鮮やかな色と完璧な形状で、まるで宝石のように輝くぶどう、それが「ルビー ロマン」です。石川県から発信されるこの最高級ぶどうは、その希少性と品質の高さから国内外で注目を浴びています。しかし、その実態は何なのでしょうか?何がルビー ロマンを他のぶどうと一線を画すのか?その魅力に迫ることで、極上の果実が生み出す贅沢な世界を一緒に探求してみましょう。ルビー ロマンの持つ真の価値を知れば、きっと味わってみたくなることでしょう。
ルビー ロマンとは
石川県が誇る日本の最高級ぶどう、ルビーロマンをご紹介します。
その鮮やかな赤色は、まるで宝石のような輝きを放ちます。
サイズは一般的な巨峰の約2倍にも及びます。
2021年の初競りでは、驚異の140万円という最高額を記録しました。
仮にその房に25粒のぶどうが含まれていたとすると、
1粒あたりの価格は何と・・・
56,000円! 信じられない金額です。
初競り価格は特別なものですが、
通常でも一房1万円を優に超える価格がつきます。
これこそが、日本が誇る最高級ぶどう「ルビーロマン」の真価なのです。
ルビー ロマンの魅力
石川県独自の品種である「ルビー ロマン」は、藤稔の自然交雑から選ばれて育てられました。
このぶどうは大粒で知られ、一粒の重さが20gを超えることもあります。甘みが強く、糖度は18~20度に達し、香り豊かで酸味は抑えられ、果汁が多いのが特徴です。
ルビー ロマンは石川県限定で栽培されており、生産量が限られているため、その美しい外見と優れた食味も相まって高価格に設定されています。主にデパートや高級フルーツショップで取引されています。
品質を守るため、ルビー ロマンは粒の大きさ、色合い、糖度など厳格な基準があり、それを満たさないものは出荷されません。しかし、基準を満たさないものも「規格外」として農園などで販売されることがあります。
ルビー ロマンの選び方と見分け方
ルビー ロマンは、出荷時に糖度や色、サイズが厳しく確認され、品質がしっかりと保証されています。ブランド認定のものであれば、どれを選んでも安心できるでしょう。ただし、価格はお手頃とは言えないため、入荷日など気になることがあれば、お店の方に問い合わせてみると良いでしょう。
ルビー ロマンの保管方法
ルビーロマンの保存方法には、いくつかの選択肢があります。最も簡単な方法は、ラップや新聞紙で丁寧に包むか、清潔なポリ袋に入れることです。そして、涼しい冷暗所や冷蔵庫の野菜室で保管しましょう。このぶどうは新鮮さが命ですので、できるだけ早めに味わうのがおすすめです。
短期保存なら、2~3日程度は房のまま冷蔵庫で保存可能です。しかし、より長く楽しみたい場合は、個別保存がお勧めです。各粒を軸を少し残してハサミでカットし、保存用袋に入れて冷蔵します。この方法で、ルビーロマンの美味しさをより長く保つことができるでしょう。
ルビーロマンの楽しみ方
ルビー ロマンは、皮がむきやすく食べやすいぶどうです。栽培法により種があるものとないものがあります。種がある場合は、粒を半分に切り種を除くと簡単に食べられます。
ルビー ロマンが市場に登場する季節
ルビー ロマンが市場に豊富に出回るのは8月中旬から9月にかけてです。
ルビー ロマンの主要な産地
ルビー ロマンは石川県で育てられています。栽培面積はおよそ10.8ヘクタールです。
出典:農林水産省統計
ルビー ロマンの厳格な基準
・糖度18度以上
・一粒の重さ20グラム以上
・厳格なカラー基準を満たす色合い
これらの条件をすべてクリアしたぶどうだけが、「ルビーロマン」の名を冠することができます。
高級フルーツとしての地位を保つため、その基準は非常に厳しいものとなっています。
集荷場に持ち込まれた赤く大きなぶどうは、「ルビーロマン倶楽部」所属のJA検査員によって、一房ずつ上記の基準に基づいて厳密に審査されます。
全ての条件を満たした房にのみ、「ルビーロマン」としての証明が与えられます。具体的には、認証シール、検査員名入りの「認証タグ」、そして産地と生産者を明記した「生産者シール」が一つずつ添付されます。
この厳格な過程を経て初めて、大粒で鮮やかな赤いぶどうは「ルビーロマン」として世に送り出されるのです。
ルビー ロマンの基準とランク
「等級」は以下の5種類に分類されています。
・秀・・・房型が良好で、粒の重さが約20g以上
・秀G・・・房型が良く、粒の重さが約30g以上
・特秀・・・房量と粒の揃いが優れ、粒の重さが約20g以上
・特秀G・・・房量と粒の揃いが優れ、粒の重さが約30g以上
・プレミアム・・・外観品質が優れ、粒の重さはすべて30g以上で一房が700g以上
「重さ」においては、500g未満のものは専用トレーに、500g以上は専用化粧箱に入れられて販売されます。
「500g・秀」「800g・特秀」「1000g・秀G」などといった形で、「重さ」や「等級」に基づいて分類され、それぞれの価値に応じた価格で提供されます。
時代が求めた、大粒のルビー ロマン
「石川県独自の、鮮やかな赤色で大粒の高級ぶどうを生み出したい」
この熱い想いから誕生したのが、「ルビーロマン」です。
石川県では、巨峰、ピオーネ、デラウェア、シャインマスカットなど、多彩なぶどう品種が栽培されています。しかし、ルビーロマンが登場するまでは、小粒のデラウェアが主力でした。
時代とともに、消費者の嗜好は高級感のある大粒ぶどうへと移行。そんな中、石川県独自の赤くて大きな高級ぶどうを開発しようという機運が高まっていったのです。
ルビー ロマンの祖、登場!
物語は1997年(平成9年)頃に始まりました。
種を蒔いてから約2年。
若木たちが初めて実をつける時期を迎えました。
そして驚くべきことに、400本の苗木のうち、わずか4本だけが赤い実を付けたのです。
2002年(平成14年)。
味覚、色彩、房と粒の大きさ、栽培の容易さなど、様々な角度から綿密な調査が重ねられました。そして遂に、赤い実をつける1本の木が選抜されたのです。
これこそが、ルビーロマンの先祖となる運命の1本でした。
400粒の種を蒔いてから、7年の歳月をかけて到達した偉大な一歩だったのです。
ルビー ロマンに含まれる豊富な「香り」成分に関する科学的根拠
ルビーロマンの魅力的な香りには、科学的な裏付けがあります。
2015年、石川県農林総合研究センター農業試験場の研究により、ルビーロマンの香りを構成する成分が他品種と比較して著しく多様であることが明らかになりました。
この研究では、ルビーロマン、巨峰、デラウェア、シャインマスカットの4品種の香りを比較分析しました。
驚くべきことに、房から発せられる揮発性成分の種類数は、ルビーロマンが16種類と最多。対して巨峰が10種類、デラウェアが6種類、シャインマスカットが4種類でした。
さらに注目すべきは、ルビーロマンで確認された16種類のうち、12種類が「甘い」「フルーティー」という特徴を持つ成分だったことです。
果肉のみの香り成分分析でも、比較対象となった5品種中、ルビーロマンが最多の成分数を誇りました。
また、「エステル類」と呼ばれる香り成分において、巨峰と比較すると、7つのうち6つの成分でルビーロマンの方が高濃度であることが判明しました。
これらの科学的な検証により、ルビーロマンの独特な香りの特徴が実証されたのです。
※出典:石川県農業総合研究センター研究報告31「ブドウ'ルビーロマン'の糖、有機酸および揮発性成分の分析」
結論
石川県が誇る高級ぶどう「ルビー ロマン」は、真っ赤で大きく、甘さとジューシーさが特徴です。
様々な困難を経て成長を続けてきたルビー ロマンは、初競りでは一房100万円を越えることもあり、通常でも1万円以上で取引されます。特に夏のギフトや贈答品として人気があります。
加工品や飲食店でのパフェなど、楽しみ方が多様化しています。
非常に繊細で扱いが難しいため、贈る際は専門家に任せると安心です。