日本国内における柚子の主要な産地は高知県、徳島県、愛媛県で、特に高知県は国内生産の約半数を占める主要な生産地です。高知県では柚子を使った加工品も多く、柚子胡椒や柚子マーマレード、柚子酢といった商品が生産されています。また、柚子のブランド品種「本柚子」は「柚子の王様」としても知られ、強い酸味と香り高さが特徴で、冬の風物詩である柚子湯や料理の香りづけに多く用いられます。

ほかの品種としては、果汁が多く種が少ない「多田錦（たたにしき）」があります。この品種はジュースやマーマレードなどに加工されることが多く、使いやすい特徴から家庭でも人気です。また、コンパクトな樹形でプランター栽培も可能な「花柚子」という品種もあり、家庭でも気軽に栽培できるのが魅力です。

柚子の使い方も季節によって変わります。夏の青玉柚子は、香りを活かした薬味として料理に添えられます。高知県では特に、柚子の皮をすりおろして刺身や焼き魚の風味づけに用いたり、柚子胡椒として加工され、餃子や焼き肉と合わせたりします。また、青玉の果汁を絞り炭酸水で割ると、さわやかな柚子スカッシュとなり、暑い夏にぴったりの飲み物になります。

冬に収穫される熟した黄色い柚子は、香り豊かで風味が一層深まっています。冬には柚子の皮を使った柚子茶が冷えた体を温めてくれるほか、刻んだ皮を煮物やお鍋に加えると独特の風味が料理に広がります。

柚子の季節は、冬の風物詩として毎年心待ちにされる季節です。その色と香り、そして味は冬の寒さを和らげ、生活を一層楽しくします。鮮やかな柚子の季節の到来は、美しさと温かさ、そして美味しさを伝え、この時期の特別な存在感を際立たせます。厳しい寒さの中でも、日本の冬を彩り、生活に彩りを添えてくれる柚子の魅力を是非とも堪能してみてください。