大判焼きとは
日本の伝統的な甘味所や祭り会場で馴染み深い香りと共にふわっと立ち上る白い煙。子供の頃、その甘い香りに惹かれて手に取ったのが「大判焼き」という人も多いでしょう。毎年新しいスイーツが登場し続ける現代でも、私たちの味覚に深く刻まれた大判焼きの魅力を改めて探求していきます。
今川焼きとは
「今川焼き」は、日本の伝統的なお菓子で、円形の生地にあんこやカスタードクリームなどのフィリングを詰めたものです。専門店や和菓子屋、屋台などで楽しむことができ、最近では冷凍食品としても手軽に家庭で楽しめるようになっています。
今川焼きの生地は、薄力粉や砂糖、卵、水といったシンプルな材料で作られます。専用の焼き型を使用して焼くことで、外側がカリッと香ばしく、内側がもちっとした食感に仕上がります。
このお菓子の歴史は江戸時代中期に遡り、名前の由来は、当時のJR神田駅付近にあった「今川橋」という橋の近くのお店で販売されたことからと言われています。
大判焼き(おおばんやき)とは
「大判焼き(おおばんやき)」は、東北や東海、四国などで親しまれている今川焼きの呼び名です。昭和30年代に、愛媛県の菓子製造機器メーカーが従来よりも一回り大きいサイズの今川焼きを「大判焼き」として販売したことが始まりとされています。この名称は、同県を舞台にしたベストセラー小説から取られたと言われています。
回転焼き(かいてんやき)とは
「回転焼き(かいてんやき)」は、中心に軸がある円形の焼き型を回転させながら焼く独特の製法から名前が付けられました。関西や九州では「回転まんじゅう」とも呼ばれています。
このほかにも、広島では「二重焼き」、和歌山では「太鼓焼き」、北海道では「おやき」といった様々な呼び方が存在します。また、台湾では「車輪餅(チャールンビン)」、韓国では「オバントク」として親しまれており、海外でも広く認知されています。
今川焼きの味の種類
日本全国で愛される今川焼きは、最初にあんこで作られたとされています。そして、このあんこもこしあんからつぶあんへ、甘さを抑えたものから香ばしいものまで、多彩な味わいが存在します。
・あんこ
今川焼きのスタンダード、あんこ!もちもちとした皮との相性が絶妙で、クセになる美味しさ。こしあん、つぶあんと形状によっては食感が変わり、その違いも楽しむことができます。
・白あん
白あんは白いんげん豆から作られ、リッチな甘みが特徴。その優雅な風味で今川焼きが一段と引き立ちます。
・カスタード
あんこと並んで人気のカスタードは、卵と牛乳のなめらかな風味が広がり、一口食べると至福の時へと誘います。
・抹茶クリーム
一度食べれば忘れられない、根強い人気を誇る抹茶クリーム。ほろ苦さが味わい深く、シンプルながらも風味豊かな筈です。
・チョコレートクリーム
濃厚なチョコレートクリームは、もちもちした今川焼きの皮と相性抜群。コーヒーや紅茶と一緒に楽しむのもおすすめです。
・うぐいすあん
うぐいすあんは、青えんどう豆から作られ、鮮やかな緑色が特徴的。これを今川焼きに詰めれば、見た目も美しい逸品が完成します。
まとめ
大判焼きの魅力は、何も変わることのない安定した風味とノスタルジックな情緒が詰まっていることだと言えます。しっとりとした餡とふんわりとした皮、そこから立ち上る香りが、古くから日本人の五感を癒し、時には子供の頃の思い出を呼び起こします。現代の多様なスイーツがあふれる中でも、大判焼きの存在は確固として私たちの心にあります。