甘酸っぱくて美味しい苺ですが、栽培には病気という大きな壁が立ちはだかります。病気は苺の生育を阻害し、収穫量を減らすだけでなく、品質をも大きく損なう厄介な存在です。最悪の場合、株全体が枯れてしまうことも。この記事では、苺栽培で特に注意すべき病気の種類、初期症状の見分け方、そして効果的な対策方法を徹底的に解説します。大切な苺を守り、安定した収穫を目指しましょう。
炭疽病
炭疽病は、主に育苗期間中に雨水や灌水によって病原菌の胞子が拡散し、感染が広がるのが特徴です。以前に感染した株や、病気を発症した植物の残骸が混ざった土壌が感染源となり、翌シーズンに再び発生するケースも見られます。さらに、高温多湿な環境は病原菌の増殖を促し、感染のリスクを高めます。特に、水はけの悪い畑や、苗が密集している状態の畑では、湿度が高くなりがちで、炭疽病が発生しやすいため、注意が必要です。
炭疽病への対策
炭疽病を防ぐためには、まず、雨よけ栽培や点滴灌水といった方法を取り入れ、胞子の飛散を抑えることが大切です。また、風通しを良くし、高温多湿の状態を避けるように努めましょう。もし、しおれたり黒い斑点が見られる株があれば、速やかに取り除き、胞子が形成・拡散するのを防ぎます。薬剤を使用する場合は、適切な薬剤を選び、地域の耐性菌の発生状況を確認しながら、異なる系統の薬剤をローテーションで使用することが重要です。病気が発生した畑では、土壌消毒を実施し、次作への感染を防ぐことも有効です。病気にかかっていない健康な苗を使用し、前年に使用した苗を再利用しないことも、重要な予防策となります。
萎黄病
萎黄病は、イチゴの成長を妨げるやっかいな病気のひとつです。この病気は、主に土壌中に存在する病原菌が原因で発生し、一度発生してしまうと完全に除去することが難しいため、予防に力を入れることが非常に重要です。特に気温が高い時期に発生しやすく、感染するとイチゴの生育が著しく阻害され、収穫量や品質に大きな悪影響を及ぼします。
萎黄病の症状
萎黄病の初期症状としては、新しい葉が黄色っぽくなり、つやが失われます。新しい葉を構成する3枚の小葉のうち、1~2枚が小さく変形し、ねじれることがあります。さらに症状が進行すると、株全体が通常よりも小さく生育が止まり、しおれて枯れてしまう株も出てきます。根の先端、葉柄、ランナーの断面にある維管束(水分や栄養を運ぶ管の束)が茶色く変色し、根が腐敗する様子も見られます。これらの症状は、イチゴの生育を著しく阻害し、収穫量や品質の低下を招きます。
萎黄病の発生メカニズム
萎黄病は、以前に発病したイチゴの残骸や、病原菌が作り出す耐久力のある特殊な胞子(厚膜胞子)が土の中で生き残り、そこから新たな感染源となって根を通じて侵入し、発症に至ります。苗を育てる場所で親株が感染すると、ランナーを通じて苗も感染したり、病原菌を保持した状態になります。発病した株は、特徴的な三日月形の胞子(大型分生子や小型分生子)を大量に作り出して感染を広げるだけでなく、非常に耐久性の高い胞子(厚膜胞子)も形成し、土の中で長期間生き残ることで、次の作付け時に再び感染源となります。
萎黄病を防ぐための対策
萎黄病への対策として最も重要なのは、土壌に長期間生存する耐久性の高い胞子(厚膜胞子)に対する対策です。一度病原菌が侵入すると完全に根絶することは非常に困難となるため、発病が確認された場所では、感染した植物の残りを丁寧に取り除き、土壌燻蒸剤を使用するか、太陽熱を利用するなどして土壌消毒を徹底的に行うことが不可欠です。さらに、親株には病気のない健康な苗を使用し、前年に使用した苗は再利用しないようにしましょう。育苗用の培地を加熱消毒したり、クロルピクリンなどの薬剤で培地消毒を行うことも有効です。これらの対策を徹底することで、萎黄病の発生を効果的に予防し、健全なイチゴ栽培を維持することができます。
疫病
疫病は、イチゴ栽培において大きな損害を引き起こす可能性のある、土壌を介して伝染する病害です。特に、気温と湿度が高い時期に発生しやすく、水はけの悪い畑では被害が広がりやすい傾向があります。疫病は、イチゴの根やクラウン(株の根元の部分)に侵入し、株全体の成長を妨げるため、早期発見と適切な対応が非常に重要です。
疫病の症状
疫病の初期症状としては、根の先端部分や根の付け根が茶色く変色してきます。病状が進行するにつれて、この褐変が広がり、地上部には立ち枯れのような症状が見られるようになります。根の先端を切ってみると内部まで褐変が進んでいるのが確認でき、炭疽病の症状と似ています。株全体の生育が鈍くなり、葉が黄色くなったり、しおれたりすることもあります。症状が重くなると、株全体が完全に枯れてしまうこともあります。
疫病の発生要因
疫病は、前年に感染した植物の残骸や土壌が主な感染源となります。気温が高い時期や排水が悪い状態が続くと発生しやすくなり、雨や水やりによって広がる可能性があります。特に、同じ場所で繰り返し栽培している畑や水はけの悪い畑では、病原菌が増えやすく、疫病が発生しやすい状況になります。
疫病への対処法
疫病への対策としては、まず、感染した株を見つけたらすぐに抜き取り、畑の外で適切に処分することが大切です。感染が見られた畑では、土壌消毒剤による消毒や太陽熱を利用した土壌消毒を行い、次の栽培に病原菌を持ち越さないようにします。また、健康な苗を使用することも重要です。排水対策を徹底し、畑の湿度を下げることも効果的です。過剰な水やりを避け、適切な肥料管理を行うことで、株の抵抗力を高めることも重要です。
ピシウム根腐病
ピシウム根腐病は、イチゴ栽培でよく見られる土壌病害で、特に苗を育てている時期や定植後の初期段階で発生しやすい病気です。この病気は、土壌中のピシウム菌が原因で発生し、根を腐らせることで生育を妨げ、収穫量や品質の低下につながります。
ピシウム根腐病の症状
ピシウム根腐病に感染すると、株の成長が止まり、葉が黄色くなったり、しおれたりします。病気が進行すると葉の端から枯れ始め、根が茶色く腐って、株全体がしおれてしまいます。根の先端が水を含んだように腐り、簡単に引き抜けるようになります。これらの症状は、他の根腐病と似ているため、正確な診断が不可欠です。
ピシウム根腐病を引き起こす要因
ピシウム根腐病は、以前に発症した植物の残骸や、土中に生き残った胞子が新たな感染源となります。土壌の水分が多い状態だと発病しやすく、特に水はけが悪い畑や水のやりすぎが原因で発生しやすいです。また、気温が低い環境でも発生する可能性があります。
ピシウム根腐病への対応策
ピシウム根腐病への対策として、まず、発病した株を見つけ次第、速やかに抜き取り、適切に処分することが大切です。湿気がこもりやすい場合は、排水対策を行い、発病しにくい環境を作ります。土壌消毒剤を使用するか、太陽熱を利用して土壌消毒を行い、次の栽培に病原菌を持ち込まないようにします。また、健康な苗を使うことが重要です。苗を育てる際には、適切な水やりを行い、水の与えすぎに注意しましょう。定植する際には、水はけの良い土壌を選び、高畝栽培を行うことも効果的です。
乾腐病
乾腐病は、イチゴの葉や茎に発生する病気で、生育が悪くなったり収穫量が減ったりする原因となります。この病気は、糸状菌(カビ)によって引き起こされ、特に気温が高く湿度が高い環境で発生しやすいです。乾腐病は、他の病気と比べて発生する頻度はそれほど高くありませんが、一度発生すると被害が広がる可能性があるため、注意が必要です。
乾腐病の症状
乾腐病に感染すると、葉と茎がつながる部分が茶色に変色し、株全体の生育が悪くなります。下の方の葉から次第に枯れていき、葉と茎のつながる部分の断面は外側から茶色に変色していくのが確認できます。被害が進むと、表面にクリーム色のカビが密集して生えることがあります。これらの症状は、他の病気と似ている場合があるため、注意深く観察することが大切です。
乾腐病の原因
イチゴの乾腐病は、以前に発病した株の残骸や、土壌中に長期間生存できる特殊な胞子(厚壁胞子)が最初の感染源となることが多いです。気温と湿度が上がるにつれて発生しやすくなり、特に梅雨の時期や夏に多く見られます。肥料の与えすぎなどで土壌中の塩類濃度が高くなっている場所でも発生しやすいとされています。
乾腐病の対策
乾腐病を防ぐためには、まず、病気にかかった株を見つけたらすぐに抜き取り、畑の外で適切に処分することが大切です。病気が発生した畑では、土壌消毒剤を使用するか、太陽熱を利用して土壌消毒を行い、次の作付けに病原菌を持ち込まないようにしましょう。肥料を適切に管理し、過剰な施肥は避けるように心がけてください。排水対策をしっかりと行い、畑の中の湿度を下げることも有効です。同じ場所での連作は避け、輪作を行うことで、土壌中の病原菌の数を減らすことができます。
角斑細菌病
イチゴの角斑細菌病は、葉に発生する細菌が原因の病気です。特に湿度が高い環境で発生しやすく、葉に特徴的な角ばった形の病斑を作ります。他の病気と比べると発生頻度はそれほど高くありませんが、いったん発生すると被害が広がる可能性があるため、注意が必要です。
角斑細菌病の症状
角斑細菌病に感染すると、葉に葉脈に囲まれた水に浸ったような小さな斑点ができます。これらの斑点は徐々に繋がり、大きくなり、葉が枯れる原因となります。湿度が高い状態では、病斑から細菌性の粘液が出てくることがあります。病斑は、葉の表側だけでなく、裏側にもできることがあります。
角斑細菌病の要因
角斑細菌病は、感染した株から滲み出た病原菌を含んだ水滴が、雨や風、水やり、あるいは接触などを通じて広がることで伝染すると考えられています。特に湿度が高い環境下では、病原菌の増殖が活発になり、感染が広がりやすくなります。また、植物の傷口から細菌が侵入することも感染経路の一つです。
角斑細菌病への対応
角斑細菌病への対策としては、まず、病変が見られる部分は速やかに畑から取り除き、土に埋めるか焼却するなど適切な方法で処分することが大切です。病気に感染した株からの苗の採取は避け、健康な苗から採取するように心がけましょう。水やりをする際は、葉に水がかからないように注意し、湿度が高い状態を避けるようにしましょう。風通しを良くすることで、ハウス内の湿度を下げることも効果的です。薬剤による防除も選択肢の一つですが、細菌性の病気には効果が限定的な場合もあるため、予防的な対策を重視することが重要となります。
うどんこ病
うどんこ病は、イチゴ栽培において非常によく見られる病気で、葉、果実、果梗、葉柄、ランナーなど、株のあらゆる部分に発生する可能性があります。この病気は、糸状菌(カビ)が原因で発生し、特に乾燥した条件下で発生しやすい傾向があります。うどんこ病は、他の病気と比較して比較的防除しやすい病気ですが、放置すると生育が悪くなったり収量が減ったりする原因となるため、早期発見と適切な対応が不可欠です。
うどんこ病の症状
うどんこ病の初期症状としては、下の方の葉に赤褐色の斑点として現れます。次第に新しい葉の裏側に白いカビが生え、進行すると小葉が上方向に巻いてスプーンのような形になります。果実に発生すると、色付きが悪くなったり肥大が遅れたりして、収穫量の減少につながります。葉や果実の表面に白い粉のようなものが付着しているのが特徴です。
うどんこ病の要因
イチゴのうどんこ病は、その病原となる菌がイチゴ自体で生き延び、菌糸の状態で夏を越すと考えられています。気温が20℃前後の環境下で胞子を介して広がりやすく、日照不足も発生を助長します。多湿な環境で発生しやすい一方、やや乾燥した状態でも発生することが確認されています。
うどんこ病への対応
うどんこ病への対策として、まず大切なのは、発病した部分を早期に見つけて取り除き、ビニールハウス内に放置しないことです。病気が広範囲に及ぶと防除が難しくなるため、初期段階での対策が重要となります。風通しを良くして湿度を下げることを意識しましょう。肥料の管理も適切に行い、特に窒素肥料の与えすぎには注意が必要です。薬剤による防除も有効な手段であり、適切な薬剤を選び、定められた散布間隔を守って使用しましょう。
灰色かび病
灰色かび病は、イチゴ栽培において非常に一般的な病気の一つであり、果実だけでなく、がく、葉、葉柄、果柄など、株の様々な部分に発生する可能性があります。この病気は、糸状菌という種類のカビが原因で、特に湿度が高い環境で発生しやすい傾向があります。収穫間近の果実に発生することが多く、品質の低下や収穫量の減少に繋がるため、早期発見と適切な対応が非常に重要です。
灰色かび病の症状
灰色かび病は、主に果実に発生し、特に収穫直前の果実が感染しやすい傾向にあります。初期症状として、水に浸ったような小さな斑点が現れ、徐々に拡大して果実を軟らかく腐らせ、表面全体に灰色の粉状のカビが生じます。がく、葉柄、葉などが感染すると褐色に変色し、同様に灰色のカビが発生します。感染後、畑が乾燥している場合には、灰色のカビが見られないこともあります。
灰色かび病の要因
灰色かび病は、胞子や菌糸の状態で感染した株に潜伏し、さらには菌核として畑に残存し、翌シーズンの感染源となります。特に、枯れた下葉などで繁殖したものが、主要な感染源になると考えられています。気温が20℃前後で湿度が高い環境で発生しやすく、過密な栽培や生育の偏り、過剰な葉の茂りが原因となることもあります。加えて、朝晩の急な気温低下による結露も、発病を促進する要因となります。
灰色かび病への対処法
灰色かび病への対策として、まず重要なのは、発病箇所を早期に発見し、取り除いて適切に処分することです。ハウス内の換気を徹底し、湿度が高くならないように注意します。マルチングを行うことで、土壌からの感染を防ぐことができます。発病前から薬剤を予防的に散布することも効果的です。薬剤を選ぶ際には、地域の耐性菌の発生状況を確認し、異なる系統の薬剤を交互に使用するローテーション散布が重要です。
輪斑病
輪斑病は、イチゴの葉、葉柄、ランナーに見られる病気で、生育阻害や収量減少を引き起こす恐れがあります。この病気は、糸状菌と呼ばれるカビが原因で、特に梅雨の時期から夏にかけて発生しやすい傾向があります。輪斑病は、他の病気と比較して発生頻度はそれほど高くありませんが、発生すると被害が広がる可能性があるため、注意が必要です。
輪斑病の症状
輪斑病に感染すると、葉には紫褐色で不整円形の小さな斑点が現れます。病状が進行すると、中心部が壊死し、その周囲は紫褐色、内部は灰褐色の輪状の模様になります。葉柄やランナーには赤紫色の浅い陥没した病斑ができ、その周辺は赤く変色します。古い病斑の上には、小さな黒い粒状のもの(柄子殻)が形成されることがあります。
輪斑病の発生原因
輪斑病は、病気に侵された葉で冬を越し、翌年の夏に胞子を飛ばして感染を広げると考えられています。特に梅雨明け以降、気温が高く雨が多い時期に広がりやすくなります。
輪斑病への対処法
輪斑病を防ぐためには、まず二次感染を防ぐことが大切です。病変を見つけたらすぐに取り除き、ハウス内に放置しないようにしましょう。苗は、病気にかかっていない親株から採取するように心がけてください。雨よけをして苗を育て、頭上からの水やりは避けるようにしましょう。風通しを良くして、ハウス内の湿度を下げることも効果があります。薬剤による防除も可能ですが、日頃からの予防対策を重視することが大切です。

病気予防のための栽培管理
イチゴの病気を予防するには、日々の栽培管理が非常に重要です。まずは、畑を清潔に保ち、病気の原因となる枯葉や雑草などをこまめに取り除くことが大切です。また、適切な水やりを行い、土が常に湿った状態にならないように注意しましょう。風通しを良くして、ハウス内の湿度を下げることも効果的です。さらに、バランスの良い肥料を与え、株の抵抗力を高めることも重要です。これらの栽培管理をしっかりと行うことで、病気の発生を事前に防ぎ、健康なイチゴを育てることができます。
病気が発生した場合の初期対応
もし病気が発生してしまった場合は、最初の対応が非常に重要です。まず、病気にかかった株をできるだけ早く見つけ出し、畑から取り除くことが大切です。そして、感染の広がりを防ぐために、周りの株への薬剤散布を検討しましょう。薬剤散布を行う際は、適切な薬剤を選び、散布する間隔や使用方法をきちんと守ることが重要です。また、病気の種類によっては、専門家に見てもらうことも有効です。早く見つけて適切に対応することで、被害を最小限に抑えることができます。
薬剤を使用した病害防除における注意点
薬剤を用いて病気を防ぐことは有効な手段ですが、いくつかの注意点があります。まず、薬剤を使用する際は、製品ラベルに記載されている使用方法を厳守し、定められた希釈濃度を守ることが大切です。また、同じ種類の薬剤を続けて使用すると、病原菌が薬剤に対する抵抗力を獲得してしまう可能性があるため、異なる作用機序を持つ薬剤を順番に使うことをおすすめします。さらに、薬剤を散布する際には、周囲の環境に配慮し、風向きや天候などを考慮してから実施しましょう。安全な薬剤の使用を心がけ、環境への影響をできる限り減らすことが重要です。
生物農薬の利用
近年、化学合成農薬の代替手段として、生物農薬の利用が注目を集めています。生物農薬とは、天敵となる昆虫や微生物などを活用して病害虫を防除する方法で、環境への負荷が少ないという利点があります。イチゴ栽培では、うどんこ病や灰色かび病といった病気に対して、生物農薬が用いられています。生物農薬の効果を最大限に発揮させるためには、適切な時期に使用し、栽培環境を整備することが重要です。生物農薬を活用することで、より安全で持続可能なイチゴ栽培が可能になります。
抵抗性品種の導入
病害対策として、抵抗性を持つ品種を導入することも効果的な方法です。抵抗性品種とは、特定の病気に対して抵抗性を持つように改良された品種であり、病気の発生リスクを低減できます。イチゴ栽培においては、うどんこ病や炭疽病などの病気に対して抵抗性を持つ品種が開発されています。抵抗性品種を選ぶ際には、その地域の気候や土壌の条件に適した品種を選ぶことが重要です。抵抗性品種を活用することで、薬剤の使用量を減らし、より環境に配慮したイチゴ栽培を実現できます。
栽培記録の重要性
病害対策を効果的に進めるためには、栽培に関する記録を詳細に残すことが重要です。栽培記録には、種まきの日、苗の植え付け日、肥料の種類と量、水やりの頻度、薬剤の散布日、病害虫の発生状況などを記録します。これらの情報を分析することで、病気の発生パターンや原因を特定し、適切な対策を立てることができます。また、栽培記録は、将来の栽培計画を立てる上でも非常に役立つ情報源となります。栽培記録をきちんと記録し、病害対策に役立てましょう。
結び
イチゴ栽培において病害対策は、高品質なイチゴを安定的に生産するための基盤となります。本記事では、イチゴに発生しやすい主要な病害について、その種類、症状、原因、そして具体的な対策を詳細に解説しました。これらの情報を活用し、日々の栽培管理を徹底することで、病害の発生を可能な限り防ぎましょう。そして、もし病害が発生してしまった場合には、早期発見と迅速かつ適切な対応を心がけてください。常に専門家との連携を大切にし、より効果的な病害対策を実践することで、豊かな収穫を実現しましょう。
質問1:イチゴの病気はどのようにして発生するのですか?
回答1:イチゴの病気は、主にカビ(糸状菌)、細菌、ウイルスといった病原微生物が原因で発生します。これらの病原微生物は、土壌、水、空気、あるいはアブラムシなどの昆虫を介してイチゴに侵入し、感染を引き起こします。特に、高温多湿な環境や、適切でない栽培管理は、これらの病原微生物の繁殖を助長し、感染のリスクを高める要因となります。
質問2:イチゴの病気を予防するためには、どのような対策をすれば良いですか?
回答2:イチゴの病気を予防するためには、以下の対策が効果的です。 1. 栽培地の衛生管理を徹底し、病原菌の温床となる枯れた葉や雑草などをこまめに取り除くことが重要です。 2. 水やりの頻度や量を適切に管理し、土壌が常に湿った状態にならないように注意してください。 3. ハウス内の風通しを良くすることで、湿度の上昇を抑えることができます。 4. 肥料の与え方を工夫し、バランスの取れた栄養管理を行うことで、イチゴの株自体の抵抗力を高めることができます。 5. 病気にかかっていない健全な苗を使用することが基本です。 6. 病気に強い品種を選ぶことも、予防策の一つとして有効です。
質問3:もしイチゴが病気になってしまったら、どう対処すれば良いでしょうか?
回答3:イチゴに病気が見つかった場合は、以下の手順で対処してください。
- まず、病気にかかった株をできるだけ早く見つけ出し、畑から取り除いてください。
- 次に、病気が広がるのを防ぐために、周りの株に適切な薬剤を散布することを検討しましょう。
- 薬剤を散布する際は、使用する薬剤の種類をよく確認し、決められた散布間隔や使用方法を必ず守ってください。
- 病気の種類によっては、専門家からのアドバイスを受けることも重要です。
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