バターは風味が良く、お菓子作りに最適な油脂として長らく愛用されてきました。しかし、健康志向の高まりから、バターよりも低カロリーで良質な油脂が求められるようになりました。幸いなことに、バター以外にも様々な油脂がお菓子作りに役立ちます。

前回の記事では、バターの香りや風味、さまざまな性質がお菓子作りに欠かせないことをご紹介しました。一方で、「バターは高いからコストを抑えたい」「カロリーやコレステロールが気になる」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで今回は、バター以外のさまざまな油脂の特徴をお伝えしながら、バターと同じようにお菓子を作ることができるのか、どのような違いが出るのかをご紹介します。

例えば、オリーブオイルは風味が良く、焼き菓子にぴったりです。ココナッツオイルは高温耐性があり、クッキーやスコーンに適しています。また、アーモンドオイルやヘーゼルナッツオイルなどのナッツ油は、ケーキやタルトに芳醇な香りを加えてくれます。植物油脂であるショートニングは、サクサクしたパイ生地を作るのに役立ちます。バナナやアボカドのようなフルーツのペースト状のものも、油脂の代用品として使えます。バター以外の油脂を使えば、健康に配慮しつつ、素晴らしいお菓子が作れるはずです。

お菓子作りに使われる油脂は多種多様で、それぞれ独自の特徴を持っています。サラダ油は無味無臭で汎用性が高く、太白ごま油は酸化に強く風味を損なわず、米油はクセがなく素材本来の旨味を損なわない点で適しています。ココナッツオイルは香り高く、中鎖脂肪酸を多く含む特徴があります。マーガリンはバターに代わる加工油脂で、パン・ケーキ作りに広く利用されています。

このように、お菓子の種類やおいしさを最大限引き出すには、油脂の性質を理解し、使い分けることが重要です。バターだけでなく、様々な油脂を上手に取り入れることで、栄養面でのメリットやコストパフォーマンスの良さも期待できます。お菓子作りの幅が広がり、新しい可能性が広がるのではないでしょうか。

バターには代替えがたい風味と食感がありますが、他の油脂にも魅力的な特徴があります。サラダ油は無臭で小麦の香りが楽しめ、ザクザクした食感が特徴的です。太白ごま油も無臭で酸化しにくく、最後まで美味しく食べられます。米油は軽やかな食感で、バニラのようなほのかな甘い香りがアクセントになります。

ココナッツオイルは強い香りとスノーボールのような口溶けの良い食感が魅力です。マーガリンはバターに近い食感ですが、独特の香料の香りがあります。このように、油脂を変えることで様々な風味と食感を楽しめるのがクッキーの魅力です。お好みに合わせて最適な油脂を選んでみてはいかがでしょうか。

バターやマーガリンなどの油脂は、生地づくりにおいて重要な役割を果たしています。固体の油脂には適度な水分が含まれているため、生地に最適な柔らかさと伸びを与えることができます。一方、液体油にはほとんど水分がないため、生地に加えると水分不足となり、固くなってしまいます。

今回、バターの代わりに他の油脂を使ってクッキーを作ってみました。見た目にはさほど変わりませんでしたが、生地の状態や焼き上がりの食感、風味に違いが現れました。バターに最も近い仕上がりになったのはマーガリンでした。マーガリンはバターと同様に可塑性があり、生地づくりに適した性質を持っています。

しかし、必ずしもバターやマーガリンでなければクッキーは作れません。各油脂の特性を理解し、それぞれに合ったレシピを参考にすれば、おいしいお菓子が作れるはずです。経験を重ねながら、最適な油脂とその使用量を見極めることが大切です。生地作りは、水分と油脂のバランスが肝心なのです。