オレンジの薄皮には、「瓢嚢（じょうのう）」と呼ばれる部分があり、食物繊維が豊富に含まれています。ただし、大量に摂取すると消化不良を引き起こし、腹痛や下痢の原因となる可能性があるため、胃腸に自信のない人は注意が必要です。

また、オレンジの薄皮の白い筋は「維管束（いかんそく）」と呼ばれ、薄皮と同様に栄養が豊富です。特に、ビタミンCの吸収を高める効果のある「ヘスペリジン」が注目されています。ヘスペリジンは、かつて「ビタミンP」とも呼ばれ、毛細血管の強化、血流改善作用、LDLコレステロールの低下、抗アレルギー作用などの効能があります。オレンジ以外にも、赤ワインや緑茶などにヘスペリジンが豊富に含まれています。

オレンジの薄皮部分には味はありませんが、胃腸に問題がない人は、薄皮や白い筋を意識して食べることで、効率的に栄養を摂取することができます。最も手軽な方法は、オレンジの果肉部分と一緒に食べることでしょう。

オレンジの薄皮には苦味がありますが、マーマレードなどに使用すると独特の風味を加えることができます。また、薄皮には食物繊維やポリフェノールが豊富に含まれているので、健康面でのメリットもあります。

しかし、オレンジを美味しく食べるためには、適切な洗い方と切り分け方が重要です。特に輸入品のオレンジは、防カビ剤が使用されている可能性が高いため、食品用洗剤を使って丁寧に洗うことが大切です。

オレンジを洗う際は、まず流水でよく濡らし、専用のスポンジに食品用洗剤を少量付けます。そして、オレンジの表面をスポンジで揉み洗いし、流水でしっかりと洗剤を洗い流します。最後に、オレンジの水気をペーパータオルで十分に拭き取ります。

オレンジを薄皮ごと食べるには、スマイルカットがおすすめです。オレンジを横に向けて真ん中をカットし、更に1/4にカットします。そして、カットしたオレンジに真ん中まで切り込みを入れることで、手軽に薄皮部分を食べることができます。

一度カットしたオレンジは、タッパーなど外気に触れない入れ物に入れ、しっかりと封をしたら冷蔵庫で保管しましょう。冷蔵保存であれば2〜3日は美味しく食べることができますが、それ以降は見た目と香りに異常がないかを確かめてから食べるようにしましょう。

オレンジの皮は、健康や美容に役立つ栄養素が豊富に含まれる、まさに自然の宝庫です。捨ててしまうのはもったいない。オレンジの皮を上手に活用することで、私たちの生活はもっと豊かで健やかなものになるでしょう。