モンブランケーキとは?
「モンブランケーキ」とは具体的にどのような製菓品なのでしょうか。我々が日頃よく目にするモンブランケーキは、茶系の栗クリームを細い線の形にしぼり出した円錐体やドーム形状のケーキです。その中心部にはすっきりとした食感のメレンゲが隠れており、その上には生クリームがたっぷりと絞り出されます。その表面には、更に栗のクリームが繊細に絞り出され、最終的には粉糖がまぶされることが一般的です。
ただし、"モンブラン=栗クリームを絞り出したケーキ"と単純化して定義するべきではありません。それよりも、「白い山」を象徴するフランス語「モンブラン」から名前を取ったことからもわかるように、このケーキはその山のイメージをふんだんに取り入れたものと言えます。そのため、「モンブランケーキ」を特徴づける要素として以下の3つが挙げられます。
・山を連想させるような円錐形またはドーム型の形状
・生クリームや粉糖で表現される雪のような白さ
・モンブラン発祥とされる地域でもあるピエモンテ州の名物、栗を使用すること
モンブランの語源・由来とは?
「モンブラン」はフランス語で「白い山」を表す言葉で、その名の由来はヨーロッパで最も高い山「モンブラン」に由来します。この雄大な景色は、いつでも雪に覆われた美しい山頂を想起させます。イタリアでの呼称も「白い山」を意味する「モンテビアンコ」です。
また、この名前は中世ヨーロッパの秋の祭り「ボンヴァン」からもインスピレーションを得ているとされています。祭りでは、栗と雪の象徴的な組み合わせを表現したスイーツが作られ、この美味しさが現代のモンブランの誕生へと繋がりました。
そして、現在のような形状のモンブランが誕生したのは19世紀のフランスで、その美麗な見た目はカフェやレストランの間で大いに人気となり、高級デザートとして知られるようになりました。その美しい見た目とデリケートな口どけは雪を彷彿とさせ、「モンブラン」の名が冠されるに至りました。
こうして、「モンブラン」の名前には、その美しさ、おいしさ、そして面白い語源と由来が詰まっています。これらを知ることで、その味わいは一段と深まることでしょう。
日本発祥のモンブランとは?
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モンブランの特徴
モンブランは、その独特な形状と風味で多くの人々に愛されています。モンブランの最大の特徴は、栗のペーストを細く絞り出して作られるその美しい外観です。円錐形やドーム型に仕上げられたモンブランは、まるで雪をかぶった山のように見えます。これは、フランス語で「白い山」を意味する「モンブラン」の名前に由来しています。
モンブランの内部には、メレンゲやスポンジケーキが隠されており、その上にたっぷりと生クリームが絞り出されます。さらに、その上に栗のクリームが繊細に絞り出され、最終的には粉糖がまぶされることが一般的です。このように、モンブランは見た目の美しさと味わいのバランスが絶妙なスイーツです。
栗を使わなくてもモンブラン!?
モンブランは、栗を使わなくてもその形状を再現することで「モンブラン」と呼ばれることができます。例えば、メレンゲやスポンジケーキの土台に生クリームやチョコムースを乗せ、その上にマロンペーストやチョコペーストを細く絞り出すことで、モンブランの形状を再現することができます。形状がカギとなるため、栗を使わなくてもモンブランと呼ばれるのです。
このように、モンブランはその形状が重要な要素であり、栗以外の材料を使ってもその美しい外観を楽しむことができます。クリームやペーストの種類を変えることで、さまざまなバリエーションのモンブランを楽しむことができるのです。
個性あふれる色々なモンブラン
モンブランは、栗を使った伝統的なものだけでなく、さまざまなバリエーションがあります。例えば、さつまいもやいちごを使ったモンブランも人気があります。これらのモンブランは、基本的な形状を保ちながらも、異なる材料を使うことで新しい味わいを提供しています。
フランスやイタリアを中心に、世界中で愛されるモンブランは、各地の風味や文化を取り入れながら進化してきました。日本でも、抹茶やあんこを使った和風モンブランが登場し、多くの人々に親しまれています。このように、モンブランはその多様性と創造性によって、常に新しい魅力を発見できるスイーツです。
モンブランの多彩なバリエーションを楽しむことで、その奥深い魅力をさらに感じることができるでしょう。ぜひ、さまざまなモンブランを試してみてください。
「黄色いモンブラン」は、古くから洋菓子店でよく見かけますよね。実はこのスイーツ、日本生まれだということをご存知でしょうか。「モンブラン」の店舗を東京・自由が丘に構える創業者、迫田シェフこそが考案したのです。
迫田シェフがヨーロッパを訪れた際、「モン・ブラン」、つまり白い山に深い感動を覚え、その美しさを模したスイーツとして生まれたのが、この黄色いモンブランなのです。
店を訪れると、マロンクリームの淡い黄色が目を引きます。その上には、雪が降り積もった山頂をイメージした白いシャンティクリームが美しく絞られています。黄色い色合いは、当時日本で親しまれていたクチナシで着色した栗の甘露煮を使用しています。
この「モンブラン」は現在でも店の看板商品として、日々多くのお客様に愛されています。それは、昭和初期の日本のカフェ文化で生まれ、紅葉を思わせる色彩とバランスの良さ、そして独特な味わいが人々を魅了し続けているからです。
世界のモンブランとは?
フレンチで”白い山”を意味する”モンブラン”は、世界中のスイーツラバーに愛されているデザートです。色鮮やかなショーケースに並ぶこのスイーツの最大の特徴は、事細かに絞られたマロンクリームが塔のように積み重ねられていること。
モンブランの魅力の一つは、使用される材料の産地にあります。例えば、福岡県八女地方の茶葉の産地である八女抹茶を使用したモンブランは、その地域特有の豊かな風味を楽しむことができます。
レシピの起源をたどると、パリの名門パティスリー「アンジェリーナ」が創り出したものと言われています。この独特の形状は、1984年に同店の日本初の支店がプランタン銀座にオープンして以来、日本全国で広まりました。
一方、イタリアでは「モン・ブラン」の名を持つ白い山の姿をより美しく再現しようと、円錐状にマロンクリームを覆うために白いシャンティクリームが使われています。このヨーロッパの最高峰を象ったモンブラン(別名:モンテビアンコ)は、今でも多くの人々に楽しまれています。
さらに、日本では抹茶やあんこを加えるなど、和風の要素が取り入れられるなど、地元の風味を加えたバリエーションが無数に存在します。そうした各国の文化と主成分によって変化し成長してきた”世界のモンブラン”からは、各地の味覚の特徴が感じられ、その多彩さが魅力となっています。
モンブランは栗のケーキ?
日本ではシロップ漬けの栗がトッピングされたモンブランが多く見られますが、実際にはこのお菓子の主たる成分は、秋に収穫される香り豊かな栗を用いたペーストなのです。
正確には、モンブランという名前はアルプス山脈最高峰の名前を冠しており、その山を連想させるような形状が特徴。スポンジやタルトの土台に栗のペーストを山のように盛りつけたものが一般的なモンブランです。なので、原理的には栗以外の成分であっても、その形になればモンブランと呼ぶことが可能です。
しかしながら、栗そのものの風味がこの菓子の魅力を大きく左右するため、すぐれた品質の栗を用いることが至上命題。味わい深いモンブランを楽しむことは、その背後に存在する栗への敬意と、職人技術の高みを味わうことでもあります。次にモンブランを頬張る際、その事実を思い出して一口噛みしめてみてはいかがでしょうか。
まとめ
モンブランケーキは伝統的な製造方法と素材の組み合わせから織りなす独特の風味と食感が魅力です。最後には口の中でしっとりと溶けていくその風味は忘れられないものとなります。このモンブランケーキこそが、長い歴史を経て磨き上げられたスイーツの真髄、そしてスイーツ文化の一環として語られるべき存在なのです。