お菓子には、甘さや美味しさ以外にも特別なパワーが宿っていることをご存知でしょうか。古くから、縁起の良いお菓子は世界各地で「幸運を運ぶ食べ物」として愛され、重要な場面で重宝されてきました。例えば、大切な祝い事や人生の節目に、縁起の良いお菓子が登場することは少なくありません。本記事では、そんな幸運をもたらしてくれるスイーツの秘密に迫り、それぞれのお菓子が持つ意味や背景をひも解いていきます。
幸運を呼ぶお菓子とは
相手の幸運を祈りつつ、縁起の良い贈り物でその想いを伝えることができます。
幸運が訪れるようにと願いを込めた、縁起の良い品を知ることは贈り物選びに一役買うでしょう。多くの縁起物の中でも手軽に贈れる、縁起の良いお菓子を紹介します。
幸せ・年齢を重ねる象徴となるスイーツ
「バウムクーヘン」や「ミルフィーユ」のように何層にも重なるお菓子は、「幸せや年齢を重ねる」様子になぞらえ、縁起のよいものとされています。
バウムクーヘンの名前は、ドイツ語で木を意味する「バウム」と、ケーキを意味する「クーヘン」から来ています。層を何重にも重ねたこのお菓子の形が、木の年輪を思わせるために、このように呼ばれるようになったと言われています。
一方、ミルフィーユというフランス語は「千の葉」を指します。その名の通り、薄いパイ生地が何層にも重なったお菓子です。
これらの菓子には、「層を重ねるように幸せと歳月を積み重ね、長寿や繁栄を願う」気持ちが込められています。結婚や出産のお祝いに、バウムクーヘンやミルフィーユを贈ってみるのはいかがでしょうか。
包み込むスイーツ
縁起の良いお菓子として知られる「どら焼き」は、お茶との相性が抜群で、多くの人々に親しまれています。2枚の生地で餡を包んでいる形が、幸福や良縁を象徴するものとされています。
このお菓子の形からは、夫婦が子どもや家族をやさしく包み込む姿を思い描くことができます。生地は夫婦を、そして中の餡は子どもや家庭を表現しています。
結婚の際には、両家が集まる場に持参する品としてもよく選ばれており、その特別感も高く評価されています。
パステルカラーのお菓子
パステルカラーのスイーツは、幸運を引き寄せると評判の贈り物です。
明るさが特徴のパステルカラーは、白を多く含む淡い色合いで、優しい雰囲気を演出してくれます。
そのため、自然と心が穏やかになり、良い運気を招くと考えられています。
例えば、皇室のギフトにも用いられる「金平糖」や色鮮やかな「マカロン」は、人気のあるパステルカラーのスイーツです。桃の節句には、「ひなあられ」も縁起を担ぐスイーツとして喜ばれます。
紅白のお菓子
「紅白幕」や「紅白餅」などで知られるように、「紅白」の色はお祝い事の象徴として親しまれています。
紅白を幸運の色とする理由にはいくつかの説があります。
たとえば、赤は誕生、白は人生の終わりを象徴し、「人の一生を表しているから」という考え方。
また、祝いの日に赤飯を炊き、餅を食べる習慣にちなみ、「赤飯の赤と餅の白が由来である」という説もあります。
他にも複数の説が存在し、確かな起源は定かではありません。
紅白は、日本の国旗にも使われているため、日本人にとって親しみのある色です。
こうした背景から、紅白のお菓子はお祝いの心を伝えるのに最適だと言えるでしょう。
幸運を呼ぶデザインのお菓子
縁起の良いモチーフが描かれたお菓子は、お祝いの贈り物として人気があります。例えば、ひょうたんや招き猫のようなデザインは定番です。ひょうたんはその丸い形が繁栄を象徴し、だるまは達磨大師の教えから願い事の成就や厄除けの意味を持ちます。招き猫は福を呼ぶ存在として知られ、その色やしぐさによって意味合いが異なります。右手を挙げた招き猫は金運を、左手は人を招くと言われています。
また、三毛猫は運、白猫は福を、黒猫は厄除けの効果があるとされています。目的に応じて選ぶと良いでしょう。
夜行性のふくろうは、明るい未来を見通せるとして縁起が良いとされています。また、「不苦労」と掛けて「苦労しない」とされ、回転する首から「お金に困らない」とも考えられています。さらにギリシャ神話では知恵の象徴とされ、多くのシンボルとして認識されています。
縁起がいいものは、日常生活や新しい始まりだけでなく、さまざまなシーンで求められます。
受験生にとっては、学問の神様である菅原道真公を祀る太宰府天満宮の飛梅にちなんだ梅の花や、冬を越えて咲く桜のモチーフが人気です。最近では「木から落ちない」ことにちなみ、試験で失敗しないという意味でコアラのモチーフも好まれています。
これらのお菓子を取り入れることで、縁起物が持つ力を引き寄せられるかもしれません。
幸運を呼び込む素材を使ったお菓子
運気を呼ぶ素材を活かしたお菓子は、昔から幸運を願うための定番アイテムです。
お菓子に使用される素材そのものにも、縁起の良い役割があります。例えば、「黒豆」は「マメに暮らす」という願いが込められていますし、「海老」は「長寿」幅広く用いられます。また、あんこの材料として一般的な「小豆」はその赤い色により「魔除け」の意味を持ち、「稲穂」は豊かな実りを象徴し「商売繁盛」のご利益があるとされています。
赤い包装のスイーツ
喜びの場にぴったりの贈り物として、縁起の良い「赤色」のパッケージで包まれたお菓子が選ばれています。
古来より神聖さを象徴してきた「赤」は、神社の鳥居や社殿などでも伝統的に用いられてきた色です。
中国、風水の発祥地では、赤は活発さや生命の象徴としての意味があり、人に力を与える色と見なされています。
赤は厄除けや魔除けの力も備えているとされており、還暦祝いに赤い品を贈る習慣もこの縁起の良さに由来しています。
赤いパッケージのお菓子は見た目の豪華さも加わり、縁起の良さを一層引き立てます。華やかな祝宴にはぜひ赤いパッケージのお菓子を選んでみてはいかがでしょう。
幸福を呼ぶ動物モチーフのお菓子
「鶴は千年、亀は万年」という言葉が示すように、鶴や亀は長寿のシンボルとされています。また、フクロウは「不苦労」や「福来郎」という当て字があることから、幸運をもたらす存在として親しまれています。さらに、「金運UP」や「運気上昇」といった意味を持つ招き猫で有名な猫も存在します。このような縁起の良い動物は身近に多く、動物をモチーフにしたお菓子ギフトは、その縁起の良さと見た目の可愛らしさで、贈った相手を喜ばせることができるでしょう。
幸運を引き寄せる「数」
お菓子を選ぶ際には、数の縁起にも注意を払うのはいかがでしょうか。有名な不吉な数字として「4」がありますが、その一方で「4」に対するポジティブな解釈も存在します。それでも、心配される方に配慮して、4個入りのお菓子は避けた方がいいかもしれません。一方で、末広がりを意味する「8」は縁起の良い数字とされます。また、「喜数」として奇数が偶数よりも吉数と見なされることもあります。