ゼネラル・レクラークは、1950年代にフランスで偶然発見された洋なしの品種で、幻の洋なしとして名高い「ドワイエネ・デュ・コミス」の自然交雑種だと考えられています。日本には1977年、青森県にあるりんご研究所の前身である畑作園芸試験場果樹部が、フランス国立果樹研究所から苗を導入しました。

青森県では導入後、この品種の栽培に適した環境や管理方法について長年研究が重ねられ、追熟や保存方法、収穫のタイミングなどについても細かく検討されてきました。その結果、地域の農家と研究機関の協力により、青森県が誇る高品質な果実としてゼネラル・レクラークは広く知られるようになったのです。

ゼネラル・レクラークの果実はやや大きめで、重さはおおよそ350gから550gほどあります。熟す前は皮の色がグリーンですが、完熟が進むと黄色がかった色に変化し、表面には茶色っぽいサビが見られることもあります。これがゼネラル・レクラーク特有の外観の一つといえるでしょう。

果肉はきめ細かく、果汁が豊富で非常にジューシーです。口に含むと滑らかで柔らかく、しっかりとした甘みとともに、さわやかな酸味が絶妙なバランスで広がります。香りも芳醇で、食後のデザートとしても、ちょっとした贅沢感を味わえる逸品です。

ゼネラル・レクラークを選ぶときは、まず果実にずっしりとした重みがあるかを確認しましょう。重たいものは果汁がしっかり詰まっており、味わいも豊かであることが多いです。また、果皮に傷や変色がないかもチェックポイントになります。

熟度の判断には、果皮の色が重要です。まだ緑が強く残っているものは未熟な状態なので、追熟が必要です。すぐに食べたい場合は、黄色〜黄褐色に色づいたものを選ぶと良いでしょう。また、果実の上部、いわゆる肩の部分が柔らかくなっていたり、良い香りが立ちのぼってきたりするのも食べ頃のサインです。軸が茶色く枯れたような状態も、完熟を示す目安になります。

購入時にまだ完熟していない場合は、新聞紙やキッチンペーパーなどで包み、直射日光を避けた15〜20度程度の涼しい場所で保管すると良いでしょう。常温で数日置くことで、追熟が進み、果皮が黄色く変化していきます。

熟したら、できるだけ早めに食べるのがベストです。完熟状態になると風味が一気に高まりますが、その分日持ちがしません。保存する際はポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に入れて乾燥を防ぎましょう。適切な温度で保管することで、香りと味わいをしばらく楽しむことができます。

ゼネラル・レクラークは、フランス生まれ・青森育ちの特別な洋なしで、見た目の美しさと食味の高さを兼ね備えた逸品です。育成の背景や選び方、保存、食べ方を知ることで、その魅力をより深く味わうことができます。秋から冬にかけてのこの季節、ぜひゼネラル・レクラークを手に取り、その豊かな味わいを楽しんでみてください。