栗おはぎとは

秋の風が感じられる季節になったら食べたくなる、一つの風味豊かな和菓子があります。それは「栗おはぎ」です。日本独特の季節感を大切にする文化の中で、おはぎは春と秋の彼岸に食べられる習慣があり、特に秋には栗を用いたおはぎが広く愛されています。その甘さと食感は、ひと口食べると心まで温まるような感覚をもたらしてくれます。この記事では、そんな栗おはぎの魅力に迫りつつ、その起源や作り方などについても詳しく見ていきましょう。
栗おはぎとは
「栗おはぎ」は、秋の風情を体験できる伝統的な和菓子です。元々はお彼岸の時期に食べられるこの菓子は、甘さを増したもち米を丸く形作ったものです。そしてその特徴は、栗の豊かな風味と色合いを加えること。
栗おはぎではこの栗が、もち米のなかにまろやかに混ぜ合わされます。新たな季節を告げるこの栗は、甘さと香ばしさを持ち、黄金色の容姿からも季節感を感じさせてくれます。
もちろん、モチモチのもち米から作られるおはぎの外側や餡には、剥いてから丁寧に煮た栗が煮詰められ、これをペースト状にしたものがたっぷりとつけられます。これにより、独特な甘さが広がり、心を和ませてくれます。
「栗おはぎ」の美味しさは、栗の風味とその加工方法、そしてシンプルな構成のバランスから生まれます。この素朴な味わいは、秋の訪れを感じさせてくれるでしょう。秋の始まりを告げるこのユニークな和菓子を、ぜひご賞味ください。
「京都 くりや」の栗おはぎ
京都・堀川丸太町に位置する和菓子店「京都 くりや」では、店先に「名物 栗おはぎ」と掲げられると、通りすがりの人々が次々と立ち寄り、栗おはぎを手に秋の味覚を持ち帰ります。この栗おはぎは、初栗が出る9月10日から12月10日までの3カ月間のみの限定商品で、毎年その人気は非常に高いです。店頭に並ぶとすぐに売り切れるため、確実に手に入れるには予約が必須です。京都の栗を使ったお菓子の中でも、最も人気のある逸品として、多くの人に愛されています。

「京都 くりや」とは
「京都 くりや」は、栗の名産地として知られる丹波地方で創業し、大正年間に分家してから約100年の歴史を誇る和菓子店です。その名の通り、栗を使った和菓子に特化した専門店です。地元の常連客や食通の旅行者から高い評価を受ける「栗おはぎ」は、もともと丹波地方に伝わる地元菓子で、栗の季節になると子どもたちが「亥(い)の子のぼたもち呼んでんか、ひとつやふたつで足りません」といったわらべ歌を歌いながら、集落を回って栗のおはぎをいただくという伝統的な風習がありました。

まとめ
栗おはぎは、秋の味覚を存分に楽しめる特別なおはぎです。特に、栗をふんだんに使ったこのおはぎは、風味豊かで甘さ控えめなあんこが特徴。限定販売が多く、その期間には地域の伝統や風習とも深く結びついています。