クッキーは、長い歴史を持つ焼き菓子です。7世紀頃のペルシャが起源といわれ、中世ヨーロッパの修道院で作られていました。19世紀にイギリスやアメリカで広まり、明治時代に日本に伝わりました。

小麦粉、卵、バター、砂糖を主な材料とし、生地を焼き上げることで様々な形状や食感が生み出されます。メレンゲクッキーのように絞り出された飴を使うものや、プレスして成形したプレスクッキー、くり抜いて焼いたクッキー焼きなど、バリエーションに富んでいます。シンプルなものから、チョコレートやナッツ、ドライフルーツなどの素材を加えた豊かな風味のものまで、多彩なクッキーが存在します。

クッキーには様々な分類方法があり、それぞれの基準で個性的な特徴が生まれています。

発祥の地によって分類すると、アメリカではクッキーやサブレは「クッキー」と総称され、ビスケットは軽くてフワフワしたパンを指します。一方、イギリスでは焼き菓子全般を「ビスケット」と呼び、「クッキー」という言葉は存在しません。

原材料で分類する場合、日本の全国ビスケット協会は糖分と脂肪分の合計が40%以上を「クッキー」、40%未満を「ビスケット」と定義しています。さらに油脂分が多いものを「サブレ」と区別しています。また、チョコレートやココナッツ、抹茶などの原料名で分類することもあります。

製造方法による分類では、型抜きして作る「型抜きクッキー」、棒状の生地をカットした「アイスボックスクッキー」、袋に入れて絞り出した「絞り出しクッキー」などがあります。このように多様な切り口から、クッキーの魅力的な世界を味わうことができるのです。

クッキーの種類は国や地域によって様々な個性があり、それぞれに魅力的な特徴がある。サクサクした食感のサブレやラングドシャ、バターの風味豊かなチョコチップクッキーなど、味わい深い本格的な味わいを堪能できる。一方で、かわいらしいデザインのアイシングクッキーや、酸味の効いたレモンクッキー、ジャムを挟んだジャムサンドクッキーなど、見た目の可愛らしさも楽しめる。キャンディーを挟んだステンドグラスクッキーはカラフルで華やか。また、バターをたっぷり使ったリッチなガレット・ブルトンヌなど、様々な国の文化が生み出した個性豊かなクッキーが私たちの食生活を彩っている。

メレンゲクッキーはサクサクとした軽い食感が魅力で、ツノが立つまで卵白を泡立てるのがおいしく作るコツ。アイシングカラーを使えば、カラフルに仕上げられます。

ロミアスクッキーは、リースのような華やかな見た目が特徴。サルタン口金を使い、生地が固くならないうちに素早く絞り出すのがきれいな形作りのポイントです。サクサクの生地とパリッとしたアーモンドヌガーの食感の違いが魅力的です。

サブレ・ポッシュは花の形が愛らしく、絞り出すだけで完成するので手軽に作れます。均等な形で絞り出すことで、型崩れを防げます。

ラングドシャは猫の舌のように薄い形状が特徴で、卵白のみを使うことでサクッとした軽い食感に。チョコレートを挟んだタイプも人気があります。

ヴィエノワは波型に絞り出した形が特徴的で、口金を天板に対して垂直に絞り出すのがきれいな形作りのコツです。チョコレートやナッツをトッピングすることで、見た目も華やかになります。

プロの菓子職人が光る代表格、クッキーの世界。

伝統の技とひと手間加えた愛情が詰まった、この上なく味わい深い焼き菓子たち。

サブレは、バターの香り高き伝統の焼き菓子。型抜きされた生地は薄く仕上げられ、プレーンから豊富なバリエーションを誇ります。

マドレーヌは、パリ生まれの甘さ控えめなスポンジ菓子。熱した型に空気を入れず流し込むことで、可愛らしい形の秘密が宿ります。

メレンゲは、卵白とグラニュー糖で作る繊細な食感のクッキー。ショコラメレンゲなどチョコレートとの相性も抜群です。

これらの名品は、一つひとつ手作業で丁寧に仕上げられることで、素材本来の風味と食感を存分に堪能できるのです。真に上質な味わいは、プロの手技から生まれる至高のハーモニーなのです。

アイスボックスクッキー

生地を冷やした状態のままカットして焼き上げるアイスボックスクッキーは、型抜きの手間がなく初心者にもおすすめです。ココアパウダーや抹茶を加えてアレンジを楽しむのも人気の一手です。生地を一晩冷蔵庫で寝かせることで、見た目もきれいに仕上がります。生地を冷凍保存できるのも魅力で、食べたい時に焼き立てが楽しめます。

ディアマンクッキー

アイスボックスクッキーの一種で、棒状の生地にグラニュー糖をまぶして焼き上げます。フランス語で「ダイヤモンド」を意味するディアマンに由来する名前の通り、グラニュー糖がきらきらと輝きます。サクサク生地とシャリシャリ糖の絶妙な食感が人気です。

チェッカークッキー

こちらもアイスボックスクッキーの変わり種で、プレーン生地とココア生地で作る市松模様が特徴的です。野菜やフルーツのパウダーでカラフルなフレーバー生地を作れば、ギフトにもぴったりの色鮮やかなクッキーが完成します。各生地の厚みと幅を揃え、しっかりと重ねると美しい市松柄に。

ビスコッティ

「2度焼き」した、イタリア伝統の硬めのクッキー。一次焼成後、冷めた生地を切り分けてもう一度焼き上げます。ザクザクの食感が特徴で、コーヒーにひたしてお酒に浸しても美味しく頂けます。

ショートブレッド

スコットランド生まれのクッキーで、発酵バターの豊かな風味が魅力です。卵を使わないため、サクサクとほろほろした食感に仕上がります。手作りの際は、カットする前に生地を1時間以上冷やすと作業がスムーズに進みます。

手軽に手作りが楽しめるクッキーは、シンプルな材料で作れる雑穀クッキーやピーナッツクッキーがおすすめです。オートミールやアーモンド、クランベリーなどを卵とバターで練り込むだけの雑穀クッキーは、素朴な味わいが魅力。ピーナッツクッキーは卵不使用で、生地に小さな穴を空けるだけで風味豊かな食感に。定番のチョコチップクッキーも、ほろ苦い味わいが人気の秘密です。このように材料を選ぶだけで、さまざまな風味が楽しめます。初心者でも手軽に挑戦できる、アレンジ自在のオリジナルクッキー作りはいかがでしょうか。