「丹波栗」とは、特定の栗の品種名ではなく、昔の丹波国（現在の京都府中部、兵庫県東部、大阪府北部）の地域で栽培される和栗の総称です。この地域の特徴である昼夜の気温差が大きい環境が、栗の栽培に適しており、糖分が豊富で美味しい栗が育ちます。丹波栗は形が平たく、皮の光沢がやや少ないのが特徴です。また、大粒で、特に大きなものになると成人男性の手に3～4粒しか乗らないほどのサイズになります。

丹波栗の歴史は非常に古く、日本の古文献にもその名が見られます。日本書紀や古事記、万葉集などに丹波栗を思わせる記載があります。奈良時代から平安時代にかけて、栗は宮廷貴族の食材として重要視され、栗作りが盛んになりました。平安時代に作られた「延喜式」などの律令書には、丹波国から栗が貢進されたことが記されており、この時期にはすでに丹波栗が丹波国の名産品として知られていたことがわかります。

丹波栗の魅力はその風味の深さとコク、そしてほくほくとした食感にあります。スイーツから和食まで、どんな料理にもマッチし、思わず笑顔になる一品を生み出します。質の高さから選ばれる丹波栗は、世界中の食通を魅了し続けています。