クレームダマンドとは
「クレームダマンド」というフランスのクリームをご存じですか?フランス語で「Crème d‘amande」と書くこのクリームは、アーモンドの風味が豊かなスイーツの基本材料です。バター、粉砂糖、卵、アーモンドパウダーを同量配合して作るこのクリームは、フランスのパティスリーでよく使われるものです。今回は、クレームダマンドの基本と、その使い方について詳しくご紹介します!
クレームダマンドって何?
「クレームダマンド」はフランス語で「Crème d‘amande」と書きます。フランス語の「crème(クレーム)」は「クリーム」、「amande(アマンド)」は「アーモンド」を意味し、つまり「アーモンドクリーム」のことです。
このクリームは、バター、粉砂糖、卵、アーモンドパウダーを同量ずつ使うのが基本のレシピで、製菓用語では「四同割(よんどうわり)」と呼ばれています。クレームダマンドは、この基本レシピをもとにさまざまなアレンジができる、非常に万能なクリームです。
クレームダマンドは、多用途で使えるクリームです。例えば、タルト生地に詰めて焼き上げた後に、クリームやフルーツでデコレーションすれば、フルーツタルトが完成します。洋梨のタルトやチェリーのタルト、栗のタルトなど、いろいろなタルトに活用できます。
また、パイ生地にそのまま詰めて焼いたり、カスタードクリームと合わせて「ガレット・デ・ロワ」に使ったりするのもおすすめです。パンのフィリングとしても使えます。
基本のクレームダマンドの作り方
クレームダマンドは、フランスの伝統的なアーモンドクリームです。ここでは、基本の「四同割」レシピでの作り方をご紹介します。
材料
バター…30g
粉砂糖…30g
卵…30g
アーモンドパウダー…30g
下準備
まず、バターと卵は常温に戻しておきます。アーモンドパウダーはダマがある場合は、ザルでこしておきましょう。
作り方
バターと粉砂糖を混ぜる
バターを柔らかく練り、粉砂糖を加えてよくすり混ぜます。ここでは、空気を含ませすぎないようにするのがポイントです。
卵を加えて乳化させる
溶きほぐした卵を半量ずつ加えながら、しっかり混ぜて乳化させます。残りの卵も同様に加え、しっかり混ぜ合わせます。
アーモンドパウダーを加える
アーモンドパウダーを加え、全体がよくなじむまで混ぜます。このとき、余分な空気を含ませないように混ぜるのがポイントです。
冷やす
完成したクレームダマンドの表面にラップを密着させて冷蔵庫で保存します。すぐに使わない場合は、ラップやビニール袋で包んで冷凍保存も可能です。
使用する時のポイント
冷蔵庫で冷え固まったクレームダマンドを使うときは、カードやゴムベラで表面から少しずつ削り取るようにして、ダマを作らずに適度な硬さに調整しましょう。
おいしいクレームダマンドに大切なこと
アーモンドが主役のこのクリーム、クレームダマンドの仕上がりはアーモンドパウダーの品質だけでなく、作り方にも大きく左右されます。ここでは、クレームダマンドを美味しく作るための大切な二つのポイントをご紹介します。
1. 乳化
クレームダマンドを作る上での第一のポイントは、「バターと卵の乳化」です。乳化がうまくいかないと、出来上がりのクレームダマンドに大きな差が生まれます。
もしバターと卵が分離してしまうと、その状態を修正するのは難しく、アーモンドパウダーを加えたからといって解決するわけではありません。分離した状態のクレームダマンドは、乳化がうまくいったものよりも生地が緩くなり、常温に戻すとすぐに柔らかくなってしまいます。このため、成形が難しくなったり、焼き上がりに脂っぽさが残ることがあります。
実際にミニマフィン型にクレームダマンドだけを焼いてみると、型から外した後のグラシン紙に脂が染み込んでしわが寄っているのがわかります。また、型の底には脂がたまっているのが確認できます。この脂っぽさは口の中にも広がり、もしタルトだった場合、この脂はタルト生地に吸収されてしまうのです。しっかり乳化されたクレームダマンドと比べると、焼き上がりに大きな違いが現れます。
2. 焼成
クレームダマンドの二つ目のポイントは、「焼成」です。アーモンドが香ばしく焼き上がるかどうかは、焼き加減に大きく依存します。
焼きが浅いクレームダマンドは風味が半減してしまいます。アーモンドの香ばしさを引き出すためには、しっかりと焼き上げることが必要です。クレームダマンドを使ったお菓子の焼成時間は長めですが、レシピに指定された時間をきちんと守ることが大切です。
焼成が不十分なクレームダマンドは、アーモンドの香ばしさが不足し、味わいが物足りなくなります。美味しいクレームダマンドを作るためには、焼き加減にも気をつけてくださいね。
まとめ
クレームダマンドは、アーモンドとバターの風味が特徴のクリームで、多くのフランス菓子に使用される便利な材料です。基本の「四同割」レシピを応用して、タルトやガレット・デ・ロワ、パンのフィリングなどさまざまなスイーツに活用できます。ぜひこのクリームを使って、おうちで本格的なフランス菓子を楽しんでみてください!