ココアパウダーは、その豊かな風味と香りで知られるだけでなく、健康にも驚くべき効果をもたらすスーパーフードです。日常的に取り入れることで、美容や健康に役立つ成分が多数含まれており、その魅力は計り知れません。抗酸化物質であるフラボノイドが豊富に含まれており、これにより血行促進やストレス軽減、さらには心臓病予防まで期待できるのです。この記事では、ココアパウダーの具体的な健康効果や活用方法について詳しく探っていきます。
カカオポリフェノールの機能と効果
カカオは、生活習慣病の予防やアレルギーの緩和、さらには老化防止に役立つ素晴らしい食品です。本記事では、カカオの主要成分であるカカオポリフェノールの効果を取り上げます。
生活習慣病を遠ざけるカカオポリフェノールは、LDLコレステロールの酸化を防ぐことで、動脈硬化のリスクを減少させます。また、血管内の炎症を抑え、血管を拡張させることで血圧の低下に寄与します。
アレルギーの緩和作用アレルギー反応を引き起こす成分を抑える働きがあり、アレルギー症状を軽減します。
老化の抑制と美肌効果・活性酸素を抑えることで、シミやシワの進行を緩和することができます。また、血流の促進によって認知機能の向上も期待されます。
カカオにはさらに「テオブロミン」や豊富な食物繊維が含まれ、以下のような作用も持ちます。
「テオブロミン」は自律神経を調整し、リラックス効果をもたらすため、不眠や不安の改善に役立ちます。また、食物繊維は腸内環境の改善に寄与し、快適な日常生活をサポートします。
良いことがたくさん詰まったカカオ。毎日取り入れたいと考える方も多いでしょう。
しかし、摂取する際にはいくつかの注意点があります。それについても確認しておきましょう。
選び方と摂取時に考慮すべき3つのポイント
ここで触れるカカオは、お砂糖を加えていない100%純粋なカカオのことです。それは純粋なココアパウダーとして市販されています。
一口に純ココアパウダーと言ってもいくつかの種類があり、私の推奨はオーガニックでアルカリ処理を施していないカカオパウダーです。
多くのカカオ製品は、化学処理を用いてアルカリ化され、酸味が和らぐように作られています。しかし、アルカリ化処理は、カカオ本来のフルーティーな風味や栄養を損なう可能性があります。そのため、健康効果を重視する場合は非アルカリ処理の製品を選ぶと良いでしょう。
加えて、カカオの栽培過程では農薬が使用されることがあるため、可能であればオーガニック認証がある製品を選ぶと安心できます。
冬の寒い時期には、温かいココアが特に美味しく感じられることでしょう。飲む際には、定番のミルクココアではなく、豆乳ココアを選んでください。これは、カカオポリフェノールと牛乳が相性悪いためです。牛乳に含まれるカゼインがカカオポリフェノールと結合し、吸収を妨げてしまうからです。
私は、毎朝豆乳ココアを飲んでいますが、そのまろやかな味わいは心まで温かくするように感じられます。
もう一つの注意点は、カカオを摂取するタイミングと回数です。カカオには血糖値の急上昇を抑える作用があるため、食事前に摂ると血糖値の上昇を緩やかにできます。
また、カカオの効果が体内で続くのは約2~3時間と言われています。よって、1日3~5回を目安に取り入れましょう。1日の摂取目安量はカカオパウダー大さじ1杯程度です。
チョコレートは健康に悪影響?
カカオ自体は健康に悪いものではありませんが、一般的なチョコレートバーに含まれる大量の砂糖が主な問題です。また、製造過程でカカオを焙煎すると、抗酸化物質や重要な酵素が減少してしまいます。しかし、ローカカオやローチョコレートではこれらの栄養素が保たれます。
では、カカオソリッド99%のダークチョコレートはどうでしょうか? カカオソリッドとは、ローカカオ豆をすりつぶし、カカオバターを取り除いた後に残る部分で、カカオパウダーの原料となります。
ローカカオは、未焙煎のカカオ豆、カカオソリッド、カカオパウダーを指し、製造過程で熱が加わらないのが特徴です。この加熱処理が、いくつかの栄養素を奪う原因とされています。
ローカカオのバリエーションと楽しみ方
ローカカオは、その加工方法によってさまざまなタイプに分かれます。
日常生活に取り入れやすいローカカカオ製品は、大きく分けて2つです。
ローカカオニブ:これは生のカカオ豆を皮を取り除いて砕いたもので、見た目は細かく砕かれたチョコレートチップに似ています。
【食べ方】
1.ローカカカオニブをスムージーの仕上げに振りかけると、パリッとした食感とカカオの香りがプラスされます。甘いフルーツスムージーやグリーンスムージーとの相性も抜群です。
おすすめ組み合わせ
バナナ+アーモンドミルク+カカオニブ
ベリー系スムージー+ローカカオニブ
2. グラノーラやヨーグルトに混ぜる
朝食や軽食にグラノーラやヨーグルトを食べる際、ローカカオニブを加えると栄養価がアップします。フルーツやナッツとも相性が良く、ヘルシーでバランスの良い一皿に。
おすすめトッピング例
ヨーグルト+ローカカオニブ+蜂蜜+バナナ
グラノーラ+ローカカオニブ+ドライフルーツ
3. お菓子や焼き菓子の材料として
チョコチップの代わりにローカカオニブをクッキーやマフィンに混ぜ込むと、カカオの深い味わいとカリッとした食感を楽しめます。砂糖を控えめにしてヘルシーに仕上げるのがおすすめです。
使い方
クッキーやブラウニー生地に混ぜる
パウンドケーキやマフィンの生地に加える
4. ナッツやドライフルーツとのミックス
ローカカオニブをナッツやドライフルーツとミックスすれば、手軽で栄養価の高いおやつに。ビターなカカオニブが甘いドライフルーツと絶妙にマッチします。
アーモンド+クランベリー+ローカカオニブ
ピーカンナッツ+レーズン+ローカカオニブ
5. ドリンクのトッピングや風味付け
温かいミルクやコーヒー、ホットチョコレートに振りかけると、カカオの香ばしい風味が楽しめます。砕いて細かくすれば、より濃厚な香りが引き立ちます。
アレンジ例
ホットチョコレート+ローカカオのトッピング
カフェラテやカプチーノの泡部分にふりかける
ローカカオの効能
ローカカオには、多くの健康効果があります。
注目すべき利点を4つご紹介します。
貧血防止効果
鉄分不足は貧血だけでなく、疲労感や不快感を引き起こすことがあります。
鉄分の吸収を促進するためには、ビタミンCが多く含まれる食品と一緒にカカオを摂ると効果的です。
例えば、ビタミンCが豊富ないちごやブルーベリー、ケールや小松菜と一緒にカカオニブやカカオパウダーをスムージーに加えるのがおすすめです。
心の安定効果
ローカカオには、アナンダミドやトリプトファン、セロトニンが含まれています。
これらは、心のリズムを高め、より安定した気分を保ち、ストレスから心身を守ってくれます。
さらにPEA(フェニチルアミン)も豊富に含まれています。
PEAは、恋をしているときに感じるワクワク感や幸福感をもたらす化学物質です。気分が落ち込んでいるときは試してみてはいかがでしょうか。
生活習慣病予防とアンチエイジング
吸引する酸素の一部は、活性酸素に変わります。
活性酸素は酵素の働きを助け、細菌から体を守る役割がありますが、過剰に生成されると負担をかけてしまいます。
ローカカオには、ポリフェノールやカテキン、エピカテキンなどの抗酸化物質が豊富に含まれています。
これらの抗酸化物質は、赤ワイン、ブルーベリー、緑茶以上で、活性酸素を抑え、健康を維持しアンチエイジングにも有効です。
高血圧リスクの低減
ローカカオは、マグネシウムがたっぷりです。
十分なマグネシウムの摂取は、糖尿病リスクの低減、健康な血圧維持、骨の強化、心疾患リスクの軽減、神経系の健康に役立つと言われています。
スナック菓子やカフェイン飲料を頻繁に摂取する方やストレスが多い方は、マグネシウムが不足しがちです。
このような方には、ローカカオがオススメです。
ローカカオの効能を効果的に活用する方法
健康に優れたローカカオを効果的に摂取するための方法が二つあります。
低温での加工を維持する
ローカカオは高温加工を避けているため、重要なビタミンやミネラル、抗酸化成分をそのまま維持しています。
一般的なカカオの加工法では、高温による発酵と処理で、ポリフェノールやビタミンの多くが失われてしまうのです。
市販のチョコレートはその代表例です。
市販される多くのチョコレートは、高温で大量生産されており、ローカカオ本来の成分が十分に含まれていません。
さらに、白砂糖や添加物が多く含まれることで栄養価はさらに減少しています。
最大限にローカカオの栄養を楽しみたい場合は、「ローチョコレート」を選ぶのが効果的です。
もしローチョコレートの手作りが難しいと感じたら、ローカカオニブをそのまま食べるのも良いでしょう。そのままでカカオの栄養を楽しめます。
乳製品を避ける
乳製品はローカカオ中のポリフェノールの吸収を妨げる可能性があります。
ポリフェノールをしっかり摂るには、乳製品との併用を控えると良いでしょう。
乳製品を避けつつ楽しむには、代わりに豆乳やアーモンドミルク、ココナッツミルクを使用してみてください。
注意が必要なポイント
ローカカオは豊富な栄養素を含んでいますが、摂取時には注意点があります。主に2つです。
<カフェイン>ローカカオにはテオブロミンというカフェイン類似成分が含まれており、これが理由で犬にチョコレートを与えてはいけません。
ローカカオのカフェイン含有量は通常のチョコレートより少ないものの、完全には含まれていないとは言えません。
カフェインに敏感な方は、摂取量が睡眠に影響を与えたり不安を引き起こしたりする可能性があるため、注意が必要です。
<脂質>ローカカオニブはカカオバターを含んでいるため、過剰摂取すると脂質の摂取量が増えるので気をつけましょう。
一方、ローカカオパウダーは、低温圧縮加工でカカオバターと分離されるため、脂肪分が少なくなります。
しかし、どんなに優れた食品でも、過剰に摂取すると良くないので適度に楽しむことが大切です。
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