日本の伝統と西洋の技術が融合した、味わい豊かな菓子の世界。主原料から生まれる個性的な風味と食感の違いは、菓子の魅力をさらに引き立てています。

和菓子は、米や小豆、砂糖など、植物性の素材から生み出される上品な甘さが特徴です。焼かずに蒸したり練り上げたりと、日本古来の製法で作られた和菓子には、四季を感じさせる風情があふれています。

一方の洋菓子は、卵や乳製品、バターなどの動物性素材を基本とし、焼き上げることで生まれる濃厚な味わいが魅力です。様々な製菓技術を取り入れ、クリームやチョコレートなどをたっぷり使用した、洋風の贅沢な味わいを堪能できます。

近年では、和と洋の良さを掛け合わせた新しい菓子も登場しています。伝統の魅力と革新的な製法が出会うことで、これまでにない斬新な菓子が生まれ続けているのです。

豊かな味わいと魅力的な姿で多くの人を魅了してきたケーキ。華やかなショートケーキ、リッチなチョコレートケーキ、フルーツの甘酸っぱさが口いっぱいに広がるフルーツケーキなど、その種類は実に多彩です。昔は王侯貴族の間でしか味わえなかったケーキも、今では一般家庭に身近な存在となり、誕生日や記念日など、特別な日の思い出作りにも欠かせない存在となっています。これほど愛される理由は、見た目の華やかさはもちろん、スポンジと生クリーム、フルーツなどが織りなす味わいの豊かさにあるのでしょう。

オーブンで焼いて作る焼き菓子には、様々な種類があります。伝統的な焼き菓子から手作りのお菓子まで、豊富なバリエーションをお楽しみいただけます。

【クッキー】

小麦粉やバター、卵、砂糖を混ぜた生地を焼き上げたお菓子で、サクサクとした食感が特徴です。手作りの定番菓子として親しまれています。

【スコーン】

イギリス発祥の焼き菓子で、薄力粉とバター、牛乳を混ぜた生地を焼きあげます。外側はカリッと、中はふんわりとした食感が魅力です。ジャムや生クリームを添えて食べるのが一般的です。

【マフィン】

円形のカップに生地を流し込んで焼き上げた、カップケーキとも呼ばれるお菓子です。チョコレートチップやナッツ、フルーツなどを加えてアレンジできます。

【マカロン】

粉末アーモンドと卵白、砂糖で作った丸い生地を焼き上げ、ガナッシュクリームなどを挟んだフランス伝統の菓子です。サクサクの食感とねっとりとした食感のコントラストが魅力です。

【マドレーヌ】

フランス発祥の焼き菓子で、貝型の型に生地を流し込んで焼きあげます。レモンやオレンジの風味を加えたものもあります。

【ワッフル】

格子状の凹凸のある鉄板に生地を挟んで焼き上げた独特の形状が特徴的なお菓子です。発酵した生地を使う「ベルギーワッフル」も人気があります。

【ビスコッティ】

二度焼きすることでザクザクとした食感に仕上げるイタリアの伝統菓子です。アーモンドやドライフルーツを加えたものが一般的です。

【ドーナツ】

小麦粉や卵、砂糖などの生地を輪形や丸形に成形し、油で揚げた菓子です。glazeをかけたり、砂糖をまぶしたりとアレンジも豊富です。

パイ生地を使った焼き菓子は、サクサクとした食感とバターの風味が魅力的です。基本は小麦粉とバターで作った生地を型に広げ、フルーツやナッツ、クリームなどの具材を詰めて焼き上げます。

ここではパイ生地を使ったお菓子のタルトとアップルパイについてご紹介します。

【タルト】

丸型の台(パート)にクリームやフルーツを敷き詰めたお菓子がタルトです。パートにはパイ生地やサブレ生地が使われます。

【アップルパイ】

甘く煮たりんごをパイ生地で包んで焼いたお菓子が、アップルパイです。

洋風のお菓子ながら、日本でも広く親しまれています。コーヒーや紅茶との相性も抜群です。一方で、お餅やあんこ、小豆など和素材を使ったパイも人気があり、サクサクの食感と上品な甘さが絶妙な味わいをもたらします。焼き立ての香ばしさと、パイ生地のザクザク食感、具材の豊かな香りと味わいをお楽しみください。

チョコレートの魅力は、その風味の多様性と菓子の種類の豊富さにあります。カカオ豆から生まれるチョコレートには、ビターからミルクまで様々な種類があり、ナッツやフルーツ、キャラメルなどとの組み合わせによって、新しい味わいが生み出されています。

チョコレート菓子には、本来の味を堪能できるトリュフやガナッシュ、プラリネなどの一品ものから、クッキーやケーキ、パイ、ドーナツ、アイスクリームなど、チョコレートがトッピングやコーティングされた様々な菓子まであります。贅沢で上質な味わいと気軽においしさを併せ持つチョコレート菓子は、一口ごとにやさしい甘さと奥深い風味で心を癒してくれるでしょう。

ここからは、ブラウニー、トリュフ、生チョコなどチョコレートを使った代表的な菓子をご紹介します。

【ブラウニー】

チョコレートやココアを生地に混ぜ、平たく伸ばして焼いたお菓子。クッキーのようなザクザク食感から、ケーキのようなしっとり食感まで様々です。

【トリュフ】

生クリームやバターを混ぜたチョコレートを丸め、ココアパウダーなどをまぶした高級菓子。トリュフ茸の形が名前の由来です。

【生チョコ】

生クリームや洋酒などを混ぜたチョコレートを成型した菓子。

【ガトーショコラ】

フランス語で「チョコレートのお菓子」。生地にチョコレートを混ぜて焼いたケーキです。

【フォンダンショコラ】

チョコレートガナッシュをチョコレートケーキの中に詰めて焼いた菓子。焼きたてを食べると、中からガナッシュが溶け出します。

ここでは、伝統的でありながら多様な魅力をもつ「その他の洋菓子」についてご紹介します。

イタリア発祥のティラミスは、マスカルポーネチーズとエスプレッソのハーモニーが絶妙。一方のクレームブリュレは、フランスが生みだした甘いカラメル殻となめらかなクリームの逸品です。

アメリカを代表するブラウニーは、モチモチ食感と深い味わいが人気の理由。イギリスのスコーンは、紅茶によく合うおやつとして愛されています。メキシコ生まれのチュロスは、きなこシュガーをまぶしてさらにおいしさアップです。

このように、洋菓子の世界には国や地域の文化がしっかりと息づいています。旅した気分を味わえるだけでなく、食べ比べを重ねれば新しい発見もあるかもしれません。魅力たっぷりの洋菓子の世界を、ぜひ堪能してみてください。

以下は、大福やようかん、お汁粉、ぜんざいなどの和菓子の紹介です。

大福

大福は、お餅で包んだ餡を持つ和菓子です。

ようかん

ようかんは、餡に砂糖や寒天を混ぜ、型に流して固めたものです。しっかりとした食感の「練りようかん」と、滑らかな食感が楽しめる「水ようかん」に分類されます。水ようかんは、寒天の量が少なく水分が多いのが特徴です。

どら焼き

薄く丸いカステラ生地に餡を挟んだ和菓子がどら焼きと呼ばれます。

カステラ

小麦粉や卵、牛乳、砂糖などを混ぜて蒸し焼きにした和菓子です。

だんご

穀物の粉を練って丸く成型し、茹でたり蒸したりした和菓子をだんごと呼びます。

おはぎ

もち米とうるち米を混ぜて炊いたご飯に餡やきなこをまぶした和菓子です。

おしるこ・ぜんざい

煮た小豆に砂糖を加えた汁にお餅や白玉を入れたものがおしるこやぜんざいです。小豆の粒を残した粒あんタイプと、こしあんタイプがあります。