10月フルーツ

10月は「走り」「盛り」「名残」といったさまざまな旬の段階が楽しめる果物の季節です。秋ならではの味わい深い果物が多く出回り、食卓にも彩りを添えてくれます。今回は、10月に旬を迎える果物たちを、特徴やおすすめの食べ方とあわせて紹介します。身近な果物からちょっと珍しいものまで、旬を逃さず味わうヒントにしてください。
旬とは?
果物における「旬」とは、その果物がもっともおいしく、栄養価が高くなる時期を指します。ちょうど収穫のピークを迎えることで、市場への流通量も増え、価格が安定し手に入りやすくなる点も魅力です。旬の中でも「走り(はしり)」は出始めの時期、「盛り(さかり)」は最も豊富に出回る時期、そして「名残(なごり)」は終盤に差し掛かる時期を表します。これらの移ろいを意識することで、果物の味や風味の変化も一層楽しめるようになります。
10月が「走り」の果物(フルーツ)
10月に「走り」を迎える果物には、季節の先駆けとして楽しめるものが多くあります。たとえば、日本人にとってなじみ深い温州ミカンは、極早生品種が市場に出回りはじめる時期。酸味と甘みのバランスがよく、秋の訪れを感じさせてくれます。また、近年は国産アボカドの生産も増えており、秋から冬にかけてが旬。完熟状態で収穫されるため、濃厚でクリーミーな味わいが特徴です。さらに、スターフルーツなど南国フルーツも秋から流通が増え、見た目もユニークで食卓に華やかさを添えてくれます。

10月が「盛り」の果物(フルーツ)
10月は果物の「盛り」の季節として、多彩な品種が豊富に出回ります。中でも代表的なのが柿。古くから日本で栽培されてきた果実で、甘柿や渋柿などさまざまな品種があります。完熟すると甘みが増し、生食や干し柿、調理用としても利用されます。また、香酸柑橘類のカボスもこの時期が最盛期。焼き魚や鍋料理などに爽やかな酸味と香りを添えてくれる万能果実です。さらに、アケビのような日本の山間部に自生する伝統的な果物も出回り、果肉と皮の両方が食用に利用され、秋の味覚として親しまれています。
10月が「名残」の果物(フルーツ)
夏の名残を感じさせる果物たちが、10月にはそろそろシーズンを終えようとしています。日本ナシは晩生種が中心で、大玉でジューシーな品種が多く出回ります。冷蔵保存しながら秋の味覚を存分に楽しみたい果実です。ブドウもまた10月で終盤を迎え、ピオーネやナガノパープルといった濃厚な味わいの品種が旬の締めくくりを飾ります。プルーンは西洋スモモの一種で、皮ごと食べられる点も魅力。さらに、香酸柑橘類のスダチも旬を終えようとしており、秋の料理に最後の香りを添えてくれる存在です。
まとめ
10月は実りの秋の名にふさわしく、果物の種類が豊富で、それぞれに異なる旬の味わいが楽しめる季節です。「走り」では新しい季節の始まりを告げ、「盛り」ではその時期にしか味わえない豊かさを堪能し、「名残」では過ぎゆく夏の味を惜しむことができます。伝統的な果物から南国系の珍しいフルーツまで、日本の四季を存分に感じながら、さまざまな味覚を楽しんでみてはいかがでしょうか。