パッションフルーツの魅力と健康効果を徹底解説

熱帯地域で育まれ、そのエキゾチックな味わいが多くの人々を魅了しているパッションフルーツ。この神秘的な果実は、ただ美味しいだけでなく、私たちの健康に多くのメリットを提供します。ビタミン、ミネラル、抗酸化物質が豊富に含まれており、その効果は美容や免疫力向上にまで広がります。ここでは、パッションフルーツの魅力や具体的な健康効果について徹底的に解説していきます。果たして、この果実がどのように私たちの日常生活にプラスの影響を与えるのでしょうか?

パッションフルーツの概要

パッションフルーツは、世界中に600種以上存在するPassiflora(パッシフローラ)の中で、果物を実らせる数十種類を指します。その美しい花の形から、和名を「クダモノ時計草」と呼ばれています。

品種によって酸味、甘み、香りが異なり、中南米(熱帯地域など)の原産地では、土地に適した品種が栽培されています。国内では鹿児島、小笠原、沖縄などで主に栽培されており、環境を整えれば他地域でも栽培が可能です。近年、ゴーヤに代わる緑のカーテン(グリーンカーテン)として、家庭で栽培する人が増えています。

パッションフルーツは豊富な栄養素で知られており、皮や種についても医学的研究が進められています。

また、花粉を混ぜることで交雑種ができやすい特徴もあります。

旬の時期

一年中入手可能ですが、国産品の収穫は早いもので2月頃から始まり、最盛期は6〜8月です。

主要産地

温暖な地域として、鹿児島や沖縄を中心に、東京の小笠原や千葉の館山などで作られています。

種類

パッションフルーツには紫色種や黄色種の他にも、海外では丸い形や細長い形など多種多様な品種があります。

パッションフルーツの味わいとは?

パッションフルーツは甘酸っぱく南国らしいトロピカルな味がします。マンゴーやパインとは異なり芳醇で華やかな香りです。追熟によって酸味が抜けて甘さが増します。年に2回、夏と冬に収穫されますが、夏果は酸味が控えめで甘みが強く、冬果は酸味が強くなります。収穫時期によって甘みと酸味のバランスが異なります。ハワイではパッションフルーツを「リリコイ」と呼び、リリコイパンケーキのソースとして利用されることもあります。

パッションフルーツの栄養価と効果

β-カロテンパッションフルーツにはβ-カロテンが豊富に含まれており、100g当たり1100μgとフルーツの中ではトップクラスの量を誇ります。β-カロテンは体内でビタミンAに変換され、皮膚や粘膜を健康に保ち、免疫力を高めて風邪予防などの効果が期待できます。

カリウムカリウムには体内の塩分濃度を調整し、余分な塩分を排出する働きがあります。利尿作用があり、むくみ解消や高血圧予防にも有効とされています。

ビタミンCビタミンCには強い抗酸化作用があり、ガンや脳卒中、心筋梗塞などの生活習慣病を予防する働きがあります。さらにハリのある肌へ導くコラーゲンの生成を促し、シミの原因となるメラニンの生成を抑えるなど、美肌づくりに欠かせない栄養素です。

ビタミンB6・葉酸アミノ酸の合成と代謝に重要な役割を持つビタミンB6は、脂質の代謝や貧血、肌荒れ予防をサポートします。また、同じビタミンB群の一つである葉酸は胎児の健全な発育や貧血、認知症の予防に不可欠です。パッションフルーツには女性に欠かせない栄養素が多く含まれています。

パッションフルーツの美味しい楽しみ方

そのままでもおいしいパッションフルーツですが、さまざまな食べ方で楽しむことができます。

生食する場合、上から7ミリ位の部分を包丁でカットすると果汁がこぼれにくくなります。スプーンでかき混ぜ、果肉をタネごといただきましょう。外皮は硬くて食べられませんが、器として使うこともできます。

パッションフルーツソースは、そのままヨーグルトやアイスにかけたり、ドレッシングに使ったりと活用方法はさまざまです。また、果肉と砂糖を弱火で煮詰めればジャムとしても楽しめます。パッションフルーツジュースは炭酸水やサワーで割って飲み物としても楽しめます。甘さが欲しい時はハチミツや砂糖を入れて調整します。タネが気になる場合はザルで裏ごししてピューレを使い、スムージーならミキサーでタネを粉砕できます。

パッションフルーツゼリーを作るのもおすすめです。ゼラチンパウダー1袋、水100ml、砂糖大さじ2を耐熱の器に入れ電子レンジ(500W)で1分加熱します。そこにパッションフルーツ2個分(100g)の果肉をタネごと加えよくかき混ぜます。皮のカップに注ぎ冷蔵庫で冷やし固めれば完成です。パッションフルーツは半分に切って果肉を取り出した後、カップに残った薄皮を取り除き、底になる部分は1円玉位の大きさで薄くカットして底が平らになるようにします。

・全体的に均等に色が付いている

・ツヤとハリがある

・果皮にシワが入っていて熟しているもの

パッションフルーツの保管法

シワのないパッションフルーツは甘酸っぱくておいしいですが、常温(20〜30℃がベスト)で追熟させるとフルーティーな香りが漂い酸味がやわらぎます。追熟させたものを保存する時や、追熟前の状態で食べたい時は密封袋に入れて野菜室で保存します。そのまま冷凍保存することも可能です。食べる時は少し解凍してから包丁でカットし、スプーンですくって食べます。シャーベット状で食べるのもおいしくてオススメです。

パッションフルーツの育成・栽培法

苗の植え付けは4月頃で、グリーンカーテンに使う場合は夏に間に合うよう大きく育った苗を選びます。苗植えの方法としては、鉢やプランターを使う場合と地植えがあります。鉢やプランターの場合、根張りの良い植物なのでできるだけ大きな容器を選びます。地植えの場合、日当たりや水はけがよく、強風が吹きつけない場所を選びます。比較的耐寒性のある紫色の品種でも霜に当たると葉が枯れてしまうため、遅霜の心配がなくなってから植え付けを行います。

植栽

パッションフルーツは乾燥に弱い植物なので、たっぷりと水を与えます。鉢栽培の場合、鉢底から水が流れ出るくらいしっかりと、地植えの場合でも真夏の乾燥時期には1日2回水やりをするなど、水切れしないよう注意が必要です。

水の供給

植え付け時に堆肥とバランスの良い緩効性肥料をたっぷり与えます。株が充実したら窒素肥料を控え、花と実のためにリン酸肥料を施します。

肥料

病害虫は少ないですが、新芽にアブラムシがつきます。風通しが悪いとカイガラムシが発生することがあるため、見つけたらすぐに除去し、風通しを良くするように仕立て直しましょう。

病気と害虫

剪定の一種で、新芽を取り除く作業です。つるの先端をカットすることにより、わき芽を増やし、つるを繁茂させます。

先端を摘む作業

伸びすぎたつるや主枝を剪定します。これは成長を促進し、実が多く付くようにするためです。本格的な剪定は、果実の収穫後、冬越しの準備として行います。

剪定作業

つるの誘引を行います。鉢植えの場合は支柱を使った行灯(あんどん)仕立てにし、グリーンカーテンならネットに誘引します。はじめは横方向に誘引し、つるをビニールひもでネットに固定します。これにより風などで揺れずに成長します。主幹が1~1.5メートル程に成長したら上方向へ向きを変えます。その後は自然に伸びていきます。

動機付け

人工授粉をすると開花後に結実しやすくなります。5月ごろから花が咲き始め、2カ月ほど開花が続きます。パッションフルーツの花は一日花なので、その日に咲いて枯れてしまいます。見つけたその日に受粉を完了させます。受粉が成功すると数日でめしべの中心が膨らみます。順調に育てば受粉から3カ月ほどで収穫できます。

ジュースやソースで知っていても、実際に果実を食べたことがある人は意外と少ないパッションフルーツ。手軽に食べられ、さまざまな食べ方が楽しめる南国のフルーツです。栄養がたっぷり詰まったパッションフルーツは、美容と健康維持の強い味方です。保存方法も工夫して、おいしく取り入れましょう。

受粉

全体的によく着色し、手に持ったときに重さを感じる果実を選びましょう。小さく軽く、果皮の色が薄いものは食味が劣っています。

パッションフルーツ