初夏の訪れを告げる、宝石のような赤い果実、さくらんぼ。世界には1000種類以上、日本でも約100種類もの品種が存在すると言われています。甘酸っぱい味わいはもちろん、見た目の美しさも魅力の一つ。果肉の硬さや色合いも様々で、どれを選べば良いか迷ってしまう方もいるのではないでしょうか。この記事では、豊富な品種の中から、甘さ、色、硬さに注目し、あなたにとって最高のさくらんぼを見つけるお手伝いをします。
さくらんぼの種類はどれくらい?
世界には1000を超えるさくらんぼの品種が存在すると言われ、日本国内でもおよそ100種類の栽培が行われています。それぞれの品種は、甘み、酸味、果肉の固さ、実の大きさ、果皮の色など、様々な個性を備えています。これほど多くの種類があるからこそ、自分にとって最高のさくらんぼを見つけ出す喜びも大きくなります。
日本で人気のさくらんぼ主要品種と特徴
日本で栽培されているさくらんぼの中から、特に人気を集めている品種を厳選してご紹介します。それぞれの品種の旬の時期や味わいの特徴を知ることで、さくらんぼ選びがさらに楽しくなるはずです。
さくらんぼの王様「佐藤錦」
山形県で生まれた佐藤錦は、その卓越した美しさと味わいから「さくらんぼの王様」と称えられています。特筆すべきは、その芳醇な甘みと果汁たっぷりの果肉、そして鮮やかな紅色に輝く外観です。旬は6月中旬から下旬にかけての短い期間ですので、お見逃しなく。
甘くて大粒「紅秀峰」
紅秀峰は、佐藤錦と同様に山形県で生まれた品種で、近年その人気が急速に高まっています。佐藤錦と天香錦を交配して誕生しました。大粒で食べ応えがあり、強い甘みが特徴で、日持ちが良いのも魅力です。お中元ギフトとしても喜ばれています。旬は7月初旬から中旬です。
漆黒の宝石「紅さやか」
紅さやかは6月上旬〜中旬ごろに収穫される早生品種で、甘みと酸味のバランスに優れたさくらんぼです。色づきが良く、果皮の色は熟すにつれて紫黒色になり、他のさくらんぼと違う点として、果肉まで赤く染まるのが特徴です。主な産地は山形県で、柔らかくてジューシーな味わいから子供からも大変愛されている品種です。
歴史を刻む味わい「高砂」
高砂は明治時代にアメリカから導入され、日本名に統一された歴史ある品種です。果皮は淡赤黄色で、果肉はやわらかく、果実は6~7g程度とやや小ぶり。タネが大きめで可食部が少なく感じることもありますが、さっぱりとした甘さとやさしい酸味が特徴です。6月中旬が旬です。
芳醇な甘みと香り「紅てまり」
紅てまりは粒が大きく、通常のさくらんぼが一粒5〜7gなのに対して紅てまりの平均は約10〜11gほど。また、果皮・果肉ともに硬めなので日持ちが良く、ギフトとしても大変人気のある品種です。7月上旬〜中旬に旬を迎える晩生種で、主に山形県で栽培されています。
爽やかな酸味が魅力「ナポレオン」
ナポレオンはアメリカから明治期に導入され、昭和末期まで日本で最も多く栽培されていた品種です。果皮は厚く、肉質も硬めで、果汁が多くやや酸味が強いのが特徴。加工用としても広く利用されてきましたが、完熟したナポレオンの爽やかな酸味とコクを好む人も多いです。旬は6月下旬から7月上旬です。
珍しい黄色のさくらんぼ「月山錦(がっさんにしき)」
月山錦は、中国をルーツとする黄色いさくらんぼです。その特徴は、大きめのサイズ感、高い糖度、そして控えめな酸味。栽培農家が限られているため、市場で見かける機会が少ない、貴重な品種と言えるでしょう。
世界最大級のサイズを誇る「やまがた紅王(べにおう)」
やまがた紅王は、山形県で誕生したばかりの新品種で、2023年から本格的な販売がスタートしました。「紅秀峰」と「C-47-70」(「レーニア」と「紅さやか」の交配種)を親に持ちます。世界でもトップクラスの大きさを誇り、強い甘さと硬めの果肉が魅力です。今後の人気上昇が期待されています。
さくらんぼの品種別シェアランキング
さくらんぼの収穫量に基づくランキングを見てみましょう。首位はやはり佐藤錦で、他を大きく引き離しています。2位は紅秀峰、3位は高砂という順位です。この上位3品種だけで、国内のさくらんぼ栽培面積のおよそ78.1%を占めているのが現状です。
さくらんぼの木の種類
さくらんぼは桜の果実ですが、私たちが鑑賞する桜とは異なる種類に属します。食用となるさくらんぼを実らせる桜は、主に「西洋実桜(せいようみざくら)」「西洋酢実桜(せいようすももみざくら)」「支那実桜(しなみざくら)」の3種類です。日本の桜でも食用さくらんぼを収穫することは不可能ではありませんが、栽培条件が厳しく、一般的ではありません。
結び
本稿では、多種多様なさくらんぼの品種についてご紹介しました。各品種が持つ独自の味わいや特性を知ることで、さくらんぼ選びがさらに豊かな体験となるでしょう。ぜひ、様々な品種を味わい、あなたにとって最高のさくらんぼを見つけてください。
さくらんぼの最適な保存方法は?
さくらんぼは、乾燥を防ぐために容器や袋に入れ、冷蔵庫での保存が推奨されます。生鮮食品ですので、できる限り早めにお召し上がりください。
さくらんぼは冷凍保存可能ですか?
さくらんぼは冷凍保存にも適しています。水洗い後、しっかりと水分を拭き取り、冷凍保存用の袋に入れて冷凍してください。冷凍したさくらんぼは、シャーベットのようにそのまま食べたり、ジャムやスムージーの材料としても活用できます。