カオニャオとは

カオニャオとは

カオニャオとは

タイ東北部(イサーン地方)や隣国のラオスでは、日常の食事に通常のお米ではなく、主にもち米を蒸した『カオニャオ』が使用されています。このカオニャオは、もち米を蒸して作られるため、通常のお米と比べて腹持ちが良く、特有のパサパサ感があります。日本の餅米とは異なり、手で食べられることが多い特徴も持っています。

タイのもち米『カオニャオ』とは

タイには、主食としてインディカ米が一般的ですが、北部の山岳地帯ではもち米で作られた「カオニャオ」が愛されています。伝統的な製法で作られたカオニャオは、独特のもちもち食感と風味が人気の秘密です。

原料となるのは、高地で育つ在来種のもち米です。小粒で光沢があり、粘り気が強いのが特徴的です。収穫後は天日干しされ、竹かごで発酵熟成させられます。この過程でもちもちした食感が生まれるのです。

発酵の後、特別な製粉方法で粉にされますが、胚芽は残されているため栄養価が高いのも魅力です。カオニャオは甘みを帯びた香りと、しっとりとしたパサパサ感が人気の理由です。手掴みでも手に付かないため、手で食べられることも多いユニークな食材なのです。家庭料理からデザートまで、幅広い用途で使われています。

カオニャオは手で食べるのが主流?

タイの食文化は長い歴史を経て変遷してきました。かつては手で食事をすることが一般的でしたが、近代化に伴い箸やスプーン、フォークの使用が広まりました。
カオニャオと呼ばれるタイのお菓子は、その変化を象徴する一品です。昔ながらの手づかみスタイルが主流でしたが、今日では洋風のスプーンやフォークで食べる人も増えてきました。しかし、年配者を中心に手で丸めて食べる伝統的な方法も根強く残されています。
手で扱いやすいパサパサとした食感のカオニャオは、おかずにつけて味わうのが一般的です。手で丸めて食べる習慣は地域差もあり、バンコク周辺では珍しくありません。一方で、上品な店ではカオニャオを盛り付けて提供するケースも見られます。
このように、カオニャオには昔からの味わい方と新しい食文化が共存しています。タイの人々に長く愛されるおやつの姿から、時代と共に変容する食の在り方がうかがえるのです。
カオニャオとは

カオニャオの炊き方【レシピ】

カオニャオは、タイ料理の代表格としてその魅力を広く知られています。カオニャオの特徴は、もち米を蒸して作るゴハンと、香り高いカレーソースを絶妙に組み合わせた点にあります。エスニックな風味と食材本来の旨みを存分に堪能できる一品なのです。

本場タイやラオスでは、カオニャオの炊き方に専用のカゴを使用し、蒸す調理法が採られています。日本でも蒸し器を使えば、手軽にタイの味を再現できます。

まずは、タイ産のもち米を水に5時間以上つけておきます。次に蒸し器に蒸し布かクッキングシートを敷き、浸したもち米を平らに並べます。15〜20分蒸したら天地返しにし、さらに5〜15分蒸します。米がふっくら膨れ上がったら完成です。

ポイントは、もち米を十分に水に浸すこと。浸す時間が短いとふっくらと蒸せません。上手く蒸せない場合は、一晩浸しておくのがおすすめです。炊飯器では蒸し調理ができないため、蒸し器を使う方が確実に美味しくカオニャオを作れます。本場の味を手軽に楽しめる一品、ぜひ蒸し調理で本格的なカオニャオを堪能してみてください。

カオニャオを使った代表的なタイ料理

タイには、もち米の"カオニャオ"を使った伝統的な料理が数多く存在します。代表的なものとして、以下のようなメニューが挙げられます。

カオニャオマムアン

甘く炊いたもち米にマンゴーを添え、ココナッツミルクをかけた人気のデザート。タイに訪れた際は必食の一品です。

ガイヤーン

タイ東北部イサーン地方発祥の焼き鳥料理。甘辛い味付けの鶏肉を炭火で焼き上げ、もち米とよく合います。

ソムタム

世界的に知られるタイの青パパイヤサラダ。イサーン料理なので、もち米との相性が抜群です。

カオニャオダムピアック

"黒いもち米"を使ったスイーツで、ココナッツソースと共に煮込んだ濃厚な味わいが楽しめます。

もち米は臭み少なく食感も良いため、タイ料理の主食として広く愛用されています。揚げ物や肉料理、サラダなど、様々な料理にもち米が合わせられ、バラエティに富んだ味わいを堪能できるのがタイ料理の魅力です。

タイではカオニャオは欠かせないモノ

カオニャオは、タイ料理の根幹を成す存在です。香り高く上品な味わいのこの一品は、朝食からお粥代わりまで、タイ人の日常に深く浸透しています。貧しい家庭から高級レストランまで、階層を問わず愛されているのが特徴的です。

素朴ながらも奥深い味わいを持つカオニャオは、タイ料理の原点ともいえる一品。塩気がアクセントとなり、米の素朴な味わいを引き立てています。つやつやとした白米にカオニャオをすくって口に運べば、タイの味覚が広がります。

タイを旅する際は必ず味わいたい代表的な料理、カオニャオ。タイ料理を自宅で作りたい方にも、この伝統の味は挑戦に値します。タイ料理の魅力に触れる絶好の機会となるでしょう。

まとめ

カオニャオはタイ東北部やラオスなどで広く食べられている主食であり、もち米を蒸して作られます。その腹持ちの良さやパサパサ感、手で食べられることが特徴であり、地域の食文化に深く根ざしています。