ガレット デ ロワとは
「ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)」は、フランスの伝統的なクリスマススイーツです。このお菓子は、折り込みパイ生地とアーモンドクリームで作られ、表面には美しい飾り包丁(レイエ)が施されています。今回は、このガレット・デ・ロワについてご紹介します。
「ガレット・デ・ロワ」とは?
「ガレット・デ・ロワ(Galette des Rois)」は、フランスの伝統的な焼き菓子で、キリスト教の祝日「エピファニー(Epiphanie:公現祭)」を祝うために食べられます。この菓子は、バターたっぷりの折込パイ生地とアーモンドクリームで構成され、その上には美しい飾り包丁が施されています。もともとは1月6日のエピファニーの日に食べられていたものですが、現在ではフランス全土で1月中はブランジュリーやパティスリーの店頭に並びます。日本でもこの伝統は広がり、1月になると多くのお店でガレット・デ・ロワが販売されるようになりました。
日本での「ガレット・デ・ロワ」
日本で見かける「ガレット・デ・ロワ」は、主にフランス北部で見られるタイプで、折込パイ生地にアーモンドクリームがサンドされています。一方、フランス南部では「ガトー・デ・ロワ(Gateau des Rois)」という、オレンジフラワーウォーターで風味付けしたブリオッシュを焼き上げたお菓子がエピファニーの習わしとして知られています。ガレット・デ・ロワには「フェーブ」と呼ばれる小さな陶製の人形が隠されており、これが当たった人は王冠を被り、その年一年を幸運に過ごせるとされています。近年では、安全のためにフェーブの代わりにアーモンドを忍ばせることも一般的です。
「ガレット(Galette)」とは
「ガレット(Galette)」は、円形で平たく焼いた菓子全般を指します。この形態は最も古い菓子の一つとされ、新石器時代にまで遡ると言われています。当時、熱した石の上で穀物の粥を焼いたのがガレットの始まりとされています。「ガレット」と名の付く菓子の中で特に有名なのは、ブルターニュ地方の銘菓「ガレット・ブルトンヌ(Galette Bretonne)」ですが、同じブルターニュ地方には、ハムやチーズを添えた甘くないそば粉のクレープも「ガレット」と呼ばれる名物として知られています。いずれのガレットも円形で平たい形状を持つという共通点があります。
ガレット デ ロワとフランス菓子の「ピティヴィエ」との違いは?
「ガレット・デ・ロワ」と同じく折込パイ生地にアーモンドクリームを挟んだ円形の菓子として「ピティヴィエ(Pithiviers)」が挙げられます。両者は、表面の「レイエ」と呼ばれる飾り包丁も共通していますが、いくつかの違いがあります。最大の違いは、提供される時期と「フェーブ」の存在です。「ピティヴィエ」は一年を通して食べられる菓子であるのに対し、「ガレット・デ・ロワ」は新年を祝う期間限定のものです。また、「ガレット・デ・ロワ」に隠されている「フェーブ」は、世界中にコレクターがいるほどの人気アイテムで、限定フェーブがあるお店も多く、これを集めるために名店を巡る人もいます。
「ピティヴィエ」のレイエは、フランス語で「rosace(ロザス・バラ模様)」と呼ばれる放射状の模様が特徴的です。一方で「ガレット・デ・ロワ」には、放射状の模様に加え、月桂樹の葉や麦の穂を象った矢羽模様など、多様なデザインが施されており、これもまた職人の技術が問われる部分となっています。
まとめ
ガレット・デ・ロワは、フランスのクリスマスシーズンに欠かせない伝統菓子で、折り込みパイ生地とアーモンドクリームが絶妙に組み合わさった一品です。特に特徴的なのは、表面のレイエ模様で、見た目にも楽しませてくれます。フランス北部ではこのガレット・デ・ロワが、南部ではオレンジフラワーウォーター風味のブリオッシュで祝われる習慣があります。切り分けられたガレットの中に入っている「フェーブ」を見つけた人は、1年間の幸運を手にすることができるとされています。日本でも多くの店で1月中に楽しめるガレット・デ・ロワは、その美味しさとともに、フランスの伝統と文化を感じさせてくれる特別なスイーツです。