12月果物(フルーツ)
冬の風が身体を冷やしていく季節、12月。厳しい寒さを感じつつ、これからのクリスマスや年末年始の楽しみを待ちわびている方も多いのではないでしょうか。そんな12月、実は意外と豊富な種類のフルーツが旬を迎え、その味わいは暖かな場面を更に彩ってくれます。甘い香りとジューシーな味わいで心も体もほっと温まる、12月の旬のフルーツについて、一緒に見ていきましょう。
12月に美味しい旬のフルーツ
12月は色々な柑橘類が本番を迎えたくさん店頭に並びます。リンゴや洋梨をはじめ、大玉の和梨や、クリスマスに向けてイチゴも沢山出回り始めます。
12月が旬の果物(フルーツ):干し柿
高級なものだと1粒3000円に達することもある今や高級和菓子の代表格「干し柿」。砂糖を使っていない天然の甘さが魅力のドライフルーツで、トロリとした食感とジューシーな甘さがクセになります。干すことによって柿の持つ本来の栄養素が凝縮されているため、罪悪感がなく食後のデザートにピッタリ。
12月が旬の果物(フルーツ):紅まどんな
愛媛県のオリジナル品種として生まれた紅マドンナは、旬の時期が11月~1月と短く、1月下旬頃にはどのお店でも取り扱いが終わってしまいます。柑橘なのにトロンととろけるゼリーのような食感とジューシーな果汁が食べた人を虜にさせます。またその美味しさだけでなく、外見からもボリュームのある高級感が感じられるため、柑橘好きの方にとっては一度は食べてみたいみかんです。ちなみに、紅マドンナという名前は、愛媛県が舞台である夏目漱石の「坊ちゃん」に出てくる「マドンナ」という女性にちなんでつけられたそう。
冬の寒さを紅マドンナの甘さと香りで包み込む、そんな贅沢な季節の贈り物をぜひ、ご自宅で味わってみてはいかがでしょうか。
12月が旬の果物(フルーツ):ユズ
その爽やかな香りが特徴の柚子は、果実を搾ったり皮をスライスしたりして、料理の香りづけやお菓子等に使われることが多く、柚子風呂のようにお風呂に入れて使う楽しみ方もあります。他の柑橘のように、生で果実を食べないので”もったいない”と思う方もいるかもしませんが、実は柚子の果肉は酸っぱすぎてそのまま食べる人はほとんどいません。そのため、柚子の果肉は柚子ジャムや柚子酒などに使うのが定番です。
12月が旬の果物(フルーツ):だいだい
だいだいは、名前が「代々」に通じることから縁起のいい果物とされ、お正月の飾りや鏡餅に乗せることでよく知られています。柚子と同じく香りのよい柑橘で、果肉はそのまま食べるのには適していませんが、ほのかな苦みと爽やかな香りが特徴的で、果実を絞ると料理の風味がとてもよく仕上がります。
12月が旬の果物(フルーツ):中生みかん(なかてみかん)
「極早生みかん→早生みかん→中生みかん→晩生みかん」と進むにつれて酸味が少なくなり甘味が増していきます。中でも12月頃に旬が訪れる中生みかんは、甘味が酸味を追い抜きつつも程よい酸味を残しているマイルドな味が特徴です。
12月が旬の果物(フルーツ):ぶどう(グローコールマン)
ぶどうは山梨県をメインに、北海道から福岡県まで幅広く栽培されている果物です。12月に美味しい食べ頃を迎える品種のグローコールマンは、岡山県が生産量の大半を占めています。グローコールマンは冬の季節が食べ頃のため、コタツぶどうの愛称で親しまれています。日本国内で栽培されているぶどうの糖度は18〜20度が平均的ですが、糖度が13度ほどのグローコールマンは甘さが控えめです。グローコールマンは雑味がなくあっさりした味わいを感じられるため、冬の季節に食べる機会が多いシチューや鍋物の食後におすすめです。
12月が旬の果物(フルーツ):洋梨(西洋梨)
西洋梨の中で冬の季節に旬を迎えるものは、ル レクチェと呼ばれる品種です。ル レクチェは国内の生産量では新潟県が8割を占め、次に山形県や長野県と続いています。ル レクチェは16%以上の高い糖度で果実が滑らかな上に瑞々しく、芳醇な香りが特徴的です。ル レクチェは病気に弱く風で実が落下しやすい上に、1ヶ月以上追熟をするために広い保管場所を必要とします。生産が難しく市場の流通量が少ないル レクチェは、幻の洋梨と呼ばれるほど希少性が高い人気の品種のため、ギフトや贈り物にもおすすめできます。
12月が旬の果物(フルーツ):りんご(サンふじ)
サンふじは日光をたくさん浴びて育ったふじのことで、通常のふじよりも強い甘味を感じられる品種です。サンふじは日本国内で栽培するりんごの半数を占め、中でも名産地の青森県三戸町で栽培したものは、昼夜の大きな寒暖差によって糖度が高く実が引き締まっていると言われています。蜜が多い食べ頃のサンふじを購入しても、サンふじ自体が呼吸をする際に蜜をエネルギー源として使うため、1ヶ月ほどで蜜が消えることも少なくありません。サンふじをポリ袋で密閉し、冷蔵庫で保存すると蜜を長持ちさせられますが、早めに食べることをおすすめします。
12月が旬の果物(フルーツ):いちご(あまおう)
あまおうは冬から春の季節にかけて、美味しい食べ頃を迎える品種です。整った形に大きな果実が特徴的で、甘味と酸味のバランスが良いと言われています。あまおうはそのまま食べる他にパンに挟んだり、クレープや大福などのお菓子につけ合わせたりして、美味しい大粒の果実をそのまま味わう食べ方が人気です。あまおうに限らず、いちごは旬を迎える美味しい時期に収穫されるため、買ったらその日のうちに食べるようにしましょう。翌日以降に食べる場合は、ヘタを下向きにして重ならないように並び替え、ポリ袋でパックを覆って冷蔵庫の野菜室に入れると1週間ほど保存できます。
12月が旬の果物(フルーツ):みかん(向山温州)
向山温州は寒い冬の12月に最も美味しい食べ頃を迎えるみかんで、濃い紅色の果皮と甘味が強く酸味が控えめな味わいが特徴です。向山温州は日持ちするうえに貯蔵期間が長いほど酸味が減って食べやすくなるため、ギフトにも向いています。沖縄県では、バレンシアオレンジと温州みかんの交配で誕生したあまSUNと呼ばれるみかんが、12月限定で流通しています。ギフトなどで大量にみかんがある場合は、そのまま食べる他にジャムにする食べ方が一般的です。しかし、ポテトサラダに付け合わせたり、コンポートにしたりすると、みかんの豊かな風味や美味しい食感をより感じられやすくなります。
まとめ
冬の季節にぜひ楽しんでいただきたいのが、深い味わいの柿や甘酸っぱいみかんや瑞々しいいちごなど、12月に旬を迎えるフルーツたちです。これらのフルーツは、そのまま食べるだけでなく、煮物やデザート、カクテルなどにも使うことができ、季節の料理を一層引き立てます。冷たい12月の季節を、これらの旬のフルーツと共に暖かく、そして楽しく過ごしましょう。