さくらんぼ 下痢
さくらんぼの甘酸っぱさと鮮やかな色彩は、日本の初夏を象徴する果物の一つでしょう。しかし、この美味しい果物を食べすぎてしまった結果、一部の人々は不快な症状、特に下痢に悩まされることがあります。どうして美味しいさくらんぼが下痢を引き起こすのでしょうか?そして、それを防ぐためにはどうすればいいのでしょうか?今回は、これらの疑問に答えます。
さくらんぼの食べ過ぎで下痢になるのは本当?
さくらんぼの適量はどのくらい?
さくらんぼはどんな栄養素がある?
さくらんぼを食べ過ぎるというリスク情報もありますが、適正な量で摂取するならば何ら問題はありません。さて、その栄養の特性に迫りたいと思います。
ビタミンCが豊富
ビタミンCは、体内で抗酸化作用をもたらし、細胞の健康維持や風邪予防への支援になります。さくらんぼにはこのビタミンCが豊富に含まれており、一人前で一日必要なビタミンCの10%が摂れる程です。
さらに、さくらんぼには、心臓病やがんの予防に役立つとされるポリフェノールや、消化を助ける高い酸度も含まれています。またその鮮やかな赤色は、血管を強化し血液循環を改善する役割のあるアントシアニンという色素のためです。
さくらんぼには食物繊維が豊富に含まれ、便秘や腸内環境改善を促します。また、キュウリや茄子よりも多く含まれているカリウムは、高血圧の予防や腎臓の健康維持を支えます。これらの栄養素は必須ではないものの、体内での各種代謝に欠かせないものであり、果物から摂取できるというのは喜ばしいことですね。
さて、カロリーはどのくらいでしょう?
さくらんぼ100gあたりのカロリーは、64kcalと、他の一般的な果物と比較してもそこまで差はありません。適量であれば、カロリーオーバーを心配する必要はありません。
<主な果物の100gあたりのカロリー>
もも(白)…38kcal
メロン…45kcal
みかん…49kcal
りんご…53kcal
ぶどう…58kcal
さくらんぼ…64kcal
バナナ…93kcal
さくらんぼの種には毒がある?
さくらんぼの種内には「アミグダリン」という成分が含まれております。これは天然のシアン化合物で、ビワやあんず、梅、ももなど他のバラ科植物の種子や未熟な果実にも存在します。体内で分解すると青酸となり、青酸は頭痛、眠気、吐き気、嘔吐等を引き起こす一種の毒素です。
ただし、ご安心ください。さくらんぼの種をそのまま食べても、アミグダリンが発揮されることはないのです。それは種を噛んだりすり潰したりした場合に限ります。さらに、イチジクの種一つや二つを飲み込んだ程度では青酸中毒には至りません。大量摂取時のみリスクが高まります。
そのため、さくらんぼを食べる際には「種を噛まない」「大量に種を飲み込まない」ことが重要となるのです。特に、さくらんぼ狩りなどで食べる機会が増える時期には注意が必要です。大人が子供を見守り、早食いや種飲み込み等の事故を未然に防いであげましょう。
子どもがさくらんぼを食べるときは特に注意
さくらんぼを食べる際、特に子どもには注意が求められます。なぜなら、さくらんぼの種は喉に詰まる危険性をはらんでいるからです。
子どもが安全にさくらんぼを楽しむために、大人が行うべき対策はいくつかあります。まず最初に、果実を子どもへ渡す前に種を除去することを推奨します。次に、食べている最中に走ったり激しく動いたりすることを避けるよう指導しましょう。さらに、子どもが一人でさくらんぼを食べる際は、近くで見守ったり注意深く観察したりすることが重要です。
さくらんぼはビタミンCが豊富な美味しいフルーツであり、夏の季節にはさらにその美味しさが際立ちます。その一方で、その味わいを楽しむだけでなく、上記のようなリスクも忘れてはならないという事実を覚えておくべきです。
さくらんぼの種による窒息事故は適切な対策をとることで防ぐことが可能です。大人としての役割の一つとして、子どもの安全を第一に考えながら、愛情を込めて指導しましょう。ちょっとした手間が命を守るための重要なステップとなるのです。
まとめ
さくらんぼには下痢を引き起こす可能性がある食物繊維が含まれています。飲み物をしっかり摂ると共に適度な食べ物の量を心がけることが大切です。さらに、うまく噛むことで消化を助け、悪影響を和らげることもできます。さくらんぼを楽しみつつ、健康に配慮するバランスが求められているのです。