パンデローとは

パンデローとは
「パン・デ・ロー」(Pão de Ló)は、ポルトガル発祥の伝統的なスポンジケーキで、卵、砂糖、小麦粉を主な材料として作られます。しっとりとした食感と濃厚な味わいが特徴で、ポルトガルの家庭やパティスリーで広く愛されているスイーツです。
パン・デ・ローの作り方はシンプルで、一般的には以下のような手順で作られます。
材料:
卵:全卵または卵黄を使用します。
グラニュー糖:甘さを加えるために使います。
小麦粉:ケーキのしっとりとした食感を与えるために使用します。
バニラエッセンス:風味を加えるために使います。
作り方:
卵とグラニュー糖を泡立て器でよく混ぜます。卵黄だけを使う場合は、卵黄とグラニュー糖を混ぜます。
小麦粉を少しずつ加えながら、混ぜ合わせます。バニラエッセンスを加え、均一な生地ができるまでよく混ぜます。
オーブンを180℃(356°F)に予熱します。
生地をバターで塗ったケーキ型に流し入れます。
オーブンで約30~40分焼きます。焼き上がりは、表面がキツネ色になり、中がしっとりとした食感になることを確認してください。
ケーキが焼きあがったら、型から取り出して冷ませば完成です。
バリエーションとして、レモンやオレンジの皮を加えることで風味を変えることもできます。また、パン・デ・ローはシンプルな味わいのため、フルーツやクリーム、チョコレートソースなどを添えて楽しむこともできます。ポルトガルの家庭やカフェで、コーヒーや紅茶と一緒に楽しまれる伝統的なスイーツです。

ポルトガルで食べられているパン・デ・ローは、大きく分けて2つ
ポルトガルの伝統的なパン、パン・デ・ローは、日本のカステラと同じく甘さ控えめで印象的な食感が特徴ですが、その風味や作り方はまったく違います。主に二つのタイプがあります。
一つ目は""ブローシータ""と呼ばれる種類。大きな直径30cmほどものサイズと、中央の穴のようなくぼみが特徴で、じっくりと長時間焼き上げることで、小麦の風味が広がります。その結果として、パリっとした外皮とふんわりとした食感を楽しむことができます。ポルトガルの北部では、特に伝統的な行事の時にはその風味を楽しみ、多くの人々が手にする光景をよく見かけます。
また、甘いポルトワインとの相性が非常に良いため、一緒に楽しむのが一般的です。日本のカステラとワインのマリアージュもおすすめですが、パン・デ・ローとワインの組み合わせはまた違った楽しみ方を発見できるでしょう。
もう一つのタイプは、""モランゲーロ""と呼ばれる菓子パン風のパン・デ・ローです。これは先程のタイプよりも小さく、しっとりとした食感が特徴です。中までしっかり火を通すのではなく、半熟状態で焼き上げることで、濃厚な甘みを引き立てます。
特に、ポルトの郊外、オバールという町の名物とされ、地元で作られたものだけがパン・デ・ロー・デ・オバールと名乗ることが認められています。ご家庭でもシンプルな材料・卵、砂糖、小麦粉だけで作ることができ、半熟カステラの流行時には、この半熟のパン・デ・ローが注目されました。
いずれのパン・デ・ローも、素朴でありながら深い味わい・食感が楽しめ、ポルトガルの食文化を体験することができます。その多彩な楽しみ方から、朝食からデザートまで幅広く利用され、一度は試してみる価値があるパンと言えるでしょう。
まとめ
ポルトガルの伝統的なお菓子、「パン・デ・ロー」は、しっとりとした食感と濃厚な味わいが魅力的なスポンジケーキです。卵、砂糖、小麦粉を主な材料に、シンプルながらも素材の美味しさを活かした一品。ポルトガルの家庭やパティスリーで受け継がれてきた伝統の味を、ぜひ一度味わってみてください。お茶やコーヒーとの相性も抜群で、ほんのり甘いひとときが心地よく広がります。パン・デ・ローの魅惑的な香りと口どけの良さに、舌鼓を打ちませんか?
よくある質問
パンデローとカステラの違いは何ですか?
パンデローとカステラは、ともにポルトガルの伝統菓子であり、そのルーツや食感に違いがあります。パンデロー(パォンデロー)は、16世紀頃からポルトガルで食べられてきた伝統的なスポンジケーキで、特にクリスマスや祭事になるとお供え物や贈り物として作られ、多くの家庭やケーキ屋で親しまれてきました。パンデローは修道院生まれとされ、卵を贅沢に使い、焼き上がりの中心が半熟でとろっとした食感が特徴で、「半熟カステラ」として日本でも人気があります。
一方、日本のカステラは室町時代末期にポルトガルから伝わったパンデローを元に、長崎で独自に発展したスイーツです。カステラの名前やルーツはパンデローに由来すると言われていますが、カステラはグラニュー糖や小麦粉を使い、ふんわりとしたきめ細やかな食感になるまでしっかり焼き上げて作られる点がパンデローとは異なります。カステラの食感はパンデローの半熟さとは対照的で、食べ方や形も変化し、日本独自の伝統菓子として定着しました。
このように、パンデローとカステラはどちらも卵を多く使ったスポンジケーキですが、パンデローはポルトガルの伝統と修道院文化から生まれた半熟タイプの菓子、カステラは日本で発展し食料品店やお土産として食べられてきたしっかり焼かれる菓子である、という点に違いがあります。