野苺(野イチゴ)とは 野いちごとは

野苺(野イチゴ)とは
野苺(野イチゴ)は、山や野原に自然に自生する苺で、バラ科に属します。特徴的な赤い苺のような果実をつける植物です。
野イチゴの種類と味は
野苺(野イチゴ)は、山野に自生している苺で、赤い苺状の果実をつけるバラ科の植物です。ここでは、主要な野イチゴの種類とその特徴を紹介します。
クサイチゴ(草苺)
和名: クサイチゴ(草苺)
別名: ワセイチゴ(早稲苺)
英名: Japanese raspberry
学名: Rubus hirsutus
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉小低木
分布: 本州、四国、九州
形態: 茎に毛が多く、棘がある
果実熟期: 5~6月
果実: 生食可能で、大型で酸味が少なくとても甘い
花の咲く時期: 4~5月に直径4cmほどの白い花を咲かせる
葉の特徴: 卵形〜楕円形で細かいギザギザがある
特徴: 日当たりの良い草地や登山道でよく見かける。背丈が20~50センチと低く、草木のような質感。
花言葉: 幸福な家庭、恋愛成就、誘惑、尊重と愛情、甘い香り
ニガイチゴ(苦苺)
和名: ニガイチゴ(苦苺)
別名: ゴガツイチゴ
学名: Rubus microphyllus L.f.
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉小低木
分布: 本州、四国、九州
形態: 茎や枝は粉白色になり、細い刺がたくさんある
果実熟期: 5~6月
果実: 生食できるが、種に苦みがある
花の咲く時期: 4~5月に花径2㎝ほどの白い花を咲かせる
葉の特徴: 浅く三つに切れ、裏が白い
特徴: 林の縁などで群生。茎を複数立てるため藪を形成することが多い。美味しく食べられる野イチゴのひとつ。
モミジイチゴ(紅葉苺)
和名: モミジイチゴ(紅葉苺)
別名: 黄苺
学名: Rubus palmatus var. coptophyllus
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉低木
分布: 北海道、中部地方以北
形態: 高さ50㎝~2mほどで枝にとげが多い
果実熟期: 6月
果実: 黄~オレンジ色に熟し、味は美味しい
花の咲く時期: 3~5月に白色の5弁の花を下向きにつける
葉の特徴: 3~5に割れ、縁がギザギザ
特徴: 高い背丈があり、トゲが多いため近づくと肌が傷つくことがある。最も上品で美味しいとされる野イチゴのひとつ。
花言葉: 嫉妬、妬み、後悔、愛情、いつも愉快
クマイチゴ(熊苺)
和名: クマイチゴ(熊苺)
学名: Rubus crataegifolius Bunge
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉低木
分布: 北海道、本州、四国、九州
形態: 1~2mになり、茎は赤紫色でとげが多い
果実熟期: 6~8月
果実: 赤く熟し、甘い
花の咲く時期: 4~6月に白い径1.5cmほどの花を咲かせる
葉の特徴: 広卵形で3~5に割れ、縁が不揃いにギザギザ
特徴: 果実が大型で食用になり、爽やかな酸味と甘みが特徴。ジャムにも適している。繁殖力が強いので注意が必要。
ナワシロイチゴ
和名: ナワシロイチゴ
別名: アシクダシ、ウシイチゴ、サツキイチゴ
英名: Japanese raspberry
学名: Rubus parvifolius
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉小低木
分布: 日本中に分布し、道路わきなどで見かける
形態: つる状に延びる
果実熟期: 6~7月
果実: 甘酸っぱい
花の咲く時期: 5~6月に赤紫の目立たない花を咲かせる
葉の特徴: 葉の裏に白い綿毛があり、複葉
特徴: 苗代の頃に熟すことから名前がついたと言われている。道端や日当たりのいい斜面でよく見かける。
花言葉: 恩恵
バライチゴ(深山苺)
和名: バライチゴ
別名: ミヤマイチゴ(深山苺)
英名: Strawberry-raspberry
学名: Rubus illecebrosus Focke
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉小低木
分布: 日本中に分布
形態: 地下茎が長く、茎の高さは10~60㎝
果実熟期: 8~10月
果実: 甘酸っぱい
花の咲く時期: 6~8月に白い花
葉の特徴: 細長く、他のキイチゴ属と異なる
特徴: 花が大きく、観賞用として育てられることもある。果実は完熟すると美味しく食べられる。
花言葉: 可憐な乙女
フユイチゴ(冬苺)
和名: フユイチゴ(冬苺)
別名: カンイチゴ(寒苺)
学名: Rubus buergeri Miq.
階級: バラ科キイチゴ属
分類: 落葉小低木
分布: 九州、四国、関東以西の本州
形態: 枝を伸ばして株を作る。背丈は20~30センチ
果実熟期: 11~1月
果実: 美味しい
花の咲く時期: 9~10月に白い5弁花
葉の特徴: 5~10㎝の丸形で浅く3〜5裂
特徴: 冬に熟すため、比較的温暖な地域に生息。這うように枝を長く伸ばす。
花言葉: 真心の愛、未来の予感、尊敬と愛情
ヘビイチゴ(蛇苺)
和名: ヘビイチゴ(蛇苺)
別名: 毒イチゴ
英名: False strawberry
学名: Potentilla hebiichigo
階級: バラ科キジムシロ属
分類: 草本
分布: 日本各地の山野
形態: 葉が手のひら状で、長い蔓が絡まる
果実熟期: 6~8月
果実: 小さく、食べると苦い
花の咲く時期: 4~5月に黄色い5弁花
葉の特徴: 手のひらのように5~7裂
特徴: 果実は食べられるが、味がよくないため食用には向かない。葉っぱには薬効があると言われている。
花言葉: 謙虚、誠実な愛
それぞれの野苺は、自生している場所や栽培されている条件によって、その特徴や味わいが異なります。興味のある方は、ぜひそれぞれの品種を試してみてください。

ヘビイチゴは食べられる?毒はあるの?
""ヘビイチゴ""という名前やその他の名で呼ばれる""毒イチゴ""という名称は、その果実が毒を含んでいるような印象を持ってしまうかもしれません。しかし、その名前に反して、ヘビイチゴ自体には毒は含まれておらず、人間が食べることが可能な果実なのです。
だが、そのまま生で食べると甘さが少なく、美味しく感じることは難しいかもしれません。しかし、その硬さを活かして加工することで、風味豊かなジャムを作ることができます。そして、その鮮やかな色と独特の形状が特徴で、ジャムにした場合はその風味と共に視覚的な楽しみも提供します。
ただし、ヘビイチゴには一部の人にアレルギーを引き起こす可能性のある成分も含まれています。そのため、初めて食べる場合には、大量に摂取するのではなく、少量から試すことを勧めます。
ですので、""ヘビイチゴは毒ではなく、食用にできますが、味は少ないため加工が必要で、全ての人が安心して食べられるわけではない""ということになります。ヘビイチゴに興味のある方は、少量から試し、自分の体質と相談して楽しむことを忘れないでください。
美味しくないヘビイチゴと他の野イチゴとの見分け方
ヘビイチゴには「ヘビイチゴ」と「ヤブヘビイチゴ」の2種類がありますが、いずれも「花のガクが内外2列になっている」という特徴があります。他の食用キイチゴ属の野イチゴにはこの特徴がないため、ガクの部分を観察することでヘビイチゴか他の野イチゴかを見分けることができます。

まとめ
野苺は、その多様な種類と味わいで、自然の中での楽しみを提供してくれる貴重な果実です。クサイチゴの甘さや、モミジイチゴの上品な味わい、またフユイチゴの冬の果実など、それぞれの野苺には独自の魅力があります。ヘビイチゴについては、見た目に惑わされず、特徴的なガクを観察することで他の野イチゴと区別することができます。これらの知識を活用し、野苺の収穫や活用に挑戦してみることで、自然の恵みをより一層楽しむことができるでしょう。
よくある質問
野いちごは食べてもいいですか?
野いちごは日本の野山に自生する可愛らしい果実で、多くの種類があります。代表的なものにヘビイチゴやモミジイチゴがありますが、名前に「ヘビ」や「毒」と付いているため、毒があるのではと誤解されやすいです。しかし実際には、野いちごのほとんどの種類に毒はなく、安全に食べることができます。例えばヘビイチゴは名前の響きから毒を連想されますが、無毒であり食用に適しています。ただし味は甘みや酸味が非常に控えめで、あまりおいしいとは言えません。一方、モミジイチゴは酸味と甘みのバランスが良く、野いちごの中でも上品で美味しい味わいとして知られています。
野いちごは昔から自然と触れ合う経験の一つとして親しまれてきましたが、採取の際は場所に注意が必要です。農薬のかかった場所や車の通る道路沿いでは避け、自然豊かなところで採取するのが望ましいです。また、見た目が似ているが毒性のある植物も存在するため、確実に種類を見分けることが肝心です。初めて食べる場合は少量にとどめ、よく洗ってから食べるのが安全です。
まるで恋愛小説のように自然の中で繰り広げられる小さなドラマの舞台とも言える野いちごは、小説サイト「野いちご」などと同じく、甘酸っぱい体験や感動をもたらしてくれる存在とも言えるでしょう。まさにその実の味わいは、少女コミックの甘い恋のように一度味わうと忘れられない記憶になるかもしれません。
蛇苺と野いちごの違いは何ですか?
蛇苺(ヘビイチゴ)と野いちごは、見た目が似ているため混同されがちですが、実は異なる植物であり、その違いは主に味や花の色、成長環境にあります。野いちごはバラ科の植物で、山野に自生するいちごの総称で、その中に蛇苺も含まれています。野いちごの実は小ぶりで鮮やかな赤色をしており、甘くて芳醇な香りが特徴です。一方、蛇苺は黄色い花を咲かせた後に赤い実をつけますが、その実は甘みも酸味もほとんどなく、味が薄く草の雑味のような風味があり、食用としてはあまり好まれません。
また、外見の違いとして、蛇苺の果実は表面がしわしわで細長く、粒もまばらについているのに対し、野いちごの果実は丸みを帯びて粒が密集していることが多いです。生育環境では、蛇苺は湿ったあぜ道や河川敷などに多く自生し、耐寒性が強いのに対し、野いちごはより広い範囲で温暖な地域に見られます。蛇苺には毒はなく食べることはできますが、味がほとんどなく食用には適していません。総じて、甘く食べやすいのが野いちご、味に特徴がなくあまり食べられないのが蛇苺という違いがあります。
野いちごと木苺の違いは何ですか?
野いちごと木苺は一見似ている赤い実の果物ですが、実は分類や特徴に明確な違いがあります。
まず、野いちごは主に地面に近い草丈の低い植物で、日本の自然の中に自生しています。葉は丸みがあり柔らかい毛が生えていることも多く、実は小さく鮮やかな赤色で、表面に粒がはっきり見えます。野いちごの花は白や黄色(ヘビイチゴの場合)ですが、甘さは控えめで、実の中の種のプチプチした食感が特徴的です。味は野趣あふれる素朴な風味で、甘みと酸味は弱めです。
対して木苺はバラ科キイチゴ属の低木やツル性植物の総称で、高さが1~2メートルになるものもあり、茎にはトゲがある種類も多いです。木苺の実は野いちごよりもふっくらとしていて、赤以外に黒や紫のバリエーションも見られます。花は白やピンク系が多く、味は甘酸っぱく濃厚で香りも豊かです。木苺の実は柔らかく口の中でほどけるような食感を持ち、ジュースやジャムづくりにもよく利用されます。