桜餅 道明寺 違い
日本の春を象徴する桜餅。一見、どこでも見かけるこのお菓子ですが、配布される地域によって大きくギャップが存在します。西日本では「道明寺」、東日本では「桜餅」として親しまれています。今回は、この二つの桜餅の違いについて紐解いてみましょう。一緒に桜餅と道明寺が何故違うのか、その理由と特徴、魅力に迫りましょう。
桜餅の生地は小麦粉と道明寺粉の2種類ある!?
春の季節、その繊細な美しさと香りで季節を彩る桜餅。この恵み深い和菓子は、その優雅なルックスと、口溶けの良さから人気を博しております。ところが、桜餅には実は、2つの異なる工夫が込められていることをご存知でしょうか?
それは、製法の違いから生まれる2種類の桜餅、それが小麦粉を使った関東風桜餅と道明寺粉を使った関西風桜餅です。薄いクレープ状の小麦粉の生地に餡を包み込んだのが関東風。見た目の美しさがその魅力です。一方、粒の詰まったもち米の道明寺粉を使い、大胆な食べ応えのあるのが関西風の桜餅。その豪快な味わいが人気です。
これらの違いは、地域ごとの特徴が生んだもの。関東では、蕎麦打ちの技術を応用し、薄い生地を作る。関西では、道明寺作りの技法を生かし、粒感あふれる桜餅を完成させる。その地元での伝統や特性を活かした製法が、同じ桜餅でも違う味と食感をもたらしています。
桜餅は、その美しい見た目だけでなく、関東・関西それぞれの特徴を活かした食感や風味の違いを楽しむことのできる和菓子。今年の春は、両者の違いを感じられる2種類の桜餅を味わってみてはいかがでしょうか。
関東の桜餅は小麦粉から作られる
関東の桜餅は、精選された小麦粉をベースに、薄く焼いたクレープ風の皮であんこをくるむ方法が特徴的です。その最終ステップとして、美味しい餡と見栄えを良くするために、桜の葉で装飾します。対照的に、道明寺桜餅は、もち米を使いながらも深い原始的な甘さと独特の食感を持っています。
小麦粉の使用により、口溶けの良いなめらかさと淡い甘さが際立ち、また桜の葉の塩味との対比も楽しむことができます。見た目についても、クレープのような生地と緑色の桜の葉、そして赤いあんこが春の訪れを美しく告げてくれます。
また、関東地方の桜餅は分け合いながら食べるという文化もあり、新しい季節を家族や友人と共に迎える絶好の機会です。地域差による食文化は、日本の多様性と文化の豊かさを示しています。
関西で多い道明寺粉製の桜餅。 元々は保存食!?
関西で見かける桜餅は、大粒の「道明寺粉」を使ったものが主流です。その道明寺粉とは、もち米を一度蒸し、乾燥させた後で大きく割ったものを指します。また、この素材を使って色をつけ、こしあんを包んで作られるため、もち米のつぶつぶとした食感がそのまま楽しめます。
この道明寺粉の歴史は意外なくらい古く、その起源は千年以上前にさかのぼります。大阪にあった真言宗の尼寺、道明寺で作られていた保存食「道明寺糒(ほしい)」が原型とされています。この保存食は長期間の保存が可能だったため、一般的に活用され、水やお湯でふやかして食べる方法が主流でした。
この道明寺粉を用いた桜餅は、保存食の特性をそのまま活かした形で現代まで受け継がれ、その美味しさはもちろん、桜の葉から香り立つ良い香りと共に食欲を刺激します。また、食べ終わった後にも桜の葉の香りが口の中に残り、その魅力を味わい尽くすことができます。
とうてい消え去ることのないこの道明寺粉製の桜餅の美味しさは、古くから旅の途中の携帯食や手土産として人々に愛され、関西の春の訪れを知らせる重要な存在となっています。その素朴な美味しさの奥には、このような深い歴史が秘められているのです。
小麦粉の桜餅と道明寺粉の桜餅のカロリーは?
""桜餅""と言えば、日本の伝統的なお菓子の一つで、桜の葉に包まれた美しい姿から名前がつけられています。ここでは、その桜餅の中でも特に注目すべき二つの種類、小麦粉と道明寺粉を使用した桜餅に焦点を当て、カロリーを比較してみましょう。
小麦粉を使用した桜餅は、関東風と呼ばれるもちもちとした食感と、甘いあんこが特徴。一方、関西風の桜餅は道明寺粉を使い、食感はパラパラとします。また、逸品となるのは包む桜の葉で、その香ばしい風味と桜の香りが上品にマッチします。
カロリーに関しては、日本食品標準成分表によれば、小麦粉の桜餅のカロリーは100gあたり約283キロカロリー程。一方、道明寺粉の桜餅は100gあたり約216キロカロリーと、意外と控えめなどころか、かなり低い結果となりました。
このように、明らかに原料の違いでカロリーに差が出るのは注目すべき点です。しかし、それぞれの桜餅には、豊かな甘さと桜の香りがあり、大いに満足感をもたらします。ドーナツ(375Kcal/100g)やショートケーキ(327Kcal/100g)と比較すると、桜餅はカロリーが控えめです。
「桜餅」と「道明寺」の違いを味わおう
春の訪れを感じさせるのが、ピンク色に彩られた桜餅です。しかし、この桜餅には、地域によって2つの形状の違いが存在します。それは、通常の「桜餅」と「道明寺」です。これら2つは、いずれも桜の葉で包まれているため、一見同じように思えますが、実際には、材料、形状、名前の由来といった独自の特徴があります。
関東地方で主流となっている「桜餅」は、主にもち米ではなく、シロ粉と水飴を用いて作られ、あんこを包んで桜の葉できれいに飾られます。一方、近畿地方で人気の「道明寺」は、もち米を粗く砕いた道明寺粉を使い、あんこを包み込んで桜の葉で丁寧に包まれます。
また、名前の由来にも違いがあります。「桜餅」は桜の葉で包まれたその見た目から、「桜餅」という名前がつけられました。対する「道明寺」の名前の由来は、一説によれば大阪の地名である「道明寺」から来ており、この地域で道明寺粉が作られていたことからその名がつけられました。
今やどこの地域でも簡単に手に入るようになったこれらの桜餅。あなたが普段食べている桜餅が、関東スタイルなのか、それとも関西スタイルなのかを確認し、いつもとは違う方を試してみると新たな発見があるかもしれません。あなたがこの春、「桜餅」や「道明寺」の微妙な違いを味わう機会を楽しんでみてはどうでしょうか。
まとめ
それぞれの地域背景から生まれた道明寺と桜餅の違いは、見た目や食感、味わいに現れています。道明寺は粒々とした食感が特徴的で、桜の葉の塩気が良いアクセントに。一方、桜餅はもちもちとした食感が楽しい、甘さ控えめの上品な味わいです。どちらも、春の訪れを感じさせてくれる伝統の和菓子。その魅力を知れば、より一層味わい深く楽しめます。