毎日パン 身体に悪い?菓子パン 体に悪いのか解説

「パンはご飯より太りやすい」という話を耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。実際、パンがご飯よりも高カロリーになりやすい理由には、パン作りに使われる多くの材料が関係しています。この記事では、パンとご飯のカロリーの違いと、その背後にある理由について詳しく解説します。
パンは体に悪い? ご飯よりパンが高カロリーになりやすい理由
「パンは体に悪いのか?」――この疑問の答えは「全てのパンが体に良くないわけではない」ということです。しかし、日本人はどうしてパンを高カロリーとみなすのでしょうか。その理由は、パンの特性にあります。
パンのメインの原料である小麦はビタミンB群や食物繊維を豊富に含んでいます。そのため、適切な食材との組み合わせにより、栄養バランスが整った食事になります。しかしながら、単独での食事となるとパンはやや物足りないため、保存のための焼き加減や風味のためのバターや砂糖が増加します。結果的に、同量のごはんに比べて、パンはどうしてもカロリーが高くなりやすいのです。
さらに、パンの種類は非常に多く、クリームやチョコレートなどを贅沢に使用した高カロリーのパンもあります。こういったパンを摂ることが頻繁になると、適量以上の糖質や脂肪を体に取り込む結果となり、「パンは体に良くない」と語られる原因となってしまうのです。
一方で、全粒粉のパンや砂糖を少なくしたパンといった、健康を意識した選択肢も存在します。パンそのものが体に良くないわけではなく、どのパンを選びどのように食べるかで健康的にパンを愉しむことが可能です。

「パンは体に悪い」は嘘? パン食が原因となる病気はあるのか
パンが健康に悪いとしたら、パンをメインの食事としている欧米の民族が健やかに生きていくことは不可能でしょう。
その切り口から見ていくと、パンが健康に悪影響を及ぼす可能性があるのは、小麦に含まれるグルテンへのアレルギー反応を示す方や、軽い食感ゆえに過度に摂取してしまう方くらいです。
病院食も参考になります。ここでは食事を通しての体への影響を特に厳しく見ていますが、パンはその中で普通に提供されています。パンは飽きることなく食事を楽しめますし、包装された状態で提供できるため衛生的です。また、調理の手間を省いた分だけ他のメニューに力を入れることができます。さらに、火を使う必要がないため夏場などには非常に重宝します。
さらに、パンは手で持って食べることができます。そのため、身体が困難な方でも自分で食事ができるという喜びを実感しやすいというメリットもあります。
パンが食事にもたらすデメリットとしては、食塩を加えないと美味しく感じられないため、食塩摂取量が増えてしまう可能性があります。また、スープと一緒に提供することで食塩摂取量がさらに増えることも懸念されます。
どのような食事でも同様ですが、問題となるのはその食べ方や摂取量です。パン自体が体に悪いわけではありませんので、その点を理解して安心してパンを楽しんでください。
健康にいいパンの種類・菓子パンを食事としてカウントするのはNG
パンの中には、体にとって有益なものと、それほどではないものがあります。
まず、健康に良いパンの代表例を紹介します。全粒粉パンやライ麦パンは食物繊維が豊富で、消化に良く、エネルギー供給にも最適な頼もしい食事のパートナーです。
しかしここで注目すべきは菓子パンです。美味しいはずの菓子パンの裏側には、その高カロリーが隠されています。砂糖やバターなどの高カロリー成分が多く、それを食べてしまうと身体にとってベストな食事とは言えないのです。
健康を保つためには、日々のパン選びに注意が必要です。パンの見た目だけでなく、カロリーや栄養バランスを確認することが重要です。全粒粉パンなどの良質なパンを選び、アンパンやチョコパン、メロンパンといった菓子パンは、あくまでお菓子としての位置づけで楽しみましょう。
これに対し、ロールパンやマフィン、フォカッチャなどプレーンなパンや具材が混ぜ込まれたパンは、しっかりとした栄養源として食事として頂くことが適しています。

「パン食は太る」「パンは不健康」説に振り回されないために
「パンを食べると太る」「パンは不健康」のような情報が周りから耳に入ることもあるでしょう。しかしながら、食べ物が太る原因となるのは、食材そのものよりも摂取する総カロリーや食事のバランスによるものです。
たとえば、ご飯とパンを比較してみましょう。「ダイエット中はパンよりご飯の方がいい」との説はあくまで、ご飯が水分を多く含むため、少量でも満足感が得られやすいからです。パンを食べる場合、水分摂取を飲み物などで工夫すれば、同じく満足感を感じることは可能です。また、パンにはご飯にはない利点もあります。
パンは主に小麦粉を使用した炭水化物源で、私たちが活動するためのエネルギーを供給してくれます。パンの中にも全粒粉のパンのように、低GI食品で血糖値の急上昇を防ぎつつ満腹感を得やすいものもあります。一方で、白パンは高GI食品であり、バランス良く他の食品と組み合わせながら適度に摂取することが大切です。
さらに、パンは手軽に食べられる利便性と美味しさが魅力的です。そのため、パンの取り扱い方や食事のバランスを理解した上で、健康的に楽しむことが重要と言えます。パンという食べ物がもたらす幸せを無理なく、適度に楽しむことで、健康的な生活へとつながるでしょう。ただし、パンは食塩含量が多めなので、その点は注意が必要です。
まとめ
結論として、毎日パンを食べることによる問題点は栄養バランスの偏りにあると言えます。パン自体には悪い成分は含まれていませんが、主食として毎日摂取することで炭水化物が過剰になり、他の栄養素の摂取が不足してしまう可能性があります。健康的な食生活を維持するためには、バランス良く様々な食品を摂ることが大切です。
よくある質問
グルテンとは?
グルテンとは、小麦粉に水を加えてこねる過程で生成される粘弾性のあるタンパク質複合体で、小麦に含まれる「グルテニン」と「グリアジン」という2種類のタンパク質が絡み合って形成されます。グルテニンは弾力性が強く伸びにくい性質を持ち、グリアジンは粘着力が高く伸びやすい特性を示し、これらが結合することでパンや麺類のもちもちした食感や弾力を生み出します。小麦粉中のタンパク質の約85%がこのグルテンに変換され、強力粉・中力粉・薄力粉の分類はグルテン含有量の違いに基づいています。食品ではパンやうどん、ピザ、ケーキなど幅広く利用される一方、セリアック病やグルテン過敏症の人にとっては自己免疫反応や消化器症状を引き起こす要因となります。グルテンの形成は小麦粉独特の現象で、米や他の穀物では再現できない特性を持っています。
グルテンがダメな理由は何ですか?
グルテンが体に悪影響を及ぼす主な理由は、小麦や大麦などに含まれるタンパク質の一種であるグリアジンとグルテニンが、特定の健康問題を引き起こす可能性があるためです。グルテンは小麦粉に水を加えてこねることで生成される粘弾性のある物質で、パンや麺類の独特な食感を生み出しますが、これが腸内環境に悪影響を与えるケースがあります。特にセリアック病の患者では、グルテンが小腸の粘膜を損傷し栄養吸収障害を引き起こす自己免疫疾患が発症します。また、グルテン不耐症や過敏症の場合、消化不全から腹痛や下痢、肌荒れ、慢性的な疲労感などの体調不良が生じることがあります。さらに小麦アレルギーを持つ人にとってはアナフィラキシーショックのリスク要因となります。こうした状況に対応するため、近年では米やトウモロコシを原料としたグルテンフリー食品が開発され、セリアック病患者やグルテン過敏症の方々の食事選択肢として定着しています。ただし、グルテンフリー食品の利用にあたっては栄養バランスの偏りに注意が必要です。
グルテンが多い食べ物は?
グルテン含有量が特に多い食品は、小麦粉に水を加えてこねる過程で形成される粘弾性のあるタンパク質「グルテン」が豊富に含まれるものです。グルテンは小麦に含まれるグリアジンとグルテニンが絡み合って生成されるもので、パンや麺類のもちもちした食感を生み出す重要な要素となっています。グルテン量が特に多い代表的な食品として、強力粉を使用した食パンやフランスパンが挙げられ、100gあたり約8~10gのグルテンを含みます。パスタ(乾燥状態)は100gあたり約13gとさらに高く、茹でた後でも約5gの含有量を維持します。小麦粉の種類別では、強力粉(グルテン含有量12%前後)を使ったマカロニやスパゲティ、中力粉(同9%前後)を使用したうどんやカレールウ、薄力粉(同7%前後)で作られるケーキやクッキーなどが該当します。加工食品ではピザや餃子の皮、揚げ物の衣、ビールや麦焼酎などの飲料にも注意が必要です。グルテンフリーを必要とするセリアック病やグルテン過敏症の方は、これらの食品を米や米粉、大豆製品で代替する食事管理が推奨されますが、市販の米粉パンに小麦グルテンが添加されている場合もあるため原材料表示の確認が不可欠です。
グルテンフリーを続けるとどうなる?
グルテンフリーを続けると、腸内環境の改善や肌荒れの軽減といったメリットが期待される一方で、栄養バランスの偏りや食生活の制約が生じる可能性があります。グルテンとは小麦粉に水を加えてこねる過程で生成されるタンパク質複合体で、グリアジンとグルテニンが絡み合ってパンや麺類の独特な弾力を生み出しますが、セリアック病やグルテン過敏症の患者にとっては自己免疫疾患や体調不良の原因となります。健康な人が安易にグルテンフリーを継続すると、小麦由来の食物繊維やビタミンB群が不足し、便秘や疲労感を招くリスクがあります。特に日本では米粉や玄米などの代替食材が増えたものの、外食時の選択肢が限られ、加工食品の原材料表示を細かく確認する必要が生じます。グルテンフリー食品を選ぶ際は、糖質過多にならないよう米や雑穀のバランスに注意し、不足しがちな栄養素を補う食事設計が重要です。長期的な実践では、腸内環境の改善による体調の好転が期待できる反面、栄養管理を怠ると逆に健康を損なう可能性があるため、専門家の指導のもとで適切な方法を選ぶことが推奨されます。