イタリア生まれの濃厚でクリーミーなチーズといえば、マスカルポーネ。デザートの定番ティラミスから、パスタやリゾットまで、多彩な料理に活躍し、その魅力を引き出します。ほんのりとした甘さと滑らかな口当たりが特徴のマスカルポーネクリームは、料理をワンランクアップさせる名脇役。この記事では、その魅力を存分に堪能し、どのように日常の食卓に取り入れられるかを探ってみましょう。
マスカルポーネとは
マスカルポーネは、イタリア発祥のフレッシュタイプのチーズで、その滑らかでクリーミーな食感とほのかな甘みが特徴です。通常のチーズとは異なり、熟成させないため、酸味が少なく、デザートや料理に幅広く利用されています。
マスカルポーネは、イタリア北部ロンバルディア州で生まれました。16世紀頃から作られているとされ、元々は保存が難しいフレッシュな乳製品として地域で親しまれていました。名前の由来については諸説ありますが、スペイン語の「mas que bueno」(非常に良い)に由来するという説が有力です。
マスカルポーネはそのままでも食べられるほか、さまざまな料理に活用できます。
ティラミスのクリーム部分に欠かせない材料で、他にもフルーツと合わせたパフェやチーズケーキなど、デザートでよく使われます。
料理
リゾットやパスタのソースとして使用することで、濃厚でまろやかな味わいが加わります。また、パンやクラッカーに塗るだけでもおいしく楽しめます。
パンやスプレッド
ジャムやハチミツと混ぜてトーストに塗ると、朝食やおやつに最適です。
マスカルポーネの栄養
マスカルポーネは脂肪分が高く、エネルギー源として優れています。一方で、カルシウムやタンパク質は通常の熟成チーズほど豊富ではありません。そのため、適量を摂取することがポイントです。
マスカルポーネチーズがないときの代用品
マスカルポーネチーズが手に入らない場合、クリームチーズで代用することができます。クリームチーズは風味や食感に違いがあるものの、滑らかで濃厚な仕上がりが似ているため、ティラミスなどのレシピに応用可能です。例えば、クリームチーズを使用してティラミスを作ると、少しコクのある仕上がりになります。また、スフレタイプのチーズケーキ風にアレンジしても楽しめます。

ティラミスの基本レシピ
ティラミスは、イタリアを代表するデザートのひとつで、シンプルな材料で作れることが魅力です。コーヒーのほろ苦さとマスカルポーネクリームの濃厚な甘さが絶妙に調和し、洗練された大人の味わいが楽しめます。このデザートは、オーブンを使わずに作れるため、初心者にもぴったりです。以下に、基本的なティラミスの作り方をご紹介します。
材料(4~6人分)
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マスカルポーネチーズ:250g
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生クリーム:200ml
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グラニュー糖:50g
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卵黄:2個分
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インスタントコーヒー:大さじ2(またはエスプレッソ2杯分)
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お湯:100ml(インスタントコーヒー用)
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カステラやスポンジケーキ:適量
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ココアパウダー:適量
作り方
コーヒー液の準備
インスタントコーヒーをお湯で溶かし、冷ましておきます。風味を引き立てるためにお好みで砂糖やリキュール(ラム酒やマルサラ酒)を加えても良いです。
クリームの準備
ボウルに卵黄とグラニュー糖を入れ、白っぽくなるまで泡立てます。そこにマスカルポーネチーズを加え、滑らかになるまで混ぜ合わせます。別のボウルで生クリームを8分立て(少しツノが立つ程度)に泡立て、マスカルポーネのボウルに加えて優しく混ぜます。
層を作る
容器の底にカステラやスポンジケーキを並べ、準備したコーヒー液をたっぷりと染み込ませます。その上にマスカルポーネクリームを重ね、平らにならします。これを2~3回繰り返し、最後にクリームで覆います。
冷やす
冷蔵庫で3~4時間以上冷やします。時間が経つほど味が馴染み、よりおいしくなります。
仕上げ
食べる直前に、茶こしを使ってココアパウダーをたっぷり振りかけます。
ポイント
リキュールを加えると風味が増し、大人向けの仕上がりになりますが、お子様向けの場合は省いてください。
インスタントコーヒーの代わりに濃いめに淹れたコーヒーやエスプレッソを使うと、さらに本格的な味わいが楽しめます。
ティラミスは、そのシンプルさゆえにアレンジも自在です。基本のレシピをマスターして、自分好みのティラミスをぜひ作ってみてください!
マスカルポーネクリームを使ったデザートレシピ
マスカルポーネクリームを使ったお菓子のレシピをご紹介します。
1. フルーツマスカルポーネパフェ
材料(2人分)
マスカルポーネチーズ:100g
生クリーム:100ml
砂糖:大さじ2
お好みのフルーツ(イチゴ、ブルーベリー、キウイなど):適量
グラノーラ:適量
ミントの葉:少々(飾り用)
作り方
ボウルに生クリームと砂糖を入れ、8分立て(柔らかいツノが立つ程度)に泡立てます。
マスカルポーネチーズを加え、滑らかになるまで混ぜ合わせます。
グラスにグラノーラを敷き、その上にマスカルポーネクリームをのせます。
お好みのフルーツを彩りよく盛り付けます。
ミントの葉を飾って完成です。
2. マスカルポーネとハチミツのトースト
材料(1人分)
マスカルポーネチーズ:50g
食パン(厚切りがおすすめ):1枚
ハチミツ:適量
ナッツ(クルミやアーモンド):少々
作り方
トースターで食パンをカリッと焼きます。
焼き上がったパンにマスカルポーネチーズをたっぷり塗ります。
ハチミツをかけ、ナッツをトッピングして完成です。
3. マスカルポーネ入りティラミス風クリームカップ
材料(2人分)
マスカルポーネチーズ:100g
生クリーム:100ml
砂糖:大さじ2
ビスケット(市販のもの):適量
インスタントコーヒー:大さじ1(お湯大さじ2で溶く)
ココアパウダー:少々
作り方
生クリームと砂糖を泡立て、マスカルポーネチーズを加えてよく混ぜます。
ビスケットをインスタントコーヒーに浸し、グラスの底に敷きます。
その上にマスカルポーネクリームをのせ、これを2~3層に重ねます。
最後にココアパウダーを振りかけ、冷蔵庫で1時間ほど冷やして完成です。
4. マスカルポーネのクリームディップ
材料(4人分)
マスカルポーネチーズ:150g
プレーンヨーグルト:50g
ハチミツ:大さじ1
お好みのフルーツ(リンゴ、バナナ、イチゴなど):適量
作り方
ボウルにマスカルポーネチーズ、ヨーグルト、ハチミツを入れ、滑らかになるまで混ぜます。
一口大にカットしたフルーツを添えて、ディップとして楽しみます。
これらのレシピは、手軽にマスカルポーネクリームを使ったデザートを楽しむ方法です。お好みのアレンジを加えて、自分だけの特別なデザートを作ってみてください。
よくある質問
マスカルポーネは開けたら何日持つ?
マスカルポーネは、ティラミスやその他の多くのレシピで使用される人気のあるフレッシュチーズです。このクリーミーで濃厚なチーズは、開封後の保存期間が比較的短いため、適切な保存方法を知ることが重要です。
一般的に、マスカルポーネは開封後、冷蔵庫で1〜2週間程度保存可能です。ただし、最も新鮮な状態で楽しむには、開封後2日〜1週間以内に消費することが推奨されています。マスカルポーネは水分含有量が高く、乾燥や空気に触れることで劣化しやすいため、密閉容器に入れて冷蔵庫の奥やチルド室など、温度変化の少ない場所で保存するのが最適です。
マスカルポーネを使ったレシピは多岐にわたり、ティラミスの他にも、チーズケーキやムース、パスタソースなど様々な料理に活用されます。特にティラミスでは、マスカルポーネにクエン酸やレモン汁を加えることで、より風味豊かな味わいを作り出すことができます。また、フィンガービスケットと組み合わせることで、伝統的なイタリアンデザートを簡単に再現できます。
マスカルポーネは生クリームの代替としても使用でき、より濃厚な味わいを求める場合に適しています。費用目安としては、一般的なスーパーマーケットで200g〜250g入りのパックが手に入り、比較的手頃な価格で購入できます。
開封後のマスカルポーネを長期保存したい場合は、冷凍保存も可能ですが、解凍後は食感が変わる可能性があるため、主に調理用途に限定して使用することをお勧めします。新鮮なマスカルポーネの風味と食感を最大限に楽しむには、開封後はできるだけ早く消費することが大切です。