ショートニングとは - スイーツモール

ショートニングとは

ショートニングとは

ショートニング、聞き覚えはありますか?レシピ本やテレビ番組で繰り返し聞くこの言葉には、かなり特殊な意味と実用性が隠されています。それは単に料理の一部として存在するだけでなく、料理をよりおいしく、一層楽しくする役割を果たしています。今日はこの興味深く、そして料理愛好家にとっては無くてはならないショートニングについて、詳しく見ていきましょう。

ショートニングは食べないほうがいい?

「食べ物の混乱源」や「ゴキブリもヤダ!」「狂った食材」といった表現で過激に描かれることも少なくない、ショートニング。その有害性がクローズアップされ、世界各国では取り締まりの対象となっている食材です。

しかしながら、わが国ではそれほど規制されることなく、今もなおクッキーやパン、ケーキなど様々な食品に含まれ続けています。ショートニングが入っていない食品を見つけるほうが困難なほど、日本の食品業界では常識として使用され続けているのが現状と言えます。

一体全体、私たちが頻繁に口にするこのショートニングとは何からできているのでしょうか?使用されるものでありながら、その製造過程を理解している人は少ないかもしれません。

なぜ、ショートニングは健康にマイナスと言われるのでしょうか?本当に体に悪影響を及ぼすのでしょうか?アメリカをはじめとする多くの国では制限が敷かれているにも関わらず、なぜ日本ではまだまだ使用され続けているのでしょうか?

果たしてショートニングは、「食べられるプラスチック」と言われるほど危険なのでしょうか?その真実を一緒に探っていきましょう。

ショートニングとは?

都市伝説のようにささやかれている「ショートニングは体に悪い」という噂。しかし、そもそもこのショートニングという食材、一体どのようなものなのでしょうか? その歴史や用途について詳述します。

19世紀末のアメリカで生まれたショートニングは、植物性の油をメインの原料とした食品用加工油で、ラードの代替品として作られました。無味無臭のクリーミーなテクスチャが特徴で、それを使って食品をさくっとした食感にしたり、揚げ物にしてパリッとさせることが可能です。この食感を英語で「short」と表現し、そこから「ショートニング」という名前が生まれました。ショートケーキの名前の由来も、ショートニングを使用したケーキから来ています。

特にパンやクッキーなどの焼き菓子の製造には欠かせないショートニングですが、その使用方法はさまざま。パンにはふっくら感を出すために使われ、ショートニングが生地の中に入り込むことでグルテン(タンパク質の膜)の伸びを良くし、水分蒸発も防ぎます。また、クッキーやお菓子作りでは、さくさくとした食感を得るために使用されます。ともにグルテンとの関係性が大きいです。

また、ショートニングはそのほかにも乳脂肪分の少ないアイスに加えられてコクと滑らかさを出し、またファストフード店のフライドポテトやフライドチキンの揚げ油にも使用されます。カラッと揚がった食品は長時間パリッパリの食感を保てます。ケーキ、ドーナツ、スナック菓子、照り出し用の和菓子など、ショートニングは非常に幅広く使われています。

スーパーやコンビニで売られている食品も、ショートニングが含まれていないものを探すことの方が難しいほど、広範囲に使用されています。特に、さくさくした食感やカラッと揚がった食品は、ショートニングが使用されている場合が多いのです。
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ショートニングの原料と成分

色々な料理やお菓子作りに欠かせないショートニング、その成分や原料について詳細に見ていきましょう。

まず、ショートニングは何からできているのでしょう?

ショートニングは、多くの食品に溶け込むように存在しており、その主成分は基本的に植物油です。よく使われるのは大豆油や菜種油、さらにはコーン油やヤシ油といったものまで多岐にわたります。

油というと流動性を思い浮かべますが、ショートニングはクリーム状になっています。これは食品添加物、特にエマルジョン剤の力により油と水が混ざりやすくなり、半固形のテクスチャーを実現しています。また、用途に応じて原料のオイルを選択できるため、ショートニングは多種多様なバリエーションを持つことができます。

次に、ショートニングの成分について詳しく見てみましょう。

ショートニングは勿論高カロリーですが、トランス脂肪酸を含んでいます。これらは原料の油を固化する工程で生成され、一部が健康上の問題を引き起こす可能性があることから、トランス脂肪酸を少なくしたものや、全く含まないものの開発も進んでいます。だからと言って全てを避けるべきというわけではありません。ショートニングにはビタミンE、K、パントテン酸、コリンのようなビタミンや、ナトリウム、カルシウム、鉄などのミネラルも含まれています。

ショートニングはさまざまな原料や成分から成り立っており、その多様性から様々な使い方ができる食材として存在しています。ただし、健康への影響も考えられるため、適度な使用を心掛けることが大切です。
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ショートニングが体に悪いと言われる理由

ショートニングの危険性を握るトランス脂肪酸

料理の味を左右し、菓子作りの助けとなるショートニングですが、その製造過程で生まれ出るトランス脂肪酸が健康に対する悪影響を持つとされ、否定的な視線を向けられることがあります。

ショートニングとトランス脂肪酸の問題点

なぜショートニングが危険視されるのか、その答えは「トランス脂肪酸」にあります。人体ではほとんど生成されず、食品などから摂取することになるこの脂肪酸が、ショートニング内に大量に含まれています。さらに、ショートニングの製造過程で形成される特有の構造が、化学物質であるプラスチックに似ていることから、「食べるプラスチック」とも言われています。

トランス脂肪酸の悪影響とは

では、トランス脂肪酸が体に及ぼす具体的な悪影響とは何でしょうか。主に、悪玉コレステロールの増加と、善玉コレステロールの減少を引き起こし、これらが原因で心筋梗塞や不妊症のリスクが高まる可能性があるとされています。また、飽和脂肪酸も含まれており、その過剰摂取が心臓病へのリスクを高め、肥満を引き起こす可能性も指摘されています。

しかし、これらのリスクは適切な摂取と調理法により低減が可能です。一概に「悪い」と判断するのではなく、適切な知識と認識を持ち、健康的な食生活に活かすことが重要です。

ショートニングの「トランス脂肪酸」はどのくらい危険?

パンや菓子の製造に欠かせない存在のショートニング。しかし、この中に含まれているトランス脂肪酸が注目を集めています。では、そのトランス脂肪酸が体にもたらす影響はどのようなものなのでしょうか?

体に悪影響
トランス脂肪酸は、悪玉コレステロールを増やし、善玉コレステロールを減らす働きがあります。これにより、生活習慣病、特に心臓病や脳卒中のリスクが増大します。同時に血管炎やインスリン抵抗性の変調も招きかねません。そのため、特にショートニングやマーガリンなどのトランス脂肪酸が多く含まれる食品は大量摂取が続くと神経症状などが現れる可能性があります。

世界での規制
世界中でトランス脂肪酸の規制が始まっています。世界保健機関(WHO)と食糧農業団体(FAO)は、食事からのトランス脂肪酸の摂取を極力抑える努力が必要との意見を発表。それを受け、様々な国で法的な規制が始まりました。
一方で、日本ではまだ役割規制は存在しません。それは、日本人の食生活が欧米とは異なり、トランス脂肪酸の摂取量が意図的に低く抑えられているという事情が関係しています。


マーガリンについて
トランス脂肪酸が多量に含まれる食品の代表格であるマーガリン。過去のマーガリンはトランス脂肪酸が15%~20%ほども含まれていましたが、規制が始まると共に製造業者もそれに対応。現在のマーガリンのトランス脂肪酸の含有量は0.8%から1%ほどと、大幅に低下しています。

適量の摂取とは?
WHOは、総カロリーの1%以下のトランス脂肪酸摂取が望ましいと示しています。具体的な数字にすると、例えば一日1500Kcalの食事なら1.5g、2000Kcalなら2gまでOKということになります。

しかし、無意識のうちにその範囲を超えてしまう可能性も。今後の健康を考えれば、食生活を見直し、トランス脂肪酸の適度な摂取を心がけることが大切な対策となります。

ショートニングの代用品

ショートニングは、飽和脂肪が多く含まれた固形油。その特性を活かし、パイやクッキーなどの菓子作りによく利用されます。しかし、健康志向の高まりや手元にない状況などから、代用品が求められることも多いです。

最も一般的な代替品はバター。ショートニングに比べ風味に優れていますが、溶ける温度がやや低いため形成が難しい菓子作りには適しません。だからといってバターの風味を諦めたくない方は、味覚を優先したクッキーやパウンドケーキなどに使用をおすすめします。

また、マーガリンも代用品として良く使われます。固形状の油脂でありショートニングと同じように扱え、また溶ける温度も高いため形がくずれやすい菓子作りにも向いています。風味はバターよりやや劣りますが、それを補って余りあるバターに近い特性が魅力となっています。

さらなる代替品として考えられるのがココナッツオイルやラード。特にココナッツオイルは健康志向の方々からの支持が高く、ラードはパイ生地の風味付けに一役買っています。

どの代替品も利点と欠点、それぞれ独自の風味や特性があり、どれを選ぶべきかは料理の種類や個々の好みが大きく影響します。ショートニングがないときでも、これらの代替品の存在により、どんな料理でも美味しく楽しむことが可能となります。

ショートニングについての知識をしっかり持とう

ショートニング、またはショートニング・ファットは、主にベーキングで活躍する食材であり、クッキーやパイの作成に重宝します。それは、グルテンの形成を抑えて食品をソフトでしっとりとした食感に仕上げてくれるからです。

しかし、その扱いは注意が必要です。ショートニングはバターやマーガリンと違い、風味が少ないため、風味づけのバランスをよく考慮する必要があります。その上、適正量を守らないと、食感だけでなく、食物の脂肪過剰摂取も引き起こす可能性があるのです。

さらに指摘すべきは、ショートニングの種類や保存法、各特性などを理解して使用することの重要性です。各料理やデザート作りにおいて、ショートニングは適切な使い方や微妙なバランス調整を求められ、その質感を最大限活かせるよう、潜在的な知識を持つことが求められます。

このように見ていくと、ショートニングについての基本的な知識をもつことで、料理の可能性を広げ、より美味しい料理の作成につながるでしょう。

一方、トランス脂肪酸を含むショートニングには悪影響があるというイメージがあり、アメリカやヨーロッパでは規制の対象でもあります。確かに過剰摂取は体に良くありませんが、日常生活レベルでの摂取に対しては特別な警戒は必要ないと言えます。ただし100%安全とは言えません。トランス脂肪酸の摂取は、少なくともリスクを伴います。如何に取り扱うかの判断は、あなた自身に委ねられています。

現在は体に良い食品が数多く存在します。トランス脂肪酸の少ないショートニングも存在し、適切な知識と自己判断に基づいて食べ物を選択することが適切です。
ショートニングとは

まとめ


ショートニングとは料理に欠かせない成分で、パンやケーキなどのテクスチャーや風味を向上させるために使用されます。特に、バターやラードの代用として使われ、その働きかけにより、料理がもっと美味しく、楽しい経験に変えてくれます。これからは、ショートニングの存在を意識しながら料理を楽しんでみてはいかがでしょうか。