ペイストリーとは

ペストリーとは?パイ・パンと違いある?
ペストリーとは、薄い層を作るためにバターや油脂を使った生地で作られるお菓子や料理全般を指します。特に、サクサクとした食感が特徴的なパイ生地(パフペストリーやショートクラストペストリー)を基盤に、甘いデザートやお惣菜系の料理に広く使われます。ペストリーは、焼き上がりに層を持ち、軽くてサクサクした食感が得られることが多いです。
パイ(特にパフペストリー)は、ペストリーの一種として広く知られています。パイ生地はバターを多く使い、生地に層を作ることで軽い食感と膨らみが特徴です。これに対し、パンは主に小麦粉、水、イーストなどを使って発酵させた生地を焼くものです。パンの生地はペストリーほどバターを多く使用しません。
パンは、発酵によって膨らませた生地で作られ、一般的にはふわっとした食感を持っています。発酵させることで、パン生地はふわふわとした食感や柔らかさが生まれますが、ペストリー生地は発酵が少なく、バターやショートニングを多く使うため、サクサクとした食感が特徴です。
ペストリーとパイの違い
ペストリーという言葉は、広義にはパイを含む全ての薄い層状の生地を指しますが、パイ生地(特にパフペストリー)といえば、バターで層を作りながら伸ばしていく特定の製法を指すことが多いです。パイ生地はサクサクした食感を持ち、フレーバーや具材に合わせて多様な用途に使われます。
つまり、ペストリーはパイを含む幅広い生地のタイプを指す言葉であり、パイはその中でも特に層を持つバターを多く使用したものを指します。一方、パンは発酵させた生地で作られるもので、ペストリーとは製法や食感が異なります。
ペストリーの種類は?
パフペストリー
日本で一般的に「パイ」と呼ばれるものがパフペストリーです。フランスではパートフィユテ(フィユタージュ生地)と呼ばれ、折り込みパイにあたります。バターを生地に包んで伸ばすことで層ができ、サクサクした食感になります。難易度が高いですが、冷凍パイシートで代用されることもあります。代表的な例としてはミルフィーユやアップルパイがあります。
ショートクラストペストリー
練り込みパイとも呼ばれるショートクラストペストリーは、バターを生地に練り込んで作ります。フランスのパートブリゼやパートシュクレが該当します。パートブリゼは甘さがなく、キッシュやリーフパイに使われ、パートシュクレは砂糖が加わり、クッキーのような食感でデザート系タルトの生地に使われます。
フレーキーペストリー
バターフレーキーとも呼ばれ、薄く伸ばしたバターと生地を交互に重ねて焼いたものです。クロワッサンやデニッシュ生地と比較してバターの量は少なく、ケーキやデザートよりもパンに近い分類です。発酵させた生地を使うこともあります。
セイボリーペストリー
ハーブなどを使った塩系の甘くない食べ物を指す「セイボリー」に由来するセイボリーペストリーは、主にお惣菜系のパイ料理です。ショートクラストペストリーのブリゼ生地がよく使われます。キッシュに似ていますが、ヘルシーでバターや卵の配合が少なめです。
デニッシュペストリー
デンマーク風のデニッシュペストリーは、オーストリア発祥です。甘いフルーツやクリームをのせたパンで、クロワッサンと似た作り方をしますが、デニッシュはケーキのような甘さが特徴です。
パフペストリー(パイ生地)の作り方・レシピ
パフペストリーは層をしっかり作ることが重要で、サクサクした食感を実現するためのレシピを紹介します。
材料
強力粉:125g
薄力粉:125g
バター:25g、200g
塩:5g
冷水:110cc
作り方・手順
ボウルに小麦粉と塩をふるい入れ、バター25gを刻んで加えます。
冷水を加え、切るように混ぜてひとかたまりにし、十文字の切り込みを入れてラップに包み、冷蔵庫で1時間寝かせます。
バター200gをクッキングシートで挟み、正方形に伸ばします。
2で作った生地を冷蔵庫から出し、打ち粉をして伸ばし、バターを包みます。再び冷蔵庫で1時間寝かせます。
生地を取り出し、長方形に伸ばして三つ折りにします。
さらに伸ばして逆方向に四つ折りにし、冷蔵庫で2時間休ませます。
上記の手順(5〜7)を4回繰り返します。
生地を伸ばして端をカットし、4cm幅のリボン状に切り、接着しながらコルネ型に巻きつけます。
天板にのせ、卵を塗り、190℃のオーブンで10分焼き、さらに温度を下げて10分乾燥させます。
生地が冷めたら、クリームを詰めて完成です。
ポイント
バターが溶け出さないように、作業中は生地を冷やしながら進めることが重要です。コルネ型がない場合、ウインナーに巻きつけてお惣菜のペストリーにもできます。

まとめ
本記事ではペイストリーについてご紹介しました。あなたも確実に'ペイストリー愛好家'になっていることでしょう。是非お試しください。
よくある質問
ペイストリーはどういう意味ですか?
ペイストリーとは、小麦粉にバターやショートニングなどの油脂を加えた生地を使い、パイ状に焼き上げた食べ物や菓子のことを指します。パイ生地は穀粉とバターを主成分とし、ペイストリー生地はサクサクとした食感が特徴で、薄く押しのばしてから焼かれ、ショートクラストやパフペストリーなどの種類があります。ショートクラストペストリーは比較的シンプルな生地で、穀粉と油脂がよく混ざった後に水を加えて成形し、焼くと軽くて柔らかい生地になります。対してパフペストリーは何層にも重ねたバターを生地に折り込み、その層の間の空気で焼き上げることで膨らみ、焼き上がりはサクサクとした軽い食感になります。パフペストリーの焼き上がりの温度管理も重要で、焼き始めは高温で膨らみを促し、温度を下げて中までしっかり焼き上げます。また、ペイストリーは単に食べ物としてのパイだけでなく、小さなケーキやタルト、キッシュなど幅広い菓子料理にも使われ、「ペイストリー」とはそれらをまとめた言葉でもあります。ペイストリーの特徴は、油脂を多く含むことによる層を成したパイ状の生地が生み出す、サクサクとした食感やバターの香りが豊かな点で、これらがパンとは異なる独特の食感を作り出しています。ペイストリーの生地は食感の違いを出すために様々な工程があり、過度に混ぜるとグルテンが発達し硬くなるため、混ぜ方にも注意が必要です。ペイストリーはフランスやイタリア、イギリスなどで発展してきた料理で、日本のパン屋でもよく見られ、冷凍パイシートなど市販の生地を使った手軽なペイストリー作りも人気です。パイ生地を使った菓子としては、デニッシュペストリーやフレーキーペイストリーもあり、どれもバターをふんだんに使った層状でサクサクとした食感を持つ点が共通しています。このように、ペイストリーとはパイ状の生地を活かした多様な種類の菓子や料理を指し、その成り立ちや特徴、調理法まで幅広い意味を含む言葉です。