リュウガンとは

レイシに似た見た目のロンガンは、その甘くジューシーな味わいから「竜眼」とも呼ばれる人気のトロピカルフルーツです。東南アジア原産で、小ぶりながらも栄養がたっぷり詰まっており、美容と健康をサポートする効果も期待できます。本記事では、ロンガンの特徴から、気になる栄養成分、美味しい食べ方までを徹底解説。ロンガンの魅力を余すことなくお伝えします。今まで知らなかったロンガンの世界を、一緒に探求してみましょう。

リュウガン

リュウガンは、ロンガンという別名でも知られる、ムクロジ科に属する常緑性の樹木、またはその木になる果実のことです。

名称

リュウガンは、その果実を割ると現れる大きな黒褐色の種子と、それを包む半透明な白い果肉が、まるで龍の眼のように見えることから、中国で「龍眼」と名付けられました。この中国語の名称は、広東語でlùhng-ngáahnと発音され、西洋ではlonganとして知られています。日本でもロンガンという呼び名が用いられることがあります。また、中国の普通話ではlóngyǎn、閩南語では「リンギン」と呼ばれます。タイ語ではลำไย(ラムヤイ)、ベトナム語ではNhãn(ニャン)と、地域によって様々な呼び名が存在します。

分布・生育地

リュウガンは、中国南部やインドが発祥の地とされ、東南アジアを中心に果樹として広く栽培されています。主な産地は、中国の福建省をはじめとする南部地域、台湾(特に南投県と嘉義県が有名)、タイ、ラオス、インドネシア、ベトナムなどです。日本国内では、鹿児島県の大隅半島や沖縄などの一部地域で栽培されています。『大和本草』(1708年)には、すでに江戸時代に日本でリュウガンが栽培されていたことを示す記述が見られます。台湾や中国の温暖な地域では、リュウガンは街路樹としても利用されています。しかし、道に散乱した果実が独特の匂いを放つことがあり、日本人にとってはイチョウ並木を連想させるかもしれません。

植物学上の特徴

リュウガンは、高さ5〜10m、時に15mに達する常緑広葉樹です。葉は硬く、小さな葉の長さは10〜46cmにもなります。春から初夏にかけて、葉の付け根から花茎を伸ばし、直径6mmほどの黄白色の小さな花を円錐状に咲かせます。花には芳香があります。秋には、直径2〜2.5cmほどの丸い茶褐色の果実がブドウのように房状に実ります。果肉は白く半透明でゼリー状、ブドウに似た果汁を多く含み、甘みがあります。中央には大きな黒褐色の種子があります。果実はレイシに似ていますが、リュウガンの表面は滑らかで淡褐色であるのに対し、レイシは暗褐色で凸凹があります。独特の香りと味が特徴で、好みが分かれる果実です。

利用

リュウガンの果実は、生で味わうのはもちろん、乾燥させて「龍眼肉」という名で、食用や薬用として様々な用途で用いられています。特に中国料理では、乾燥させたものが佛跳牆のようなスープの材料として使われることがあります。漢方薬としても、乾燥果肉が利用されます。その他、ジュースや缶詰、アイスクリームなどの材料にも用いられます。台湾や沖縄では、7月から8月にかけて収穫の時期を迎えます。生のリュウガンは食用可能で、強い風で木から落ちたものもそのまま食べられています。ブドウのような風味で、程よい酸味があり美味しく味わえます。缶詰も市販されており手軽に入手できます。滋養強壮の効果も期待でき、食後のデザートにもおすすめです。また、リュウガンの果実は干しぶどうのように乾燥させたものもあり、独特の燻製のような香りが特徴です。味も干しぶどうに似ています。

生薬

竜眼は、漢方の世界では体を労わり、活力を与える薬として重宝されています。特に果肉を乾燥させたものは竜眼肉または桂円肉と呼ばれ、心身のバランスを整え、体力を回復させる効果が期待されています。疲労感、不眠、貧血といった症状の改善や、病後や産後の体力回復、さらには胃腸の不調にも良いとされています。また、竜眼の仮種皮には、ブドウ糖や蔗糖といった糖類のほか、酒石酸、脂肪、デキストリン、アデニン、コリンなどが含まれています。酒石酸は鉄分の吸収を助け、コリンは副交感神経を穏やかに刺激し、胃腸の働きを活発にする効果があると言われています。

リュウガン