トケイソウとは?知られざるその魅力と育て方のポイント

トケイソウ—その名の通り、まるで時計の針のような独特な形状の花を咲かせる植物。英語では「passion flower」と呼ばれ、その名前はキリストの受難に由来し、花の各部分が十字架刑の要素を象徴しています。この花は単なる観賞用だけでなく、その神秘的な魅力と多様な用途で多くの人々を魅了しています。本記事では、トケイソウの魅力について深く掘り下げます。さらに、自宅で簡単に栽培できる方法も紹介しますので、トケイソウを育ててみたいと考えている方々にとって必見の内容となっています。さあ、一緒に驚異の花トケイソウの世界を探ってみましょう。

 

トケイソウの基本情報

トケイソウは、熱帯・亜熱帯地域が原産の植物で、パラグアイの国花にも指定されています。トケイソウとは、トケイソウ科・トケイソウ属に分けられている植物を総称する呼び名です。ほとんどがつる性の品種で、草丈は30〜80cmくらいになり、伸ばしたつるの先には個性的でユニークな花を咲かせます。品種は500種以上にも及ぶと言われており、ここに園芸品種も加えていくとさらに数が増えていくでしょう。

トケイソウの特徴

トケイソウの特徴は、花の形が時計の針のように細長い形をしていることです。花言葉は「時計」や「時計の針」などの意味を表します。つるがぐんぐん伸びるのでグリーンカーテンとしても人気があります。花の形が時計の針のように細長い形をしていることから「時計草」と呼ばれています。

トケイソウとは

中央〜南アメリカ、アジア、オセアニア原産のつる性植物。独特の花の形状が特徴で、雌しべが時計の針のように見えることから名付けられました。紫、青紫、白など様々な花色があり、5〜10月に開花。高さ60〜300cm以上に成長し、庭園や鉢植えで人気の観賞用植物。日当たりと水はけの良い場所で栽培され、丈夫で管理も比較的容易。一部の種類では花後に赤い実をつける。その独特の美しさと育てやすさから、広く愛されています。

トケイソウとパッションフルーツの相違点とは?

トケイソウは、その名前の通り時計の文字盤に似た特徴的な花を咲かせる、熱帯アメリカ原産のつる性植物です。鉢植えや庭木として利用されるほか、トレリスに這わせて緑のカーテンとして楽しむことができ、近年人気が高まっています。

トケイソウには500種類以上の品種があり、花の色や形状、実がなるかどうか、耐寒性などがそれぞれ異なります。

この中でも、食用の実を持つ品種は「パッションフルーツ」として知られています。「クダモノトケイソウ」もパッションフルーツと呼ばれ、流通していますが、観賞用のトケイソウの実には毒性があるものもあるため、基本的に食用には適しません。

さらに、その他の違いについても見ていきましょう。

 

葉っぱの違い

 

パッションフルーツの葉は、トケイソウに比べて幅広で大きい品種が多いことが特徴です。

 

果実の香りの差異

 

パッションフルーツの実は独特の芳香があり、香水やジュースなどに利用されます。それに対して、トケイソウの実には特に香りはありません。また、パッションフルーツには紫色の実をつける品種と黄色の実をつける品種があります。紫色の実をつける品種は山地型、黄色の実をつける品種は低地型と呼ばれます。

 

花の色の多様性

 

トケイソウには、白、赤、ピンク、紫、黄色など多様な花色の品種が存在します。一方、パッションフルーツでは、白や紫など、トケイソウに比べて花色のバリエーションが少ないのが特徴です。

 

トケイソウとクレマチスの相違点

 

トケイソウとクレマチスは全く異なる植物です。トケイソウはトケイソウ科トケイソウ属に属し、クレマチスはキンポウゲ科センニンソウ属に属します。

どちらもつる性植物であり、花が咲く時期や花の大きさ、形状が似ているために、混同されることが多いようです。

トケイソウの種類

トケイソウの種類は、花色が白と紫のタイプが代表的です。ピンク色の種類や真っ赤な品種もあります。大きく分けると花を楽しむ観賞用の品種と、実を楽しむ品種があります。

トケイソウの仲間

トケイソウの仲間は、約500種類が分布する熱帯植物の一つです。トケイソウは、時計の文字盤のような花の形が特徴的で、美しい花が魅力の熱帯植物です。主につる性の植物で、一般にはあんどん仕立ての鉢物として流通しています。庭に植えてトレリスに誘引したり、緑のカーテンとして楽しむことができます。種類によって寒さに強いものから弱い種類までいろいろあります。庭植えする場合は耐寒性の強い種類を選ぶようにしてください。パッションフルーツのように果物として利用される種類もあります。

名前の起源

 

16世紀に南アメリカへ渡ったイエズス会士は、この花を見て、かつてアッシジのフランチェスコが夢に見たとされる十字架上の花だと信じ、〈受難の花〉(Passion=受難)と名付けた。トケイソウの葉は槍、5本の葯はキリストが受けた五つの傷、巻きひげはむち、子房柱は十字架、3本の花柱は釘をそれぞれ象徴すると見なしたためである。彼らはこれを、先住民が改宗を望んでいた印と信じ、熱心に布教し、多くの入信者を短期間で獲得したという。

 

パッションフラワーの花言葉

 

トケイソウの花言葉は、「聖なる愛」「信仰」です。

これらの花言葉は、キリストへの信仰と深い関係があることを示唆しています。

 

トケイソウの花が咲く時期と見逃せない瞬間

 

トケイソウの花は5月から10月にかけて咲きます。初夏から初秋にかけて楽しめる花であり、特に暑い季節が得意です。夏の間には次々と花を咲かせます。

特に7月から8月にかけてがトケイソウの見頃です。トケイソウの花は一日花で、朝に開花し夕方にはしぼんでしまいますが、花付きが良いため、夏の間は毎日花を楽しめます。

 

トケイソウの果実は食べることができるの?

 

花を楽しむためのトケイソウ(Passiflora caerulea)やベニバナトケイソウ(Passiflora coccinea)は、果実があまりできず、仮にできたとしても食用には適していません。

食べられる果実としては、クダモノトケイソウやオオミノトケイソウ、ミズレモンがあります。

果実の収穫を目的として育てる場合は、観賞用ではなく実を楽しむことができる品種を選びましょう。

トケイソウの育成方法

トケイソウの育て方を上手に理解するためには、まずその原産地を知ることが重要です。トケイソウの原産地は南米であり、暑い夏には強いものの、寒さには弱いです。成長期は暑い夏であり、冬は休眠期となります。

害虫の発生を早期に駆除するために殺虫剤の使用が推奨されます。また、病害虫対策として、湿度管理や風通しの良い環境での育成が重要です。

トケイソウの育成において、水やりは非常に重要です。特に、植物が育つ際の水分管理の重要性、季節ごとの水やりのタイミング、そして水やり時の温度管理が大切です。

適切な水やりを行うことで、植物の健康に大きな影響を与えます。土が乾いている時にたっぷり水を与えることや、真夏や冬季の水やりの方法についても注意が必要です。

適した場所と土壌

 

日当たりの良い場所で育てます。品種によって異なりますが、耐寒性の強いものは関東以西で地植えすることが可能です。地植えする場合は、南向きで日当たりの良い場所を選びましょう。

鉢植えのトケイソウは日光がよく当たる場所に置きます。用土は市販の園芸用培養土で問題なく育ちます。

 

水の供給

 

表土が乾いたら、たっぷりと水をあげましょう。冬の間は控えめにし、表土が乾いて白っぽくなってから水を与えるようにしましょう。

 

肥料

 

春から秋にかけて成長期には、緩効性肥料を使用します。

 

剪定とトレーニング

 

春から秋の成長期にはつるがよく伸びるため、注意深く確認しながらこまめに誘引しましょう。放置すると風に吹かれて広がるので注意が必要です。伸びすぎた枝は適宜剪定します。

冬には不要な枝を取り除き、全体のバランスを整えるよう剪定します。

 

増加方法

 

トケイソウは挿し木で簡単に増やせます。なんと言っても地面に垂れた枝から根が出るくらい丈夫な植物です。

5月~7月の生長期に、10cmほどに切った枝の下部の葉を取り、しっかり吸水させた後に、赤玉土の小粒とバーミキュライトに挿します。発根するまでは水が切れないように管理します。先端から新芽が出てきたら、それが発根のサインです。培養土に植え替えて育てましょう。

 

病害虫とその対策

 

通気性が悪いとカイガラムシが発生する恐れがあります。混雑した枝は適宜剪定しましょう。

 

防寒・冬越し

トケイソウの防寒・冬越しは、日よけが不要になる秋になったら、1mくらいの高さで切り戻します。耐寒性の弱い種類は、10月中旬ごろ、プランターを暖かい部屋に移動させます。耐寒性の普通~強い種類は、強い霜が降りるような日に、軽く不職布などをかぶせる程度で構いません。

人工授粉の方法

トケイソウの人工授粉の方法は、晴れた日の午前10時以降、指に花粉をつけたら、雌しべの先端の下側にしっかりとこすりつけることです。受粉が成功すると、8月ぐらいから果実が色づき、自然に落下します。果実の表面は堅いので、落ちても傷はほとんどつきませんが、ベランダなどで落下の危険を及ぼす心配がある場合は、ネット袋を果実の柄に取りつけておくとよいでしょう。

トケイソウ