かるかんとは
かるかんとは

鹿児島の伝統的な和菓子「軽羹(かるかん)」をご存じでしょうか?このお菓子は、その軽やかな名前からは想像できないほど、独特のふんわりとした食感と深い旨味が特徴です。自然薯(じねんじょ)をたっぷり使用し、羊羹のような形に蒸し上げることで、その軽やかさと甘さを引き出しています。この記事では、かるかんの名前の由来や作り方、さらにその進化版である「かるかん饅頭」についても詳しくご紹介します。

軽羹(かるかん)とは

鹿児島名物の「軽羹(かるかん)」は、その軽やかな名前から、ふんわりとした和菓子をイメージしがちですが、実際には独特の風味と食感を持つ伝統的な和菓子です。軽羹は、主に自然薯(じねんじょ、または山芋)を使用し、羊羹のような形状に仕上げられています。蒸し上げることで空気を多く含み、ふんわりとした軽い食感と、見た目の白さが特徴です。一口食べると、しっかりとしたコクのある旨味が口の中に広がります。

かるかんとは

かるかんの名前の由来

「かるかん」の名前は、漢字で「軽羹」と書かれますが、その由来にはいくつかの説があります。一般的には、蒸し上がる前や切り分けた際の形状が羊羹に似ていることから、「軽い羊羹」を意味する「軽い羹」として名付けられたと考えられています。このように、見た目と食感からその名前が生まれたのです。

かるかん饅頭も人気

従来の「かるかん」はもちっとした生地そのものが人気ですが、近年では「かるかん饅頭」が新たに注目されています。かるかん饅頭は、かるかんの生地にこしあんを包み込んだもので、その素朴な甘さともちもちした食感が魅力です。50gのかるかん饅頭(こしあん入り)1個で約109kcalと低カロリーですが、小さなサイズが一般的で、つい食べ過ぎてしまうことがあるので注意が必要です。

かるかんとは

かるかんの作り方

かるかんはシンプルな材料で作れる和菓子です。まず、自然薯の皮をむき、あく抜きしておきます。すり鉢にお酢と水を入れ、自然薯をすりおろします。すりおろした自然薯に砂糖を数回に分けて加え、しっかり混ぜ合わせます。その後、水を少しずつ加え、完全に混ざったら泡立て器でさらに空気を含ませます。最後にかるかん粉を加え、ダマにならないように混ぜ合わせ、型に流し込んで強火で蒸します。冷めたら切り分けて完成です。

かるかん粉と上新粉の違い

かるかんのレシピでは、かるかん粉と上新粉のどちらも使用できますが、これらの粉には違いがあります。上新粉はうるち米を水洗いし乾燥させてから製粉されたもので、粒子が細かいのが特徴です。一方、かるかん粉は水洗い後に半乾きの状態で粗めに粉砕されたものです。製法の違いはありますが、原材料は同じなので、かるかん粉が手に入らない場合は、代用として上新粉を使うことができます。

かるかんとは

鹿児島土産に「かるかん」を買いたいお店

鹿児島で「かるかん」を購入するなら、以下の店舗がおすすめです。

 

明石屋: 1847年からかるかんを作り続けている由緒ある和洋菓子製造店です。鹿児島市内に本店があり、鹿児島空港内にも店舗があります。高級感のある外観と店内が特徴です。

 

蒸気屋: 明石屋と並ぶ有名店で、鹿児島県内や宮崎県、福岡空港にも店舗があります。一部店舗では、かるかんやその他の和洋菓子をお茶と共に楽しめる茶房も併設されています。

 

富久屋: 1860年創業の老舗で、数々の賞を受賞したり、メディアで取り上げられたりする人気店です。地元の人々に長年愛されてきた「献上かるかん」を提供しています。

まとめ

軽羹(かるかん)は、鹿児島の名物和菓子として、その独特の食感と風味で多くの人々に愛されています。自然薯を使用したこのお菓子は、見た目の軽やかさとは裏腹に、しっかりとしたコクのある旨味を持ち、口の中で広がります。名前の由来にはいくつかの説がありますが、その独特の見た目が「軽い羹」に由来していると考えられています。また、近年ではかるかんの生地にあんこを包み込んだ「かるかん饅頭」が人気で、素朴な甘さが特徴です。鹿児島を訪れた際には、明石屋や蒸気屋、富久屋などの老舗店で、ぜひ本場のかるかんを味わってみてください。

かるかん