ワイルドストロベリーは、一般的なイチゴよりも小粒ですが、より強い香りと酸味が特徴的な野生種です。林床や草地の日陰に自生し、春から初夏にかけて小さな白い花を咲かせ、真っ赤な実をつけます。旬は5月から6月ごろで、採れたての味が最も良いとされています。

古くから食用とされ、ジャムやお菓子の材料にも加工されています。ヨーロッパではワインの原料にもなっている伝統があります。ビタミンCやポリフェノールを豊富に含み、強い抗酸化作用があると言われています。世界各地に自生していますが、日本国内を含め、乱獲や開発によって減少傾向にあります。

ワイルドストロベリーは、花壇やコンテナはもちろん、グラウンドカバープランツとしても活用できるかわいらしい草姿が特徴です。原産地はヨーロッパやアジアですが、北米などにも広く帰化しています。日本には明治時代に導入され、北海道でエゾヘビイチゴ(エゾノヘビイチゴ)として野生化しているほか、エゾノクサイチゴやシロバナヘビイチゴ(シロバナノヘビイチゴ)といった近縁種が自生しています。果実の形や色に変異があり、赤い実のほか白や黄色の品種もありますが、多くは単に「ワイルドストロベリー」と呼ばれています。

ワイルドストロベリーは小ぶりながらも芳醇な香りと甘酸っぱい味わいが魅力の野生種のイチゴです。近年、その独特の風味から人気が高まり、家庭菜園でも栽培される機会が増えてきました。

ワイルドストロベリーは日当たりが良く、風通しと水はけのよい場所で育てることが重要です。日陰やじめじめした場所ではうまく育ちません。一般的な草花培養土やハーブの土が適しており、お庭の場合は腐葉土を加えて水はけをよくしましょう。酸性土壌の場合は事前に苦土石灰を施すとよいでしょう。

水やりは土が乾いたらたっぷりと行います。真夏は朝方か夕方以降に行い、高温による根の傷みを防ぎます。庭植えの場合は日照りや乾燥が続く時にたっぷりと水を与えましょう。肥料は春秋の生育期に月1回程度の緩効性肥料を施しますが、過剰は避けます。庭植えの場合は無肥料でも育ちます。ベランダ菜園では有機肥料は避けた方が虫がつきにくくなります。

密植や風通しの悪い場所ではウドンコ病になりやすいので、適度な間隔を空けましょう。乾燥しすぎるとハダニが発生する可能性もあります。鳥よけのネットを設置するなどの対策も必要です。このようにして適切な環境を整えれば、ワイルドストロベリーの上品な甘酸っぱさを楽しめるはずです。

ワイルドストロベリーは、身近な環境に自生しながらも、実と葉の両方を活用できる魅力的な植物です。収穫時期が春から初夏にかけてと長く、そのコスパの良さが際立ちます。

ツヤツヤと赤く実った果実は、5月から7月が収穫適期。生で食べるだけでなく、ジャムやシロップ、お菓子作りにも重宝されます。ビタミンCやポリフェノールが豊富な栄養価の高さも、魅力の一つです。

一方で、若葉にも収れん作用や利尿作用があると考えられ、茶がらの代用としても親しまれてきました。むくみ解消に一役買うかもしれません。ただし、妊婦や肝臓・腎臓疾患の方は、医師に相談することをおすすめします。

このように、ワイルドストロベリーは実と葉の両方を賢く活用できる植物なのです。街中の空き地からハイキングコースまで、様々な場所で出会えるでしょう。ぜひ収穫を楽しみ、その恵みを存分に味わってみてはいかがでしょうか。

ワイルドストロベリーは、デリケートな甘酸っぱい味わいと鮮やかな色合いに加え、ビタミンCやカリウム、食物繊維など栄養素を豊富に含む健康食品です。森林浴を兼ねて、春から夏の時期に身近な自然の中でワイルドストロベリーを探し求めるのも素晴らしい体験となるでしょう。都会の喧騒を離れ、小さな実の魅力に触れることで、心身ともにリフレッシュできるはずです。

ヘビイチゴ