カンパーニュとは
カンパーニュはフランスパンの一種で、精度の高くない小麦粉や全粒粉、ライ麦などを使用し、大きめのドーム型や楕円形に成形されます。その独特な風味や見た目の魅力は、多くの人々に愛されています。今回はカンパーニュについてご紹介します。
カンパーニュとは？
カンパーニュはフランスパンの一種で、精度の高くない小麦粉や全粒粉、ライ麦などを使って作られます。大きめのドーム型や楕円形に成形され、表面には焼成の際にパン生地を均一に膨らませるための切れ目であるクープが入ります。焼き上がったカンパーニュはパリッとした表皮と、気泡がたっぷり入ったやわらかい内層に仕上がります。どっしりと重く、噛めば噛むほど素朴なおいしさがクセになります。また、シンプルな味わいゆえに、どんな料理にも合わせやすいのも魅力です。
冷めてからのほうがおいしいカンパーニュは、もともと穀物や果物による発酵種を使っていたため、特有の風味や酸味がありました。ただし、最近ではパン酵母が使われることが増えており、よりマイルドな味わいになってきています。
カンパーニュという名前はフランス語で「田舎」を意味し、「パン・ド・カンパーニュ」は「田舎パン」という意味です。もともとカンパーニュはパリ近郊の田舎で作られ、パリ市内で売られていました。その素朴な味わいと見た目が、パリ市民に故郷のパンを思い出させたことから、この名前で呼ばれるようになったそうです。
カンパーニュとその他フランスパンの種類、違いについて
フランスパンの代表格であるカンパーニュは、小麦粉、天然酵母、塩、水のみを使用したシンプルな材料で作られますが、他のフランスパンとの大きな違いは、全粒粉を使うことでより香ばしく、噛みごたえのある食感が特徴的なところにあります。一方、バゲットは白い小麦粉を使用し、薄くてカリッとした食感が魅力です。
フランスパンには、カンパーニュやバゲット以外にも、オリーブやナッツを練り込んだフーガスや、丸型で山の形に切れ目を入れたエピなど、さまざまな種類があります。これらのパンは形状や味わいこそ異なりますが、外はカリッと中はもっちりとした食感という共通点があります。
フランスパンがおいしいのは、素材の味を活かしたシンプルな製法にあります。バターや卵などを使わないことで、小麦本来の風味を存分に楽しむことができるのです。カンパーニュのようにクラストとクラムのバランスが絶妙なパンもあれば、バゲットのようにクラストの香ばしさを楽しむパンもあります。
形や大きさ、食感の違いを知ることで、自分の好みにぴったりのフランスパンを見つけられるでしょう。ぜひ、さまざまなフランスパンを食べ比べて、お気に入りを探してみてください。
カンパーニュの切り方
カンパーニュは、そのユニークな形状と味わいで人気のフランスパンの一種です。実は、カンパーニュの美味しさを最大限に引き出すには、切り方がポイントなんです。
まず、カンパーニュをスライスする際は、パンの硬い外皮に負けない、しっかりとした包丁を選ぶことが大切。パンを横に寝かせ、縦半分に切ったら、切り口を上にして斜めにスライスしていきます。このとき、パンを手で押さえつけないようにするのがコツ。押さえつけてしまうと、せっかくのもちもちとした食感が失われてしまうからです。
薄めにスライスすれば、クラストの固さが和らぎ、食べやすくなります。そのままオリーブオイルと岩塩をつけて味わうのも美味しいですし、サンドイッチにするのにも便利ですよ。一方、厚めにカットすれば、カンパーニュならではの食感と風味を存分に楽しめます。トーストにする場合は特に厚めがおすすめ。
また、クープに沿って十字にカットするのも豪快な味わい方。大きくカットすることで、クラストのパリッと感とクラムのやわらかさの両方を堪能できます。好きな分量ずつちぎって食べるのはもちろん、シチューやスープに浸して食べるのもおすすめですよ。
最後に、切り終わったパンは切り口を内側にして並べておくと、乾燥を防げます。カンパーニュの美味しさは、切り方次第で大きく変わります。ぜひ、いろいろな切り方を試してみてくださいね。
カンパーニュの基本の作り方、料理など
難しそうに見えるカンパーニュですが、実はご家庭でも手軽に作ることができます。まずは、一般的なパンと同様に、ボウルで材料をよく混ぜ合わせ、こねあげたら一次発酵させます。その後、ガス抜きをし、再度こねてベンチタイムを取ります。二次発酵の際には、バヌトンと呼ばれる藤製の発酵かごを使うとカンパーニュ特有の美しい模様が出来上がります。バヌトンがない場合は、ザルやボウルなどで代用することも可能ですね。発酵が完了したら、生地をバヌトンから取り出し、模様のついた面にナイフで十字の切り込みを入れます。切り込みにバターを塗り、霧吹きで水を吹きかけたら、オーブンで焼き色がつくまで焼き上げましょう。型から取り出し、粗熱が取れたら出来上がりです。
カンパーニュは、そのままスライスして食べるのも美味しいですが、ジャムやソースなどを添えると更に味わい深くなります。また、クラムのソフトな食感と大きさを活かし、サンドイッチやオープンサンドにするのもおすすめです。
他にも、中をくり抜いて好みの具材を詰め込むアレンジや、最近人気のプルアパートブレッドにするのも楽しいですよ。プルアパートブレッドは、カンパーニュに格子状の切れ目を入れ、チーズやハム、野菜などをはさんで焼き上げる料理です。見栄えが良く、みんなでシェアして食べられるので、パーティーメニューとしても喜ばれること間違いなしです。
奥深いおいしさのカンパーニュ作りにチャレンジしよう！
フランスパンの一種であるカンパーニュは、一見難しそうに感じられるかもしれません。しかし、実はおうちでも簡単に作ることができるのです。外はカリッと香ばしく、中はもっちりとした食感が魅力的な自家製カンパーニュ。小麦の風味を存分に味わえるシンプルな味わいながらも、奥深いおいしさを追求するのがポイントです。
材料選びから焼き上げまで、丁寧な工程を踏むことで、自分好みの逸品が完成します。まずは、カンパーニュに適したたんぱく質を多く含む強力粉を選びましょう。他にも、塩やイースト、水など、シンプルな材料を厳選することが大切です。生地を混ぜたら、発酵とパンチ、ベンチタイムを繰り返し、グルテンをしっかりと形成させます。最後は、高温のオーブンでしっかりと焼き上げれば、香ばしい匂いが部屋中に広がります。
自分だけのカンパーニュを作れば、毎日の食卓が一層楽しくなるはずです。今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひおうちでカンパーニュのおいしさを味わってみてください。パン作りの奥深さを感じながら、おいしさを追求するチャレンジを始めてみませんか？
まとめ
カンパーニュは、パリ近郊の田舎で作られ、パリ市内で広く親しまれてきました。その素朴な味わいと特有の風味は、パン愛好家にとってはたまらない魅力であり、どんな料理にも合わせやすいパンとして親しまれています。