ワインとチョコレート、と聞いて多くの人が驚くかもしれません。しかし、この二つが組み合わさったとき、驚くべき味のハーモニーが生まれます。歴史的に別々の道を歩んできたワインとチョコレートですが、近年そのペアリングの可能性が注目されています。味覚の冒険者たちにとって、このマリアージュは絶妙な楽しみを提供するものです。この記事では、そんなワインとチョコレートの組み合わせが持つ秘密と、その楽しみ方についてご紹介します。
専門家が真剣に取り組んだ！チョコレートとワインの最高の組み合わせ
『プリティ・ウーマン』で取り上げられた「シャンパンとイチゴ」は、多くの女性が憧れる瞬間を象徴しています。一方で、「ワインとチョコレート」もまた、視覚的な美しさと味わいの調和が人気の高い組み合わせです。
特にバレンタインの時期になると、ワイン専門店やチョコレート店が提案するペアリングで、恋人たちのロマンチックなひとときを彩ります。
今回、ワインとチョコレートのベストな組み合わせについて専門家の視点から深く探求しました。
ワインとチョコレートの絶妙な組み合わせ
まず気になるのは、ワインとチョコレートの組み合わせがうまくいくのかどうか、という点でしょう。この問いに対する答えは明確には言い切れません。なぜなら、ワインとチョコレートには非常に多くのバリエーションが存在するためです。
個人的な意見としては、“辛口”ワインとチョコレートの相性は一般的には良くないと思われます。もちろん、素晴らしいマッチングも存在しますが、適当に選んだワインとチョコレートがぴったり合うことは稀です。
ワインが酸っぱかったり、苦くて美味しくなかったりといった経験をお持ちの方もいるかもしれません。
モカやナッツ、チョコレート、さらにレーズンや乾燥イチジクなど。これらは、ワインのテイスティングコメントでもよく見られる表現で、チョコレートにもよく似た風味があります。
ワインと共通する風味を持つ食品は、相性が良いことが多いですが、辛口ワインとチョコレートがうまくいかない理由は何でしょうか。
主な理由は以下の三点です。
①甘みと酸味
特にチョコレートの場合、強烈な甘さを味わった後、人間の味覚は甘さに慣れてしまい、代わりに酸味や苦味を鮮明に感じるようになります。
そのため、チョコレートの濃厚な甘さは、ワインの持つ甘み（果実の風味）を覆い隠し、酸味が前面に出てしまい、まるで淡泊なレモン水のように感じてしまいます。
渋さと苦さ
チョコレートには、ワイン同様にポリフェノールが豊富に含まれています。この成分はチョコレートの苦味や赤ワインの渋味の要因となっています。
ポリフェノールの微細な違いにより、味覚としての苦味や渋味は異なる印象を与えますが、チョコレートの苦味がワインの渋味を際立たせることで、その余韻を短くすることがあります。
③重厚感
チョコレートにはカカオバターと呼ばれる油分がいくつか含まれています。この成分がもたらすなめらかな風味が特徴ですが、一方で繊細なワインとの調和を取るのが難しい要因でもあります。
つまり、香りの面ではワインとチョコレートは完璧に響き合うものの、味覚の面ではうまくいかないことがあるということです。この二つを上手に合わせるには工夫が必要です。
ここでは、プロがセレクトしたチョコレートの種類に合わせたおすすめのワインをご紹介します。
チョコレートと相性抜群のワインの選び方
チョコレートとワインの組み合わせを考える前に、まず距離を縮めるための簡単な方法をご紹介します。
それは「甘口ワイン」の選択です。甘口ワインを選ぶと、甘味や口当たりのバランスがとれ、ワインが酸味や苦味だけになることを防げます。
特におすすめなのがポートワインです。どんなチョコレートにもよく合い、万能な存在です。中でも、重厚でパワフルなポート・レイト・ボトルド・ヴィンテージが最適です。
ポートレイト・ボトルド・ヴィンテージ[ギフトボックス入り]
ポルトガル屈指のワインメーカーが、特別な年にのみ生産する絶品ポートワイン。美しい色合いとともに、滑らかな飲み心地とリッチな風味を持ち合わせた一品です。
4.6
2017年
4, 620円
（税込）
しかし、甘口ワインをボトル1本飲むのは苦手という方も少なくありません。そのため、今回はできるだけ控えめな甘さのワインを選んでみました。
ミルクチョコレートについて
ミルクチョコレートにぴったりなワインといえば、イタリア産のモスカートです。
甘さが引き立つ組み合わせをお求めの方には最適で、この爽やかな甘口ワインがミルクチョコの風味を一層豊かにします。
ミルクチョコレートの甘さと寄り添うようなモスカートは、酸味が控えめでバランスが取れ、結果としてチョコの甘さをより引き立てる味わい深い体験を提供します。
ダークチョコではカカオの強さが目立ち、ホワイトチョコではマスカットの風味が勝ってしまうため、この組み合わせはまさに完璧です。
モスカート・ダスティ
白
アロマとピュアさを兼ね備えた風味
100年の伝統を誇るセッラルンガの名家が手がけた逸品。モスカート種を用いたフルーティーな優しい甘みが魅力の上品な甘口ワインです。詳細をご覧ください
4.4
2023年
3,080円
2,156円
（税込）
ダークチョコレート
ダークチョコレートには、ジンファンデルがよく合います。その理由は、ダークチョコの控えめな甘さが辛口ワインを引き立てるからです。
カカオの豊かな香りが特徴のダークチョコは、赤ワインとの相性が抜群です。しかし、苦味と重量感が問題になることがあります。
ここでカリフォルニアのジンファンデルがその課題を解決します。ジンファンデルは薄い果皮を持ち、渋味が少なく、フルボディで適度な酸味を持っているため、ダークチョコにぴったりな赤ワインです。
また、ややしっかりとしたボディを持つアマローネなどのイタリアワインも、ダークチョコとの相性が非常に良いと言えるでしょう。
ヴィントナーズ・リザーヴ ジンファンデル
レッド
エレガント&グラマラス
多くのシリーズを展開するカリフォルニア有数のワイナリーの一押しコレクション。カリフォルニアの象徴的な品種から作られる、濃厚で心地よい甘さを持つ味わい。詳細はこちら
評価: 4.2
発売年: 2022年
価格: 4,290円
セール価格: 3,003円
（税込み価格）
ホワイトチョコレートの魅力
ホワイトチョコレートのクリーミーな甘さには、スペイン産の赤ワインがよく合います！
ホワイトチョコレートは、特に相性の良さを引き出すチョコレートとして知られています。
その理由は、ホワイトチョコが苦味を持たないため、赤ワインの豊かな風味を和らげるからです。
おすすめなのは、スペインのテンプラニーリョを使ったワインです。これらのワインは、バターのようなまろやかさが特徴で、ホワイトチョコレートとの調和が抜群です。
特に、伝統的なアメリカンオーク樽で熟成したワインはミルキーな香りが際立つので最適です。また、暖かい地域の若いヴィンテージも試してみる価値があります。
甘口のワインを好む方には、若いボルドーの貴腐ワインもおすすめです。
総括
チョコレートとワインを組み合わせる際には、意外な難しさを感じることもありますが、これはワインを楽しむ新たなアプローチの一つです。選んだワインが予想外の組み合わせだったとしても、自分で選ぶ喜びはきっと素晴らしい思い出となるでしょう。大切な人と一緒にワインを選ぶプロセスも、また楽しいひとときです。
しかし失敗したくない気持ちが強いなら、「ワインとチョコレートがマッチしにくい理由」を思い出し、慎重に選ぶことが大切です。数多くの種類があるチョコレートとワインの中から、驚くほど絶妙な組み合わせが見つかる可能性も秘められています。