もち麦は、そのもっちりとした食感と豊富な栄養価から、近年注目を集めている食材です。特に、健康志向の高まりとともに、スーパーフードとしての地位を確立しつつあります。食物繊維が豊富で、消化を助け腸内環境を整える働きを持つばかりでなく、コレステロールを低下させる効果も期待されています。本記事では、もち麦の健康効果に焦点を当て、その効果的な取り入れ方について詳しく解説します。食生活にもち麦を取り入れて、健康的なライフスタイルを実現しましょう。
なぜ今「もち麦」に関心が集まっているのか?
もち麦は多くの大麦の中で特に注目されている存在です。では、その魅力とは一体何でしょうか? まず、もち麦以外の大麦の種類や特徴に目を向け、その中でのもち麦の優れた点を見つけてみましょう。
もち麦を選ぶべき理由とは?
もち麦は、他の大麦にない特有のモチモチ感が魅力です。この食感の秘密は、デンプンであるグルコースの構造にあります。アミロペクチンが主成分のもち麦は、炊くと粘りがしやすいのが特徴です。
さらに、もち麦の栄養価も注目です。特に食物繊維の豊富さは際立っており、通常の押麦では食物繊維が可食部100gあたり9.6g(うち水溶性食物繊維が6.0g、不溶性が3.6g)ですが、もち麦では12.9g(うち水溶性9.0g、不溶性3.9g)含まれています。
ちなみに、お米の食物繊維は0.5g、食物繊維が多いとされるゴボウでも5.7gです。このため、もち麦の食物繊維含有量が非常に高いことがわかります。
もち麦は健康に嬉しい「大麦β–グルカン」がたっぷり含まれている
もち麦に多く含まれる食物繊維のひとつである「大麦β–グルカン」は、水溶性食物繊維として以下のような健康効果が期待され、注目されています。
1.炭水化物の吸収を抑制する
食品に含まれる糖質は体内で消化されブドウ糖となり、血流に取り込まれることで血糖値が上昇します。したがって、糖質の吸収を抑えることが血糖値の急激な上昇を防ぐことになります。大麦に含まれるβ–グルカンは水を吸収してゲル化する特性があり、胃の中で食物を包み込み消化のペースを緩やかにすることで糖質の吸収を抑制します。
2.コレステロールを抑える方法
大麦β–グルカンは、血中の総コレステロールや悪玉(LDL)コレステロールを低下させるだけでなく、コレステロール値を健全に保つ役割も果たしていることが明らかになっています。また、善玉(HDL)コレステロールや通常レベルのコレステロールには影響を与えません。
3.消化器の健康をサポートする
腹部の健康を維持することは、全身の健康促進に重要な役割を果たす習慣です。大麦β–グルカンはそのプロセスをサポートする性質を持っています。
実験では、大麦β–グルカンを含む食品を摂取した後の呼気中の水素濃度が上昇することが確認されました。これは、腸内細菌が大麦β–グルカンを発酵させた結果を示しています。このプロセスを通じて、良い腸内細菌が活性化され、腸の健康が促進されることが示されています。
もち麦が健康や食生活のお悩みを解消します!
もち麦のプチプチした食感と高い食物繊維量は、満腹感を求める方にぴったりです。水溶性と不溶性の両方の食物繊維を一度に取れるのもうれしいポイントです。白米をもち麦に変えたり、サラダやスープに加えたりしてみましょう。
タンパク質ばかりで食物繊維が不足がちな方に、もち麦はぴったりです。料理が苦手でも、ご飯に混ぜるだけで食物繊維をしっかり摂取できるので安心です。
もち麦は手軽に食生活に取り入れられるので、どんなスタイルの生活でも、毎日欠かさず食物繊維を取るのに便利です。