キッシュは、フランス料理の代表的な一品で、美味しさと手軽さを兼ね備えた料理として知られています。バター風味のサクサクとしたパイ生地に、卵とクリームをベースにした豊かなフィリングを加え、さまざまな具材とともに焼き上げられるその奥深い味わいは、多くの人々を魅了しています。また、具材の組み合わせ次第で無限のバリエーションが楽しめるのもキッシュの魅力です。この記事では、キッシュの基本とその魅力を解説していきます。
キッシュとは
キッシュとは、卵と生クリームを組み合わせたフランスのアルザス=ロレーヌ地方に由来する伝統料理です。特に有名なのが、ラードンやベーコンを加えたキッシュ・ロレーヌで、温かくしても冷やしても楽しめる一品として世界中で親しまれています。
パイやタルトの生地を用いた器に、卵や生クリーム、ひき肉、アスパラガスなどの野菜、熟成されたグリュイエールチーズを乗せ、オーブンで焼きます。特にロレーヌ風キッシュにはクリームとベーコンを追加します。ナッツを入れることも。焼き上がったら生地ごと三角形に切り取り、皿にサーブします。地中海沿岸でも親しまれている料理です。
キッシュの起源
キッシュの用語は、1605年にロレーヌ語で最初に登場し、1805年にはフランス語でも確認されています。英語では「quiche Lorraine」として1925年に初めて使用されました。その語源は不明ですが、ドイツ語のKuchen(クーヘン)と関連していると考えられています。
「キッシュ」「タルト」「パイ」の違い
「キッシュ」とは、「タルト(パイ生地)」に具材とアパレイユを加えて焼いた料理のことです。では、「タルト」と「パイ」の違いは何なのでしょうか?ここでその違いを詳しく解説します。
「タルト」とは?
タルトとは「パート・ブリゼ」と呼ばれるサクサクとした甘みが少ない生地を使って作られる料理の一種です。この生地は、風味豊かな「キッシュ」によく利用されますが、「タルト(仏:tarte)」の作成においても使われることがあります。タルトでは「パート・シュクレ」と称される甘い練り込み生地を使い、円形に焼き上げてクリームやフルーツを飾ることが多いです。
「パイ」とは?
「パイ(英:pie)」は、小麦粉とバターを使った生地を伸ばし、型に敷いたり、具材を包んだりして焼いた料理の総称です。使用する生地には、層状に小麦粉とバターを重ねた「折り込み生地(パート・フィユテ)」と、両者を混ぜ合わせて作る「練り込み生地(パート・シュクレやパート・ブリゼ)」があります。一般的にフルーツを使った甘いパイのイメージが強いですが、肉や野菜の入った甘くないパイも人気です。また、キッシュには「練り込み生地」やサクッとした「折り込み生地」が使われ、広義にはキッシュもパイの一種と理解できます。