南高梅の魅力と楽しみ方

梅の季節が到来し、あちこちで南高梅の香りが漂い始めました。南高梅は日本を代表する伝統的な梅干しで、長い歴史と確かな味が魅力です。鹿児島県南さつま市で育まれた、この上品な風味と程よい酸味は、多くの人々を虜にしてきました。南高梅の魅力は、単なる食品を超えた文化的価値を持つところにあります。梅の実を丁寧に漬け込む作業には、地元の人々の情熱と誇りが込められています。この記事では、南高梅の魅力的な世界を存分に味わいながら、その楽しみ方を一緒に探求していきましょう。

南高梅の魅力と基礎知識を徹底解説!名前の由来から特徴まで

日本を代表する梅の産地、紀州が誇る最高級ブランド「南高梅」。その美味しさと健康効果は全国的に認知されています。この記事では、南高梅の特長や恵まれた効能、そして絶品の味わいの秘密をお伝えします。

上質な梅酒の代名詞、南高梅の魅力に迫る

南高梅は、梅の品種の中でも最高級とされる白梅です。和歌山県が主な生産地で、「なんこううめ」あるいは「なんこうばい」と呼ばれ、全国的に知られています。

2006年10月27日、南高梅は地域団体商標制度の第一弾として認定を受けました。地域ブランドとして、地域経済の活性化に大きく貢献しています。

南高校区で育まれた梅の伝統

南高梅の歴史は古く、江戸時代初期にさかのぼります。当時、南高梅は「藪梅」と呼ばれていました。藪梅は果実が小さく果肉が薄いものの、生命力が強いという特徴がありました。

痩せた土地や斜面でも育つという性質から、紀伊田辺藩では藪梅の生産が奨励されていました。明治時代に入ると、上南部村長の長男である高田貞楠が大きな実をつける梅の木を育てることに成功しました。

この出来事がきっかけとなり、南高梅の増殖が進み、現代に至っています。

梅の優れた健康効果とは?

梅は健康に様々な恩恵をもたらす食材です。

梅には、悪玉菌の増殖を抑制し腸内環境を整えるエポキシリオニレシノールが含まれています。

クエン酸が疲労の原因となる乳酸を排出し、疲れや肩こりを解消する効果があります。

また、梅ポリフェノールには新型コロナウイルス阻害作用があると報告されています。(2022年3月、紀州田辺うめ振興協議会発表)

血管収縮ホルモンに作用し、動脈硬化を予防する働きがあります。

その結果、動脈硬化による血圧上昇のリスクが軽減されます。

さらに、クエン酸はカルシウムの吸収を促進します。

加熱することで生成されるムメフラールは血流改善効果をもたらします。

和歌山の恵まれた気候環境が育む梅の上質な味わい

和歌山県の南部地域は、黒潮流の影響により、一年を通して温暖な気候に恵まれています。降水量も豊富で、日照時間も長く、梅の栽培に適した環境条件が揃っています。

江戸時代、当時の領主である安藤直次が荒地での梅栽培を奨励したこともあり、この地域は歴史的にも梅の名産地として知られるようになりました。

果実が完全に熟した後、自然に落ちるのを待つ収穫方法

南高梅は自然にとれるくらいに完全に熟すまで待ち、甘さを最大限に引き出します。

熟した梅はフルーツのようなフレッシュな甘い香りと、鮮やかな黄色が特徴です。収穫後は1ヶ月以上塩漬けし、旨味を凝縮させます。

ジューシーで食べ応え抜群のフルーティな風味

栽培されている南高梅は、大きくて上質な品種で、平均的な重さは22gから35gです。大きな実ほど等級が高く、上等品として扱われます。

梅と同じバラ科のすもも亜属には、すももやあんずが含まれています。これらの果物は華やかでフルーティーな香りが特徴的で、南高梅は大粒でありながらも食べやすい味わいとなっています。

南高梅の名産地

和歌山県は、梅の生産量が全国1位であり、その割合は約65%に達しています。2位以下との差は大きく、梅生産における優勝県と言えます。

梅の結果樹の面積は4880haで、和歌山県全体の面積の約1.05%を占めています。しかし、主な栽培地はみなべ町や田辺市などの紀中・紀南地域に集中しているため、その地域に限れば結果樹の割合はさらに高くなるでしょう。

和歌山県が梅栽培に適している理由は、黒潮の影響による温暖な気候、日照時間の長さと雨量の多さ、カルシウム分の豊富な土壌などが挙げられます。

※近畿農政局ホームページ「統計情報」R4.11月公表データより

 

南高梅の美味しい季節はいつ?

旬の意味は「食べごろ」と連想されがちですが、梅の実は青梅の状態では食用にはなりません。そのため、梅の旬とは収穫時期を指します。

南高梅の収穫は6月上旬から始まります。梅農家の人々は、木に残る青梅から収穫を開始し、その後、完熟して地面に落下した実の収穫を行います。この1ヶ月間、梅林が広がる斜面に毎日通い、懸命に収穫作業に従事します。

石神邑では、やや早めの5月下旬から6月一杯が収穫期間となり、普段は別の職業に従事するスタッフまでが総出で収穫に加わります。険しい梅林を行き来するため、収穫が終われば体型がスリムになっているそうです。

「梅雨」の語源が示すとおり、梅と梅雨には深い関係があります。その年の梅雨の降雨量が、実の状態、大きさ、病害虫の発生に影響を与えるためです。したがって、梅農家にとって雨模様は重要な関心事です。

 

南高梅:ご当地の味わい豊かな梅干し

南高梅について触れましたが、いかがでしたでしょうか。

私たちが手掛ける一粒一粒の梅干しには、長い歴史と伝統がこめられています。その事実を思うと、不思議な気持ちになります。

先人たちは、厳しい環境でも梅の木と共に懸命に生きてきました。そんな努力に対し、改めて感謝の気持ちが湧いてきます。

シェイクスピアは言いました。「運命は星ではなく、我々の思いが決める」と。

まさにその通りです。自然や時代の変化に合わせ、南高梅の魅力を後世に伝えるため、試行錯誤を重ねながら、強い思いを燃やし続けなければなりません。

少し堅苦しい結びになりましたが、自慢の南高梅を使った紀州梅干しは様々な味をご用意しております。この文章と合わせて、ぜひご賞味ください。

南高梅