風味となめらかなクリームの優雅な調和は、まさに舌を魅了する極上の味覚体験です。しかしその一方で、カロリーが気になる方も多いはず。 バタークリームケーキは、名前の通りたっぷりのバターとクリームを使用しているため、カロリーは比較的高めとなっています。一般的な1切れ(100グラム)で400キロカロリー前後とされ、これはおよそご飯1杯分のカロリーに匹敵します。さらに、脂質の割合も高く、1切れで1日の推奨摂取量の半分近くを占めてしまうのです。 加えて、白い小麦粉や砂糖も多く使われているため、糖質量も多くなる傾向にあります。このように、バタークリームケーキにはカロリーや脂質、糖質がかなり含まれていることは事実です。しかし、そのリッチな味わいを求め、ごくまれにちょっと気分転換を図りたいなら、ほどほどの量ならばさほど気にする必要はありません。人生を楽しむための小さな喜びの一つとして、なめらかでコクのある味を堪能するのも素晴らしいことでしょう。
人気のバタークリームケーキ！昔ながら＆新しいケーキまで
バタークリームケーキは、昔ながらの定番ながらも進化を遂げ、新しい魅力にあふれています。懐かしさと新鮮さを併せ持つ、永遠の人気者といえるでしょう。 令和の時代には、バタークリームケーキをオシャレに楽しめる選択肢が沢山あります。クリスマス限定の不二家の復刻バターケーキや、資生堂パーラーの銀座本店限定「ガトー クレーム オ ブール」など、人気店の味わいに加え、新しいスタイルのケーキが登場しています。 一方で、銀座ウェストのようにクラシカルな装いを貫く店もあり、シニア層へのプレゼントにも喜ばれます。また、フランス発のエシレが作る「ガトー エシレ ナチュール」は、日本の伝統的なバタークリームケーキとは一線を画す存在感を放っています。 さらに、麻布十番のベイユヴェールの「おいしすぎる花束バターケーキ」は、見た目の華やかさと味のクオリティの高さを両立。大阪のカップケーキ専門店アトリエナユタでは、ポップでかわいいバタークリームカップケーキが楽しめます。 このように、バタークリームケーキは昔ながらの懐かしい味わいを大切にしつつ、新しい表情を獲得しています。美味しく生まれ変わったバタークリームケーキの数々をぜひ味わってみてください。
懐かしい！昔ながらのバタークリームケーキのお取り寄せ通販
バタークリームケーキを簡単にオンラインでオーダーしたい方に向けて、伝統の風味と味わいを残しながらも進化を遂げた、人気のお取り寄せバタークリームケーキをご紹介します。
◆懐かしさと上質な味わいを兼ね備えた「ロリアン洋菓子店」 1965年創業の老舗店ながら、バタークリームには北海道のこだわりバターを使用。シンプルなデコレーションで昔懐かしい雰囲気を残しつつ、美味しさは現代的な仕上がりとなっています。シニア層への誕生日プレゼントにぴったりの一品です。
◆平成・令和世代に愛される新しいバタークリームケーキ「スイートますや」 バタークリームの美味しさを残しながら、昭和のこってりとした味付けから脱却。北海道の素材を使い、エアリーな軽いくちどけに仕上げた新世代のバタークリームケーキです。デコレーションは王道のチェリーを使用し、世代を問わず人気の味わいとなっています。
◆芸術的な見た目と本格的な味わいを両立した「Candy MERU」 繊細なデコレーションが見事で、開けた瞬間に花々が咲いているかのような美しさ。一つ一つがオーダーメイドで手作りされ、記念日のギフトにも最適です。味わいはクラシカルなバタークリームケーキで、ブルーベリーやマーマレードジャムが選べる上質な仕上がりとなっています。
昔ながらの味を自宅で再現！バタークリームケーキのレシピ
バタークリームケーキの魅力が凝縮された、思い出に満ちたスイーツです。作り手の心遣いが感じられる素朴な風合いと、卵と生クリームを惜しみなく使った豊かな味わいが絶品です。 自宅で手軽に作れるレシピをご紹介しましょう。市販のスポンジケーキを利用するので、バタークリームさえ作ればお手製のバタークリームケーキが完成します。 卵白と砂糖を湯煎しながらしっかりと泡立て、常温に戻したバターを加えてなめらかなバタークリームを仕上げます。スポンジケーキにお好みのジャムを塗り、バタークリームをサンドしてデコレーション。カラフルに彩るなら、バタークリームに色を付けるのがおすすめです。 喫茶店の定番メニューを思わせる懐かしい味わいを、気軽に自宅で堪能できます。クリスマスケーキやデコレーションケーキとして、バターケーキはおすすめです。手作りならではの心づくしの一品に、きっと満足感を感じてしていただけるはずです。機会があればぜひ味わってみて下さい。
まとめ：昔ながらのバタークリームケーキが人気再沸騰中！
バタークリームケーキの人気が復活しています。スポンジ生地にたっぷりのバタークリームを重ねた、懐かしい風味が昔を思い出させます。 かつては気軽なスイーツが主流となり、手作りは減少傾向にありましたが、最近では自宅で手軽に作れるお菓子に新たな関心が集まっています。バタークリームケーキはまさにその需要に応えるお菓子なのです。卵やバター、小麦粉の風味を堪能できる味わいは、特別な日のお祝いにぴったり。SNSには誕生日に贈られたバタークリームケーキの写真が数多く投稿され、人気の高まりを物語っています。 手軽な材料で作れる簡便さと、記念日を彩る上品な味わいを併せ持つバタークリームケーキは、家庭での振る舞いにも最適なのです。昔懐かしい雰囲気を漂わせる味は、庶民的ながらも確かな人気を博しています。
まとめ
バタークリームケーキは、懐かしさと新鮮さを兼ね備えた魅力的なスイーツです。昭和の香りを残しながら、時代に合わせて進化を遂げてきました。素朴な味わいと上品な風味のバランスが絶妙で、幅広い世代から愛されています。趣向を凝らした見た目と、心地よい食感が昔と変わらず魅力的なのです。バタークリームケーキは、時代を超えて親しまれる不朽の味わいを有するスイーツなのです。
よくある質問
バタークリームケーキ 昔ながらの味わいとは？
バタークリームケーキは、日本の洋菓子文化において特別な懐かしのスイーツです。このケーキの特徴は、フレッシュバターを使用した濃厚で滑らかなクリームにあります。バタークリームをふわふわのスポンジ生地で挟み、さらに全体をバタークリームで覆うという構造が一般的です。
バターケーキは、1950年代から1980年代にかけて日本のクリスマスケーキの定番として親しまれてきました。特に昭和の時代には、子供たちにとって特別な日のごちそうとして大きな人気を誇りました。
しかし、1980年代末頃から、より軽やかな味わいのフレッシュクリームを使用しましたがデコレーション ケーキ台頭し始め、バタークリームケーキは徐々に影を潜めていきました。それでも、バタークリームケーキの独特の風味と食感を懐かしむ声は絶えず、近年では再び注目を集めています。
現代では、クリームの製法や材料にこだわり、より洗練された味わいを追求する動きも見られます。昔ながらの濃厚さを保ちつつ、しつこさを抑えた新しいバタークリームケーキも登場し、新たな世代にも受け入れられています。記念日ケーキやお誕生日ケーキ、クリスマスケーキとして老舗洋菓子店やオンラインショップのお取り寄せなどでぜひ味わってみて下さい。
バタークリームはなぜ昔は定番のケーキになったのですか？
まず、戦後の日本では食糧難の時代が続き、生クリームなどの高価な材料が手に入りにくい状況でした。そのため、比較的入手しやすいバターと牛乳を使ったバタークリームが代替品として広く利用されるようになりました。
また、バタークリームは長期保存が可能という大きな利点がありました。当時は家庭用冷蔵庫の普及率が低く、生クリームの保存が難しかったため、保存性の高いバタークリームが重宝されました。この特性は、菓子店にとっても商品管理がしやすく、大量生産にも適していたため、1960年代には定番商品として確立されました。
さらに、バタークリームは固さがあるため、デコレーションがしやすいという特徴がありました。花やパンジーなどの装飾を施しやすく、見た目も華やかに仕上げることができました。これは、特別な日のごちそうとして、子供たちの心を掴む大きな要因となりました。
加えて、不二家が日本で初めてバタークリームケーキを販売したことも、その普及に大きく貢献しました。北海道産のバターを使用し、独自の製法で口どけの良いクリームを作り出したことで、多くの人々に愛される味となりました。
濃厚バタークリームの味わいとこってりとした甘さが特徴で、スポンジ生地との相性も良く、満足感の高いスイーツとして親しまれました。特に、クリスマスシーズンには欠かせない存在となり、1950年代から1980年代にかけて日本のケーキの主流として定着しました。
1980年代末頃から生クリームを使用したフレッシュケーキが台頭し始め、バタークリームケーキは徐々に影を潜めていきました。それでも、その独特の風味と食感を懐かしむ声は絶えず、現在でも多くの洋菓子店やオンラインショップで購入・お取り寄せできる人気商品となっています。気になる方は購入することをおすすめします。
バタークリームケーキの作り方は？
バタークリームケーキを作るには、まずスポンジケーキとバタークリームの2つの部分を準備します。以下に簡単な作り方を紹介します。
スポンジケーキの作り方
材料の準備
卵 2個
グラニュー糖 50g
薄力粉 60g
牛乳 大さじ1
作り方
卵にグラニュー糖を加え、白くもったりするまで泡立てます。
ふるった薄力粉を加え、ゴムベラで切るように混ぜます。牛乳を加えて全体に回しかけます。
オーブンペーパーを敷いた型に流し入れ、170℃のオーブンで13〜14分焼きます。冷ます。
バタークリームの作り方
材料の準備
無塩バター 150g
牛乳 大さじ3杯
グラニュー糖 250〜300g
作り方
バターをボウルに入れ、電動ミキサーでクリーム状になるまで撹拌します。
別のボウルで粉砂糖を用意し、牛乳を少しずつ加えながらミキサーで混ぜます。バターに加えてゴムベラで全体に均一に混ぜます。
組み立て
スポンジケーキを3枚に切ります。
バタークリームを2枚の上面に塗り、重ねます。
最後に残りのバタークリームを全体に塗り、デコレーションします。
このように、バタークリームケーキはスポンジケーキとバタークリームを組み合わせて作られ、甘くて濃厚な味わいが特徴です。