
物語性の強い文化が息づく神秘的な国、インド。その土地の魅力は、街並みや人々だけでなく、多彩な料理の数々にも表れています。インド料理といえば、スパイシーなカレーや風味豊かなナンが思い浮かべられるかもしれませんが、それだけではない、まだまだ未知の美味しさが存在します。ここでは、インドのデザートに焦点を当て、その世界に踏み込んでみましょう。異国の風味が詰まった、特別なスイーツたちの魅力を旅するようにご紹介します。
インドスイーツの特徴
インドのスイーツはその独自の美味しさと甘さで知られています。全体的に激甘系が主流で、その他にも甘さを抑えたものや甘味とスパイスを組み合わせたものもあります。さらに、食材としてナッツや豆、揚げ豆や揚げ粉を用いたスナック類では、スパイスの利用によって一風変わった辛味を感じることもあります。
主な材料としては小麦やベッサン粉(ひよこ豆の粉を用いることが多く、また牛乳や乳脂肪分を用いた甘いお菓子が多いです。
その食感も魅力の一つで、ナッツや揚げ物を混ぜることでソフトな食感の中にもカリッとした感じがあります。例えば揚げた生地(小麦やベッサン粉)をシロップに漬け込むタイプのスイーツは特に人気があるでしょう。
日本でも親しまれているポテトチップスは、インドでの人気味付けはマサラ味です。また、アイスクリームに至ってはカルダモンの香り付けやナッツを加えることにより、とても風味豊かに仕上げられています。これらのインドのスイーツは、まさにその多彩な文化と料理の融合を味わう、甘く魅力的な方法と言えるでしょう。

インドのおすすめスイーツ
インドはその広大な国土の中にありとあらゆる文化と社会を抱えていますが、その中でもスイーツ文化はきわめて豊かです。インドを訪れたならば、インド特有の素材を用いて作られた、甘さと風味が魅力のスイーツを味わってみることをおすすめします。
まず試してみてほしいのが「ガジャール・ハルワ」です。キャロットと言えば野菜料理を想像するかもしれませんが、ここでは甘さが際立つデザートとして使われています。ギー(バター)と砂糖、そしてカシミールサフランが惜しみなく投入され、キャロットの味を引き立てます。
続いては「ジャレビ」。揚げパンとシロップを組み合わせたこのデザートは、一見すると驚くほどに華やかな色彩を放つ螺旋形状をしています。口に含めば無性の甘さが広がるでしょう。
そして「ラスガラ」は、ミルクと砂糖から作られるデザートで、インドでは人気があります。中にはダイエット食品が詰められているため、甘いものが好きだけれど体重が気になるという方にもおすすめです。
最後に「カジュ・カトリ」をご紹介します。カシューナッツをペーストにして作られた、余計な甘さを抑えた伝統的なスイーツです。一品一品が贅沢に作られていて、口にした瞬間にその上品さが伝わってきます。
これらをはじめとするインドのスイーツは地方によって様々なバリエーションがあります。訪れた地域で得られるオリジナルのスイーツを味わって、インドの文化を深く感じてみてください。

日本でインドスイーツを購入できるお店
まとめ
インドデザートは、甘さと独特な風味が醸し出す魅惑の世界。ココナッツ、シロップ、乳製品を主成分とし、スパイスやドライフルーツを加えることで、多種多様な味わいを生み出しています。その個性的なデザートたちは、インドの地域、宗教、祭りに深く結びつき、文化の一部。旅行者や食通を豊かなインドの伝統と感動の旅へと誘います。
よくある質問
インドで世界一甘いお菓子は何ですか?
インドで世界一甘いお菓子として知られているのは「グラブジャムン」です。この伝統的なデザートは、小麦粉と砂糖、ミルクを使って作られ、ボール状に成形した生地を油で揚げた後、甘いシロップに浸して仕上げます。グラブジャムンは、その圧倒的な甘さで有名で、カルダモンやローズウォーターで香り付けされたシロップが特徴的です。
インドでは、お祝い事や祭りの際に欠かせない存在として、グラブジャムンが広く親しまれています。北インドでは特に人気が高く、結婚式や誕生日などの特別な機会に必ず登場します。一方、南インドでも同様に愛されており、地域によって微妙な味の違いや食べ方の違いがあります。
インドの伝統的なスイーツ店では、グラブジャムン以外にも様々な甘いお菓子が販売されています。例えば、米を使ったお菓子も多く、「ラスグッラ」や「パヤサム」などが人気です。これらのお菓子も非常に甘く、インドの甘味文化の豊かさを物語っています。
グラブジャムンの甘さは、日本人の感覚からすると驚くほど強烈で、「頭が痛くなるほど甘い」「脳天に響く甘さ」といった表現で形容されることもあります。しかし、その独特の風味と食感は多くの人々を魅了し、インド菓子の代表格として世界中で知られるようになりました。スイーツ店では、グラブジャムンを温めて提供したり、アイスクリームと一緒に楽しむなど、様々なアレンジも人気です。
インドのお菓子「Burfi」とは?
バルフィ(Burfi)は、インドの伝統的なスイーツの一つで、お祝い事や特別な機会に欠かせない人気のお菓子です。主に牛乳と砂糖を原料とし、これらを煮詰めて作られる半生のミルク菓子です。その濃厚な甘さと独特の食感から、インドやネパールでは高級スイーツとして知られています。
バルフィの特徴は、その多様性にあります。基本的な材料に加えて、ピスタチオ、アーモンド、カシューナッツなどのナッツ類や、ココナッツ、カルダモンなどのスパイスを加えることで、様々な風味と食感を楽しむことができます。例えば、ココナッツバルフィやカシューナッツを使ったカージューキバルフィなどが有名です。
製法としては、牛乳を煮詰めて作った濃縮ミルクに砂糖を加え、さらに煮詰めて固めるのが一般的です。食感は、しっとりとしたものからザクザクとした食感のものまで、レシピや製法によって様々です。また、見た目も美しく、しばしば銀箔で装飾されることがあります。これは単なる装飾ではなく、インドでは銀箔が体に良いとされているためです。
バルフィは、その甘さと栄養価の高さから、エネルギー補給や祝祭の際の贈り物としても重宝されています。友人や家族への手土産として選ばれることも多く、インドの食文化において重要な位置を占めています。
近年では、健康志向の高まりに応じて、砂糖の代わりにメープルシロップやアガベシロップを使用したり、牛乳の代わりにナッツミルクを使用したりするなど、より体に優しいバージョンのバルフィも登場しています。このように、伝統を守りつつも現代のニーズに合わせて進化を続けるバルフィは、インドのスイーツ文化の豊かさを象徴する存在といえるでしょう。
インドのミタイとは何ですか?
ミタイは、インドの伝統的なスイーツの総称です。結婚式や祭り、お祝い事など、特別な機会に欠かせない存在として親しまれています。ミタイの特徴は、その圧倒的な甘さにあり、世界で最も甘いスイーツの一つとも言われています。
ミタイの主な材料は、牛乳や砂糖、小麦粉、ひよこ豆の粉(ベサン)などで、これらを様々な方法で調理し、多様な味と食感を生み出しています。例えば、グラブジャムンは小麦粉とミルクを使って作られた生地を揚げてシロップに浸したもの、バルフィは牛乳を煮詰めて固めたミルクスイーツ、ラドゥはひよこ豆などの粉とギー(バターオイル)、砂糖を混ぜて丸めたものです。
ミタイの種類は非常に豊富で、地域や家庭によって様々なバリエーションがあります。カルダモンやサフラン、ローズウォーターなどで香り付けされたり、ピスタチオやアーモンドなどのナッツを使用したりと、その味わいは多岐にわたります。
インドでは、ミタイは単なるお菓子以上の意味を持ちます。人々の絆を深める役割を果たし、お世話になった人への感謝の気持ちを表すプレゼントとしても広く使われています。また、宗教的な儀式や祭りでも重要な役割を果たしており、インドの文化や伝統と深く結びついています。
近年では、健康志向の高まりに応じて、砂糖の使用量を控えめにしたり、代替甘味料を使用したりするなど、より現代的なアプローチも見られます。しかし、その甘美な味わいと文化的な重要性は、今もなおインドの人々の生活に深く根付いています。
グラブジャムンとジャレビーの違いは?
グラブジャムンとジャレビーは、どちらもインドの伝統的なスイーツですが、その形状、材料、製法において大きく異なります。
グラブジャムンは、小麦粉と生乳を主原料とし、小さなボール状に成形した生地を油で揚げた後、砂糖シロップに浸して作られます。直径約3cmの丸い形状で、外はカリッとしていて中はふんわりとした食感が特徴です。シロップにはカルダモンやローズウォーターが加えられ、独特の風味を醸し出しています。
一方、ジャレビーは小麦粉と水を混ぜて作った緩い生地を、熱したギー(澄ましバター)の中に渦巻き状に落として揚げ、その後すぐにサフランを入れたシロップに漬けて固めます。その結果、鮮やかなオレンジ色の渦巻き状の形になり、サクッとした軽い食感が特徴です。
甘さの面では、グラブジャムンは「世界一甘いお菓子」と呼ばれるほどの強烈な甘さを持ち、一口で食べるのが難しいほどです。ジャレビーも非常に甘いですが、グラブジャムンほどの極端な甘さではありません。ジャレビーにはライムジュースが使われることもあり、ローズウォーターの香りとともに、より華やかな味わいを楽しむことができます。
両者とも、インドの祝い事や特別な機会に欠かせないスイーツですが、グラブジャムンがより広く知られ、インド料理店のデザートメニューでよく見かけます。一方、ジャレビーは屋台や専門店で作られることが多く、できたての温かいものを楽しむのが一般的です。
製法の難易度も異なり、グラブジャムンは家庭でも比較的作りやすいのに対し、ジャレビーは生地を渦巻き状に落とす技術が必要で、専門の道具を使用することもあります。
このように、グラブジャムンとジャレビーは、どちらもインドを代表する甘いスイーツでありながら、その特徴や食べ方に大きな違いがあり、それぞれ独自の魅力を持っています。