ショートブレッドの「ショート（short）」は「短い」という意味ではなく、ホロホロと崩れやすい、サクサクとした食感を指します。このお菓子は一口食べると、サクっとした歯ごたえと共に、口の中でボロボロと崩れるのが特徴です。

「ブレッド（bread）」は「パン」を意味しますが、ショートブレッドに関しては、この組み合わせが「バターたっぷりの焼き菓子」という意味になるのです。つまり、バターの豊かな風味を楽しめるクッキーのようなお菓子です。

イギリス・スコットランドのWalkers（ウォーカー）社が製造するショートブレッドは、世界中で高い人気を誇り、日本でもKALDIや輸入食品店で見かけることができます。ウォーカー社のショートブレッドは、長方形で表面に小さな穴が開けられたシンプルながらも味わい深いクッキーです。

ショートブレッドとクッキーは、どちらも人気の焼き菓子ですが、材料と作り方に違いがあります。

ショートブレッド

ショートブレッドは、小麦粉、バター、砂糖（場合によっては塩）だけで作るシンプルな焼き菓子です。材料の比率は、イギリスの伝統的なレシピで「小麦粉：バター：砂糖」が3：2：1となっています。作り方は、小麦粉に冷やしたバターをこすり込むように混ぜ、砂糖を加えて生地を作ります。この手法により、ぽろぽろとした食感が生まれ、サクサクとほろほろした仕上がりになります。ショートブレッドはバターをたっぷり使うのも特徴です。

クッキー

クッキーは、小麦粉、バター、砂糖に加えて、卵や牛乳などが含まれることが多いです。クッキーの作り方は、バターをクリーム状にしてから砂糖、卵を加え、最後に小麦粉を混ぜるというもの。卵を使うことで、つるんとした生地ができ、焼き上がりはしっとりまたは軽い食感になります。クッキーはさまざまなバリエーションがあり、しっとりしたものからサクサクしたものまで幅広いバリエーションがあります。

簡単に言えば、ショートブレッドはよりシンプルでサクサクした食感が特徴で、バターの風味が際立つ一方、クッキーはより多様な材料と食感が楽しめる焼き菓子です。

ショートブレッドは、バター、砂糖、小麦粉のシンプルな3つの材料から作られ、それぞれの素材の質がダイレクトに味わいに影響します。サクッとした食感と甘さ控えめな風味が特徴で、その素朴な美味しさで世界中の人々から愛されています。世界各地で様々なアレンジがなされていますが、その魅力の核心はシンプルな成分と製法にあります。