ニッキとシナモンはどう違う?使い分け方法

スパイスの世界には、独特な香りで私たちの五感を楽しませてくれる多くの選択肢があります。その中でも、特に注目すべきはニッキとシナモンです。同じように見えるこれらのスパイスですが、実は異なる特徴と用途を持っています。この記事では、ニッキとシナモンの違いに焦点を当て、それぞれの驚きの使い分けと効能について詳しく解説します。料理や健康の面でどのように活用できるのか、ぜひご覧ください。

ニッキとシナモンの違いとは?まだ存在するの?

アップルパイやシナモンロールなどに広く利用されるシナモンは、セイロン島のニッケイの樹皮から作られるスパイスで、セイロンシナモンとも知られています。このスパイスの歴史は非常に古く、紀元前4000年頃からミイラの防腐剤に使われ、世界最古のスパイスと言われてきました。

スパイスには外樹皮が使用され、シナモンスティックは外樹皮の内側にさらに樹皮を重ねたものを丸めて乾燥させたものです。このため、製造には手間がかかり、価格も高級とされています。シナモンは洋菓子だけでなく、インド料理のガラムマサラやチャイの香りづけにも重要です。

市場の「シナモン」にはシナニッケイという近縁種も存在します。別名カシアで、中国、タイ、ベトナムなどで生産されます。セイロンシナモンとは異なり、色が赤く樹皮が肉厚なのが特徴です。シナニッケイは外樹皮をそのまま丸めて乾燥させるため、製造に手間がかからず、価格も低く抑えられます。

「ニッキ」は日本産の肉桂で、ニッキ飴や八つ橋に使われます。江戸時代にシナニッケイが伝わり、日本での栽培が始まったため、日本産の肉桂がニッキとして流通するようになりました。収穫量が少ないため、シナモンより高価です。

ニッキとシナモンの明確な差異とは?

シナモン、シナニッケイ、ニッキはいずれもクスノキ科の常緑樹であり、似た部分が多いのは納得できます。しかし、それぞれには決定的な違いも存在します。例えば、シナモンとシナニッケイは木の樹皮を乾燥して利用するのに対し、ニッキは根を使用するのが特徴です。

各成分にも大きな違いがあり、シナモンの特徴的な香りの元となるオイゲノールはセイロンのシナモンにしか含まれておらず、シナニッケイとニッキには含まれていません。

さらに、味や香りにも差があります。シナモンは甘い香りと柔らかな風味を持ち、辛味は感じられません。シナニッケイは濃厚な甘さとスパイシーな後味が特徴です。ニッキは甘い香りとともに、爽快で強い辛味を持ち合わせています。

混同しやすいスパイスとされていますが、これらはそれぞれ独自の個性を持ち、スパイスの奥深さを垣間見せてくれますね。

ニッキを使用した代表的な料理をご紹介

魅力的な香りと風味で知られるニッキ。ここではニッキを使用した代表的な食品を紹介します。

八ッ橋

ニッキを活かした最も代表的な食べ物が京都の名菓「八ツ橋」であることはよく知られています。米粉と砂糖、そして粉末状のニッキを混ぜた生地をおせんべいのように焼き上げた菓子で、ニッキ特有の甘い香りとすっきりした辛味を楽しめます。

生八ツ橋

ニッキを振りかけ、風味を引き立たせた「生八ツ橋」は、焼かないで蒸した八ツ橋の生地を使用しています。この結果、八ツ橋のカリカリとした香ばしさとは異なり、もちっとした柔らかな食感を楽しめます。

ニッキ水

「ニッキ水」とは、ニッキの香りを持つ香料などで作られるさわやかな飲料です。赤や緑、黄色に染まった見た目が印象的で、スパイシーな風味が特徴です。かつて駄菓子屋が盛んだった時代には、子供たちの夏の定番ドリンクとしてとても人気がありました。

ニッキキャンディ

シナモン好きにも一度試していただきたいのが「ニッキ飴」です。「ニッキ」が主成分となっているこの飴は、ひとつ食べるだけで口中にさわやかな風味が漂います。

シナモンニッキ