バレンタイン 由来
バレンタインデーと言えば、チョコレートを贈り合う甘美なイベントという印象を持つことでしょう。しかしこの恋人たちの祝福の日には、ただ甘いだけではない深い歴史が秘められています。そこで今回は、バレンタインデーがどのようにして生まれ、どのようにして現在の形になったのか、その由来と歴史について掘り下げてみたいと思います。どのような慣習が絡み合い、何世紀もの間に渡り進化してきたのでしょうか。一緒にその背景を見ていきましょう。
バレンタインデーとは
バレンタインデーの意味や由来は?
バレンタインデーにはなぜチョコレートをあげるの?
バレンタインデーと一言に言っても、一般に思い浮かべる女性から男性へチョコレートを贈るという風習は、実は日本独自の文化なのです。では、その文化はどのように形成されたのでしょうか。
まず、贈り物で親しい人へ愛を示すというのは、中世のヨーロッパから存在していました。その中でも19世紀のイギリスで特に甘い菓子などが贈り物として広まったのが始まりであり、その中でも特にチョコレートが人気を博すようになりました。
その風習が日本に伝わったのは20世紀初頭ですが、日本ではこの風習が女性から男性へチョコレートを贈るという独自のものへと発展しました。起源は、1936年2月12日に神戸で外国人向けに発行された英字新聞に掲載された広告で、神戸のチョコレート会社が「バレンタインデーには愛する人にチョコレートを贈って愛を伝えましょう」と提唱したことから始まります。
その後、1960年代頃に全国的に広まり、チョコレート会社が「この日は女性から男性へ愛を告白する日」と謳い広めたことで、今日のようにバレンタインデーは一大イベントとなりました。
愛の言葉を甘いチョコレートに託す、この伝統は長い歴史を経て定着し、現在でも続いています。これからもバレンタインデーのチョコレートは、愛情を伝える一部として、また、感謝の気持ちを示すための特別な贈り物として存在し続けるでしょう。
海外のバレンタインデーは日本と違う!?
日本と海外のバレンタインデーでは、男性と女性の役割が異なります。日本では女性が男性にチョコレートを贈るという特有の文化が広まっていますが、欧米ではこれが全く逆で、男性から女性へ一般的に花やギフトを贈ります。
特にアメリカでは、バレンタインデーが男性から女性へ思いを伝える格好の機会となり、男性は女性に対してバラの花束、チョコレート、ジュエリー、ディナーなどを贈ります。この日は恋人や家族、友人だけでなく、教師や同僚へさえも感謝の心を示す特別な日とされています。
また、フランスではバレンタインデーが「恋人たちのお祭りの日」とされ、男性は女性にチョコレートやカード、そして花束などを贈る習慣があります。「あなたを愛します」という花言葉を持つ真っ赤なバラの花を贈ることが定番となっています。
イタリアでは、男性が女性に真っ赤なバラの花束を贈ることが人気で、この日にプロポーズをする男性も多いと聞きます。恋人同士や夫婦でもお互いにプレゼントを交換し、愛を誓い合います。
これに対し、日本では2月14日に女性が男性にチョコレートを贈り、そして1ヶ月後の3月14日に男性がそれに対するお返しをするという、「ホワイトデー」が存在します。この日本独自の習慣は海外には見られません。
しかし、どの国もバレンタインデーにおいて重要なのは、贈り物の内容よりも愛情を示すことです。その方法は人や文化によって様々ですが、愛する人への感謝や愛情を表現するこの日の本質は共通しています。
友チョコや自分チョコを楽しむのもおすすめ
バレンタインデーは誰かへの恋心を伝える日だけでは無く、各自が楽しむ機会でもあるのです。
会社で配布する「義理チョコ」の選び方も部分的な喜びだし、親友同士がプレゼンする「友チョコ」はセンスを披露する好機。そして、自己満足のための增設「自分チョコ」は必須アイテムですね!近年、「俺チョコ」とイチオシして自分自身に渡す男性も増えているようです。
美しい見た目のチョコレートや美味しそうなスイーツが見掛ける度にワクワクするバレンタインデーは、性別に関係なく、楽しみの形が多種多様ですね。
まとめ
バレンタインデーの起源は古代ローマの祭りにまで遡ります。キリスト教の聖人の名を冠したこの日がチョコレートを贈り合う文化と結びついたのは、19世紀のイギリスナポレオン時代。それが日本に伝わったのは戦後の昭和時代で、チョコレートメーカーの商戦が影響を大きくしていきました。バレンタインデーは愛の告白を象徴するだけではなく、時代や地域の文化が織り成す多面的な風俗を持つ、深い歴史と由来に裏打ちされた節句です。