麦茶 効能 麦茶の効能は?

麦茶 効能

夏の風物詩といえば、さわやかな風、煌めく緑、そして冷たい麦茶。特に私たち日本人は古くから夏場のスタミナ飲料として、麦茶を愛飲してきました。しかし、麦茶がただの美味しい飲み物でなく、たくさんの健康効果を秘めていることをご存知でしょうか?今回はその驚くべき効能について詳しく探っていきたいと思います。

記事監修者 紹介

県立広島大学 人間文化学部 健康科学科 2013.4-2017.3

管理栄養士/栄養士 取得

阪神調剤薬局 (管理栄養士/登録販売者/事務) 2016.4-2020.6

飲食店を営む家で育ち、食事を通して多くの人の元気を支えたいという思いで管理栄養士を目指しました。調剤薬局では栄養相談会を実施したり地域のイベントでの講演など、地域の方の健康を支えるサポートをしていました。出産を機に退職しましたが、「食事を通して多くの人の元気を支えたいという思い」は変わらずフリーの管理栄養士として活動しています。

麦茶とは

「麦茶とは何か」について考察しますと、それは焙煎した大麦を水に浸し、香ばしい風味と香りを抽出したお茶となります。大麦は遠い昔から中国やヨーロッパで栽培されており、日本でも平安時代以降「麦湯」として飲まれる習慣がありました。健康ブームとともに、大麦の健康効果が見直され、その結果、現代においても我々の飲み物として定番化しています。
麦茶はその原味だけでも美味しいのですが、レモンやミントを加えてさらに一層爽やかさを高めることもできます。特に冷蔵庫で冷やして作る冷麦茶は、暑い夏の季節に非常に人気となり、日本の夏を象徴する一面も持っています。
さらに、麦茶は単に美味しいだけではなく、健康上の利点も多く持っています。その組成には食物繊維やビタミンB群、ミネラルなどが含まれていて、これらは腸内フローラの改善や、肌や髪の健康維持に寄与するとされています。
このように、麦茶とは、風味豊かで健康的、そして日本の夏に密接に結びついた飲み物であるといえます。その香ばしい風味と多彩な健康効果を、ぜひご自身で体験してみてはいかがでしょうか。

麦茶の効果・効能

ミネラルが豊富な麦茶は、単に滋養強壮な飲み物としての役割を果たすだけでなく、多数の健康の恩恵を提供します。その多様な効果・効能を一年中楽しむべき飲み物として見直しませんか。
ポリフェノールの抗酸化作用*1
麦茶に含まれるポリフェノールは、抗酸化効能を持つことが確認されています。この効能は比較的穏やかで安全であり、無理なく長期間、年齢や時間に関係なく摂取できます。
胃粘膜保護作用*2
また、麦茶には胃の粘膜を守る働きがあります。特に夏の疲労感からくる胃腸の不調がある場合、適度な温度の麦茶を飲むことで体への負担を軽減することが可能です。
血流改善*3
麦茶が香り立つ成分「アルキルピラジン」には、血液の流れを良くする効果があります。この作用は血圧上昇や血栓を予防し、清涼な血の流れを維持するのに一役買っています。
虫歯予防*4
麦茶に含まれるポリフェノールやメラノイジンが、虫歯の原因菌などバクテリアが歯に付着するのを防止する働きがあるとされています。その香ばしさと甘みがある飲みやすさは、子供たちにも喜ばれます。虫歯予防の一部としても、麦茶の長期的な飲用は実に価値があります。

*1:梶本 五郎, 鬼武 直子, 奥田 浩子, 村上 智嘉子.日本食品科学工学会誌.「麦茶の抗酸化性と抗酸化成分」(1999年 46巻 2号 67-74)
*2:横田 正 , 服部 哲也, 衛藤 英男.「科学・技術研究」(2021年 10巻 1号 53-56)
*3:菅沼大行,稲熊隆博(カゴメ(株)総合研究所).「麦茶の血液流動性向上作用(第2報)」日本清涼飲料研究会第14回研究発表会
*4:Stauder,M.,Papetti,A.,Daglia,M.,Vezzulli,L.,Gazzani,G.,Varaldo,P.E.,and Pruzzo,C.(2010).「Inhibitory activity by barley coffee components towards Streptococcus Mutans
biofilm.Curr.Microbiol.」 61, 417-421. 

麦茶の栄養

暑い夏の日に心地よいリフレッシュメントを求めるなら、麦茶が最適な選択です。その見た目や口当たりの良さだけでなく、栄養面においても魅力的なこの飲み物をじっくりと見てみましょう。

驚くほどに豊かな栄養価を秘めた麦茶は、ノンカフェインでありながら各種のミネラルとビタミンを提供します。日常的に摂取することで体の健康を維持し、抗酸化作用のあるビタミンは体の酸化を防ぎます。

さらに、100gの麦茶には水分99.7g、炭水化物0.3g、ナトリウム1mg、カリウム6mg、カルシウム2mg、リン1mg、亜鉛0.1mg、エネルギー1kcal、という栄養成分が含まれています。*5

また、麦茶はカリウムなどのミネラルを含んでいるため熱中症対策の水分補給にもおすすめです。亜鉛の働きで皮膚や粘膜の健康維持に一役買っています。また、グルテンフリーのため、特別な飲食制限をしている方にも最適です。

そして、500mlペットボトル1本分の麦茶はエネルギー5kcal、糖質1.5gと、カロリー控えめ、低糖質という特性から、ダイエット中の方や健康志向の方にもおすすめです。

この麦茶の持つすばらしい健康効果をふまえて、毎日の生活に組み込む事を是非お試しください。その爽やかな風味と冷蔵保存しやすい便利さで、生活の一部として定着する事でしょう。

*5:日本食品標準成分表(八訂)増補2023年

麦茶 効能

麦茶にカフェインは含まれている?

麦茶は日本の夏の定番で、その風味と爽やかさから多くの家庭で愛されています。麦茶が毎日の飲み物として不可欠な家庭も多いかと思いますが、その麦茶にはカフェインが含まれているのか疑問に思う方も少なくないでしょう。

麦茶は焙煎された大麦から作られますが、大麦にはカフェインが全く含まれていません。なので、麦茶もまたカフェインフリーなのです。そのため、カフェインに敏感な人や、カフェイン摂取を避けたい方、さらには小さな子供たちまでもが、安心して麦茶を楽しむことができます。

カフェインは刺激物質として知られ、過剰に摂取すると安眠を妨げてしまう可能性があります。その点、麦茶はカフェインレスなので、どんな時間帯でも気兼ねなく飲むことができ、特に寝る前のリラクゼーションタイムにピッタリの飲み物と言えます。

さらに、保湿効果や抗酸化作用も見込める麦茶は、夏の炎天下で体が欲しているものを提供してくれます。カフェインを気にすることなく、心地好い夏の日々を過ごすために、ぜひ麦茶をお楽しみください。

また、妊婦さんにとっても麦茶は安心して飲むことができます。妊娠中は体調管理が重要ですが、麦茶はカフェインを含まず、安心して飲める飲み物です。ただし、冷たすぎるものは避け、適度な温度で楽しむことをおすすめします。

麦茶作りのワンポイント

麦茶はペットボトル飲料としても購入することが可能ですが、毎日消費する場合、自家製の方が経済的です。手間もそれほどかからず、工夫次第で自分だけのオリジナル麦茶が楽しめます。

特に注意するべきは焙煎の時間と火力の調整です。この2点が麦茶特有のまろやかで香ばしい風味を引き立てるポイントとなります。焙煎は強火で短時間が理想的ですが、時間を過ぎてしまうとにが味が強くなるので注意が必要です。

また、水は85度程度に温度調整すると、いい香りと風味が出ます。100度の沸騰水を使うと、茶葉が縮んで香りが逃げてしまうので避けた方が良いでしょう。

麦茶の味は茶葉と水のバランスにも依存します。一般的には、茶葉10gに対して1Lの水が適量です。

水出し麦茶と煮出し麦茶の味にはあまり変わりはないのですが、煮出しの方が麦の芳ばしい香りが強まります。ただし、日持ちは水出しの方が優れています。また、スポーツドリンク代わりに「麦茶+砂糖」を使うのも一つの方法です。

暑い夏の熱中症対策として、1Lの麦茶に1~2gの塩を加えた「塩麦茶」もおすすめです。苦手な方は砂糖を少し加えて味を調整してください。ただし、塩分と糖分の摂りすぎには注意が必要です。

以上、自宅で作る麦茶に関するいくつかの注意点をお伝えしました。この夏は自分だけの特製麦茶を作ってみてはいかがでしょうか。

麦茶の飲みすぎは健康に悪い?デメリットやアレルギーは?

夏の炎天下での水分補給として、冷たい麦茶はまさに最適です。その爽やかな味わいと健康効果は誰しもが認めるところですが、一方で、「麦茶を過剰に飲むことは問題ないのか?」という疑問が存在します。これはどういう意味なのでしょうか?

お茶の中にはポリフェノールやカフェインを多く含んでおり、これらの成分を多く摂取した場合、一部の人々には逆効果となる場合があるとされています。たとえば、ポリフェノールのうちタンニンは体内の鉄分を排出する働きがあり、過剰摂取により鉄分が不足する可能性があります。また、カフェインを多量に摂取すると心拍数が上昇し、疲労感や頭痛の原因となることもあります。ただし、タンニンはやカフェインは麦茶には含まれていません。

一方で、これらの問題は適切な量を順守して飲む場合には生じにくく、バランス良く摂取することが重要です。

ただし、大麦等の雑穀類にアレルギーのある人は反応を引き起こす可能性があるとされていますので注意が必要です。アレルギー保持者の方は製品のラベルなどを確認し、適正な選択をすることを忘れずに。

麦茶を飲むときの注意点として、大麦から作られる麦茶は体を冷やす効果があります。したがって、麦茶を大量にかつ冷たい状態で飲むと、体が大きく冷えすぎる可能性があります。

健康的に麦茶を愉しむためには、適量を守りつつ楽しみましょう。そして大麦アレルギーを持っている人は、万一の事態を避けるために過去に飲んだことがない人やアレルギー反応が強い人は、まずは医師に相談してから飲むことを推奨します。

まとめ

麦茶の効能は多岐にわたります。抗酸化作用や夏バテ防止など体へのメリットが豊富です。さらに最近では肥満防止やアンチエイジング効果も注目されています。まさに、これぞ日本の夏のパワードリンク。刺激が少なくすっきりとした味わいで、どんな料理にも合うので日常的に飲むのに最適です。飲み方に気を付けながら、旬の素材を活かした日本の夏を、麦茶と共に存分に楽しみましょう。