バタークリームのケーキ
バタークリームは、ケーキを作る上で欠かすことのできない重要な要素です。その滑らかでクリーミーな質感と、素晴らしい風味は、ケーキにとってかけがえのない魅力を与えてくれます。自家製のバタークリームは、ホームベーカリーの醍醐味とも言えるでしょう。こだわりの素材と手作りの温かみが、特別な一品を生み出すのです。
バタークリームケーキって?
バタークリームケーキは、その名の通りバターを使った濃厚なクリームが主役のケーキです。しっとりとした生地の間には贅沢なバタークリームがたっぷり詰められ、外側もバタークリームでコーティングされています。一口頬張るとバターの香りが口いっぱいに広がり、なめらかでクリーミーな味わいが堪能できます。
バタークリームの作り方は、まずバターを空気を含ませながらクリーム状に仕上げることから始まります。そこにグラニュー糖や卵黄を加え、滑らかに混ぜ合わせていきます。時にはチョコレートやナッツ、フルーツなども加えられ、アレンジを楽しむことができます。
バタークリームケーキは、1980年代までは人気の主流でしたが、その後は生クリームケーキに人気が移りました。しかし近年、クラシックな風味と見た目の魅力が再評価され、バタークリームケーキが見直されつつあります。誕生日や記念日のデザートとして、また優雅なティータイムのお供として、ほんのり甘くてしっとりとした食感が絶品なバタークリームケーキは、ケーキを食べる喜びを堪能できる逸品です。
バタークリームケーキはデコレーションに適したケーキ
バタークリームケーキは、一見地味に見えるかもしれません。しかし、その滑らかでクリーミーな食感と上品な味わいは、デコレーションケーキに最適な素材なのです。ふんわりとしたスポンジ生地とバターの風味豊かなクリームが絶妙に調和し、ケーキ自体が芸術作品のように美しい一品に仕上がります。
ケーキ屋さんではあまり目にする機会が少ないかもしれませんが、実はウェディングケーキによく使われているバタークリームケーキ。クリームが適度な硬さと伸びがあるため、色付けや形作りがしやすく、想像力が存分に発揮できるのです。フラワーデザインやフリルの装飾、キャラクターの立体造形など、バタークリームならではの幅広い表現が可能になります。生クリームよりも保形性に優れているため、繊細なデコレーションまで描くことができる魅力があります。
誕生日や結婚式、パーティーなどの記念日には、華やかなデコレーションケーキが欠かせません。バタークリームケーキを彩るデコレーションは、祝福の気持ちを視覚的に表し、場を華やかに演出してくれます。職人の技術と想像力が光るバタークリームケーキは、見る人に喜びと感動を運んでくれるはずです。
バタークリームケーキの種類
バタークリームは、その製造方法によって3つの種類に大別されます。卵白を使用したイタリアンフィリングタイプ、卵黄を使用したバターポンプタイプ、そしてアングレーズソースタイプがその3種類です。
イタリアンフィリングタイプは、卵白と砂糖、水を加熱してバターを合わせたもので、着色してもきれいな仕上がりとなることから、水色やピンク色など華やかな色合いのケーキ作りに適しています。
一方のバターポンプタイプは、卵黄と砂糖、水を湯せんにかけてあわ立て、それにバターを合わせたものです。アングレーズソースタイプも同様に、卵黄と砂糖、牛乳で濃厚なソースを作り、そこにバターを加えています。バターポンプタイプとアングレーズソースタイプはある程度の硬さがあるため、お花などの繊細なデコレーションに適しています。
このように、バタークリームには3つの異なる製造方法と特徴があり、用途に応じてそれぞれのタイプが使い分けられているのです。
バタークリームは有塩バター?無塩バター?
バタークリームは、お菓子作りに欠かせない重要な要素です。多くの場合、バタークリームには無塩バターが使用されます。その理由は以下の通りです:
●味のコントロール:無塩バターを使うことで、砂糖の量を正確に調整でき、最適な甘さを実現できます。
●保存性:塩分は水分を引き寄せるため、有塩バターを使用すると保存期間が短くなる可能性があります。
●テクスチャー:無塩バターの方が、よりなめらかでクリーミーな仕上がりになります。
ただし、レシピによっては有塩バターを使用する場合もあります。塩味がアクセントになり、甘さを引き立てることがあるためです。最終的には好みや目的に応じて選択しましょう。
バタークリームケーキの作り方
◆バタークリームケーキに必要な材料
【スポンジケーキ】
・卵 2個
・砂糖 60g
・薄力粉 60g
・溶かしバター(無塩) 20g
【バタークリーム】
・無塩バター 200g
・卵白 2個分(70g)
・砂糖 80g
・水 大さじ2
【ジャム】
・ラズベリージャム 120g
・レモン汁 大さじ1
・お湯 大さじ1
◆バタークリームケーキの下準備
オーブンを170℃に予熱し、型にクッキングシートを敷いておきます。薄力粉をふっておき、卵と無塩バター(バタークリーム用)は常温に戻しておきます。
◆バタークリームケーキの作り方
バタークリームケーキ作りは、スポンジケーキ、バタークリーム、ジャムの3工程に分かれます。それぞれの作り方を説明します。
【スポンジケーキ】
1.ボウルに卵と砂糖を入れ、卵のコシが切れるまで混ぜます。別の耐熱ボウルに50℃のお湯を入れ、その上にボウルをのせてハンドミキサーで筋が残るまで泡立てます。
2.ボウルをお湯から取り出し、生地がリボン状に落ちるまで再び泡立てます。ふるった薄力粉を加え、へらで切るように混ぜ合わせます。溶かしバターを加え、底から持ち上げるように混ぜます。
3.型に生地を流し入れ、高さ5cm程度から落として空気を抜きます。170℃のオーブンで25~30分焼き、粗熱をとってラップに包んで冷ましましょう。
【バタークリーム】
1.ボウルにバターを入れ、クリーム状になるまで混ぜます。
2.別のボウルで卵白をやわらかいツノが立つまで泡立てます。
3.砂糖と水を入れた耐熱容器をレンジで加熱します。
4.3を2に少しずつ加えながら泡立て、1のバタークリームに3回に分けて加えてよく混ぜます。4分の1量をしぼり袋に入れます。
【ジャム】
ボウルにジャムの材料を入れてよく混ぜます。
【組み立て】
スポンジを3等分に切り、下2枚の上面にジャムをぬり重ねます。残りのバタークリームを全面にぬり、デコレーション用のバタークリームを絞りながらデコレーションします。
※バタークリームが固まったら湯煎でやわらかくしてからデコレーションするときれいに仕上がります。
まとめ
バタークリームの作り方は、決して難しいものではありません。しかし、その手間暇を惜しまずに作り上げられた味わいは、一口も二口も絶品です。ホームベーカリーの醍醐味は、まさにこの手作りの温かみにあるのではないでしょうか。様々なスイーツに使用することができ、その美味しさは格別です。素材へのこだわりと愛情を注いで作られたバタークリームは、きっとケーキに極上の風味と質感をもたらし、特別な一品に仕上がることでしょう。