フランとは

フランとは

フランとは

フランは、卵、砂糖、牛乳を使って作るシンプルなお菓子ですが、その作り方や材料、呼び方は国によって異なります。フランスではタルト生地にカスタードクリームを流し込んで焼き上げる「フラン」、スペインやメキシコではプリンやカスタードプリンを指す「フラン」と、さまざまなスタイルがあります。本記事では、各国のフランの特徴と作り方について詳しく紹介します。

フランとは

「フラン」は、卵、砂糖、牛乳を使って作るお菓子ですが、その具体的な内容は国によって異なります。

フランスでは、タルト生地にカスタードクリームを流して焼くお菓子を「フラン」と呼びます。この場合、甘いものだけでなく、食事系の味付けのものも「フラン」として知られています。

一方、スペインやメキシコでは、プリンやカスタードプリンを「フラン」と呼びます。スペインやメキシコのフランは、日本でいう「プリン」と同様に、プリン液を型に流し入れ、湯煎や蒸し焼きで調理するお菓子です。型にカラメルソースを入れることで、ほろ苦さと甘さが楽しめます。

フランの由来と歴史

フランは古くから愛されてきた焼き菓子です。その名前の由来は、ラテン語の「フラド」が語源とされています。「フラド」とは「丸くて平たいもの」を意味し、フランの形状を表しています。ラテン語はフランス語などのロマンス諸語の起源となる言語であり、フランの語源からこの菓子が長い歴史を持つことがわかります。
フランの原型は、ローマ時代に鶏卵と牛乳を使った料理「ティロパティナム」に求められます。ギリシャの調理法を参考にしてローマ人が考案したこの料理は、甘いお菓子以外にも、魚や野菜を使った惣菜のような味付けの種類もありました。中世時代には「平たいケーキ」を意味する「フラド」と呼ばれるようになり、やがて現在の「フラン」へと語形が変化していったのです。
フランとは

フランとプリンとの違い

フランとプリンは、同じ卵を使用しながらも、生まれた経緯や製法が異なる魅力溢れるお菓子です。
プリンは、元々イギリスの船員が船上で卵液を蒸して食べていた食事から始まりました。その後、甘いカスタードプリンが日本に伝わり、「プリン」と呼ばれるようになって親しまれるようになりました。卵を主体とした濃厚な流動状の生地を水浴びで焼き上げ、なめらかな食感が特徴的です。
一方のフランは、卵を多く使った生地に空気を含ませて焼き上げたしっとりとしたふんわり軽い焼き菓子です。プレーンのほか、カスタード、チョコレート、フルーツなど、様々な風味のバリエーションが楽しめます。
このように、フランとプリンは卵を使用しているものの、作り方や焼き方、食感が大きく異なり、それぞれ異なる魅力を持つお菓子なのです。

フランはローマ時代に誕生した歴史あるお菓子

フランは長い歴史を誇る伝統的なお菓子です。ローマ時代に始まったその原型は、小麦粉と蜂蜜を混ぜた素朴な菓子でした。中世の修道院で発展を遂げ、卵や乳製品を加えて次第に現代に近い形になっていきました。14世紀のフランスでは都市部で焼き菓子職人によって製造され始め、庶民の間で親しまれるようになりました。17世紀には高級材料を使った贅沢なフランも登場し、宮廷料理にも加わりました。太陽王ルイ14世はフランの愛好家だったとか。長い歴史に培われた味わいを持つフランは、いまも世界中で親しまれているパンの一種なのです。国や地域によってつくり方は様々ですから、ぜひ食べ比べてみる楽しみもありますね。

まとめ

フランは、シンプルな材料で作られるにもかかわらず、国ごとに異なるスタイルで親しまれています。フランスではタルト生地を使ったカスタードクリームのフラン、スペインやメキシコではカラメルソースを添えたプリン風のフランが楽しめます。それぞれの国のフランの特徴を理解し、自宅でさまざまなフランを試してみてください。どれも簡単に作れるので、手軽に異国の味を楽しむことができます。