ココナッツミルクとは
ココナッツミルクとは
ココナッツとは、ヤシ科に属する植物・ココヤシの成熟した実で、日本でも「ヤシの実」の名で知られています。主にその硬質な種子の中に存在する胚乳から、甘みを帯びたミルキーな液体、即ちココナッツミルクが抽出されます。特に東南アジア料理でよく使われるこのミルクは、日本でも徐々に浸透しつつあり、カレーからスイーツまで、幅広い料理に活用されています。
ココナッツの活用方法
ココナッツは、実や花、そして成熟度によって様々な用途に使われることができ、その豊富な特性から多様な商品が生まれています。
まず、食品としては、ココナッツオイルやココナッツウォーター、ココナッツミルクなどが存在します。ココナッツオイルは、胚乳から圧搾あるいは溶剤抽出で取り出された原油を精製して作られます。特に、このオイルはオールラウンダーで、調理に使ったり、肌に直接塗ったりと、様々な活用法があります。
また、ココナッツウォーターも人気商品の一つ。これは若い実から採れる透明な液体で、実が成熟すると次第に消えていくという特性があります。
また、成熟したココナッツからは美味しいミルクが作られます。固形胚乳を細かく粉砕し、水と混ぜて弱火で煮込むことで作られるこのココナッツミルクは、様々な料理に使われます。
さらに、固形胚乳からはココナッツパウダーも作られます。これは粉砕されて乾燥させたもので、ココナッツミルクパウダーとは別物です。
砂糖としても活用され、ココヤシの花の蜜を煮詰めて作ったココナッツシュガーは、GI値が低く、糖質制限中でも安心して使うことができます。
また、ココナッツミルクからは独特の食感が人気の「ナタデココ」も作られます。
そして食品だけでなく、ココナッツ殻は生活雑貨にも活用されます。繊維を取り除いた上で磨き上げると、光沢ある食器や民芸品、さらにはエサ皿にも利用することができます。ココナッツの利用法は意外と多岐にわたっていて、様々な場面で活躍してくれることでしょう。この美味しくて、美容や健康、生活にも使えるバリエーション豊かなココナッツを、是非とも活用してみてください。
ココナッツミルクの栄養とは
ココナッツミルクは、その100グラム毎に約150kcalのカロリーを持つことで、カリウム、鉄、マグネシウムといったミネラル成分が豊富な理想的な飲み物となっています。その結果、健康意識が高い女性たちに広く支持されています。さらに、ココナッツミルクにはコレステロールが存在しないため、日々の飲食に取り込むだけで、健康な食事スタイルに一役買ってくれます。
中鎖脂肪酸という成分は、ココナッツやヤシ科植物の種子に含まれ、ココナッツミルクとココナッツオイルにもたっぷりと含まれています。この中鎖脂肪酸は、分子が短く、水に溶けやすい特性をもつ脂肪酸です。脂肪酸の分子が短いために、小腸から肝臓に直接入り、そこで速やかに分解されるという特性があります。その結果、他の油脂よりも大体4～５倍早く分解され、体内で迅速にエネルギー源として利用されます。さらに、中鎖脂肪酸から合成されるケトン体はアルツハイマーやパーキンソン病、さらには美容にも対する可能な効果が報告されています。
カリウムは、体の細胞内に多く存在し、ナトリウムとバランスを取りながら、浸透圧の維持や水分保持、排泄機能の調整に寄与し、むくみの改善に役立ちます。また、カリウムは腎臓でのナトリウムの再吸収を抑制し、血圧の低下に効果があります。
マグネシウムは体内カルシウムとバランスを保ち、骨や歯へのカルシウム供給を調整します。その不足は、不整脈や虚血性心疾患、動脈硬化といった病状を引き起こす可能性があります。また、その不足が長期化すると、骨粗しょう症や心疾患、糖尿病といった生活習慣病のリスクも高まることが懸念されています。
ココナッツミルクには、さらに銅と鉄も含まれています。鉄は、ヘモグロビンの成分であり、銅はヘモグロビンの生成に重要な鉄の運搬を行います。そのため、鉄と銅のどちらかが欠乏すると、貧血を引き起こす可能性があります。
薬膳の観点からも、ココナッツミルクはエネルギーと体液を補給する効能があります。水分の代謝を促し、むくみを改善するなどの効果も期待されます。また、幼児に見られる疳の虫を抑制する効果も言われています。
ココナッツミルクとココナッツウォーターの違い
ココナッツミルクとココナッツウォーターは共にココナッツ由来の液体ではありますが、間違えて認識しないようにしましょう。実は、これら二つはそれぞれ全く異なる部分から抽出されるものなのです。
ココナッツミルクは、成熟したココナッツの実から摂取されるもの。具体的には白い実肉部分をすりおろし、それを水に浸し、後で絞ることで得られる液体がココナッツミルクです。味わい深くクリーミーで、独特の甘さも特徴。調理からベーキング、スムージー作りにまで用途は広範囲にわたります。
一方、ココナッツウォーターは、まだ成熟していない若い緑色のココナッツの内部に存在する透明な液体のことを指します。その中には人間の体にとって重要な電解質が含まれており、この特性がきっかけで、健康意識が高い人々の間で、自然由来のスポーツドリンクとして人気があります。
どちらも同じココナッツから抽出されるものでも、その利用方法や味、そして栄養価は大きく異なります。ココナッツウォーターは低カロリーでナトリウムとカリウムが豊富、それに対してココナッツミルクはカロリーは高めですが、ビタミンCや鉄分もたっぷり含まれています。
このような違いを把握して、自分のライフスタイルや体調、料理の種類に合わせて、適切にココナッツウォーターとココナッツミルクを使い分けることが求められます。
まとめ
まとめとして、ココナッツミルクはその甘美な味わいで食事を一層楽しみへと昇華させ、またその栄養価の高さが美容と健康に良影響をもたらします。トロピカルな雰囲気を日常に取り入れ、日々の食生活を豊かに彩るココナッツミルク。その魅力をまだ体験していない方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。