モンブラン 種類
モンブランといえば、秋のデザート界を牽引する栗の甘みが絶妙な一品です。その名前だけで、たちまち秋風が頬をくすぐるような心地良さを感じる方も多いのではないでしょうか。しかし、モンブランの世界は、実は予想以上に奥深いのです。さまざまな種類が存在していて、それぞれが独特の魅力と彩りを放つ、そんなモンブランの世界をご紹介しましょう。
モンブランの由来
アルプス山脈周辺の家庭で愛されていた素朴なデザートが、現代のモンブランの原型だと言われています。栗のペーストと生クリームを組み合わせたこの甘味は、フランスでは「白い山」を意味する「モンブラン」、イタリアでは「モンテビアンコ」と呼ばれ、その名前は雪をまとった山々の姿を連想させます。
はじまりは茶色のモンブラン
素朴な郷土菓子だったモンブランは、パリで華麗な変身を遂げました。サクサクのメレンゲ、たっぷりの生クリーム、そして細く絞られた濃厚な栗ペーストという現在の形に近づき、瞬く間に人気を博しました。1903年創業の老舗パティスリー「アンジェリーナ」では、今でも伝統的なレシピを守り続けており、その味を世界中で楽しむことができます。
懐かしおいしい、黄色のモンブラン
日本人パティシエによって生み出された黄色いモンブランは、和洋折衷の創造性を象徴しています。カステラ生地をベースに、カスタードと生クリーム、栗の甘露煮クリームを重ね、頂上に焼きメレンゲを飾ることで、雪を頂く山の姿を表現しました。和菓子の技法を応用して作られたこの日本版モンブランは、栗好きの日本人の心をつかみ、瞬く間に定番スイーツの座を獲得しました。
止まらないモンブランの進化
現代のモンブランは、伝統的な栗の風味を超えて、様々なフレーバーへと進化を遂げています。イチゴや抹茶、さつまいもやかぼちゃなど、日本ならではの素材を活かしたバリエーションも登場。さらに、その形態もタルトやパイ、プリンやパフェなど多岐にわたり、創意工夫の余地は尽きることがありません。モンブランは今や、パティシエの想像力を刺激する無限のキャンバスとなっているのです。
まとめ
クラシックなフレンチスタイルから日本独自のモンブランまで、素材や技法により変化する美味しさを、是非一度ご堪能いください。モンブランの底知れぬ世界への扉が、あなたを待っています。