クリームブリュレとは
クリームブリュレは、フランス料理の代表的なデザートの一つです。滑らかでなめらかなクリームに、キャラメリゼされた砂糖の香ばしい風味が絶妙にマッチした、贅沢な味わいが魅力的なスイーツです。その上品な味わいと、パリパリの砂糖の薄い層を割る楽しみから、世界中の方々に親しまれています。今回はクリームブリュレについて詳しく見ていきましょう。
「クレームブリュレ」とは?
クレームブリュレとは、フランス語で「焦がしたクリーム」を意味する代表的なフランス料理のデザートです。卵黄を主原料とした濃厚なカスタードクリームの上に、きび砂糖をふりかけてカラメリゼした焼き目が特徴的な一品となっています。香ばしい香りと上品な甘さが絶品の味わいを生み出しています。
滑らかなクリームにはバニラビーンズが使われることが一般的ですが、抹茶やコーヒー、フルーツなども加えられ、様々な風味が楽しめるのが魅力のひとつです。しっとりとした濃厚な味わいに、薄いカリカリのキャラメル層がアクセントを添え、洗練された大人の味覚を堪能できる逸品といえるでしょう。
「プリン」「カタラーナ」との違いは?
プリンとカタラーナは卵を使った伝統的なデザートですが、異なる特徴を持っています。
「プリン」は、全卵、牛乳、砂糖、バニラを混ぜ合わせたものをキャラメルソースの上に流し入れ、蒸し焼きにしたスイーツです。焼き上がったら冷ましてカップから出し、キャラメルソースがとろりとかかった見た目が印象的です。一方、ゼラチンなどで固めた「ケミカルプリン」もあります。
「クレームブリュレ」は、生クリーム、牛乳、卵黄、砂糖、バニラで作った濃厚なカスタードソースを蒸し焼きにし、冷めたら砂糖をかけてキャラメリゼします。卵白を使わないため、なめらかな食感とミルキーでリッチな味わいが特徴です。
スペイン発祥の「カタラーナ」は、クレームブリュレに似ていますが、パウンド型などで一度に作り、カットして提供されます。ブリュレやプリンよりも固く、しっかりとした食感があります。
このように、主な材料は共通しながらも、作り方や最終的な食感、味わいに大きな違いがあり、それぞれ伝統の息づく味を体現したデザートです。
「クレームブリュレ」の歴史
起源は定かではありませんが、17世紀のフランスの料理本にクレームブリュレのレシピが記載されているそうです。当初は単なるプディングに過ぎず、誰が最初に砂糖をかけて焼き上げたのか分かっていません。一方で、2001年の映画「アメリ」の影響もあり、パリのカフェ「カフェ・デ・ドゥ・ムーラン」では本格的なクレームブリュレが味わえます。日本のクレームブリュレは器が深く、キャラメル層が薄めですが、同店のそれは平たい器に入っていて、厚めのキャラメルの「バリバリ」とした食感が楽しめるのが特徴です。
焦がす砂糖で違いが出る?
クレームブリュレの表面に使われるお砂糖には、「カソナード」が一般的です。カソナードはフランス産のブラウンシュガーで、サトウキビ100%から作られています。グラニュー糖と比べて甘みのコクがあり、深い味わいが特徴です。
カソナードは単に味わいが良いだけでなく、その性質がブリュレ作りに最適です。具体的には以下の点が挙げられます。
カソナードは熱に対して溶けやすく、バーナーで焦がす際にムラができにくいのが特徴です。そのため、ブリュレの表面を均等にキャラメリゼするのにぴったりです。
グラニュー糖や上白糖でもキャラメリゼは可能ですが、カソナードに比べて溶けにくいため、バーナーを動かしながら均一に焦がすことが少し難しくなります。カソナードを使うことで、より美しいキャラメリゼが実現できます。
「クレームブリュレ」の作り方
クレームブリュレはお家でも作れるスイーツですので、是非チャレンジしてみてください。
表面に焦げ目を付けて外はパリパリ、中はとろとろの濃厚クレーム・ブリュレ。中級レベルのレシピですが、所要時間は約60分と比較的手間がかかりません。
まずは、卵黄とグラニュー糖、生クリームをボウルによく混ぜ合わせます。別の鍋で温めた牛乳を卵黄の混ぜ物に少しずつ加えながら、滑らかになるまでしっかりと練り込みます。耐熱容器に流し入れ、予熱済みの180度のオーブンで約30分間焼成します。焼き上がったらしばし放冷し、完全に冷めるまで冷蔵庫で冷やします。
最後に表面に一層砂糖をふりかけ、バーナーやトーチで直接炙ります。きれいな褐色の硬い殻ができあがるまで、丁寧に焼き色をつけていきましょう。冷めた時にパリパリの食感が生まれれば、完璧な出来映えです。
口に運ぶと、カリカリした砂糖の殻がはじけ、なめらかなカスタードクリームと絶妙な味の対比を堪能できます。ベリーソースやフレッシュフルーツを添えれば、一層豪華で贅沢な一品に仕上がります。
「クレームブリュレ」&「プリン」のアレンジレシピ
ここでは、クレームブリュレの基本的な作り方と、人気のアレンジレシピをいくつかご紹介します。
・チョコレートブリュレ
ビターチョコレートを使った、スフレ型で焼く贅沢なクレームブリュレです。フランス産のビターチョコレートが香る、濃厚でリッチな味わいが特徴です。
・マンゴーの濃厚クレームブリュレ
マンゴーピューレを使用し、アルフォンソマンゴーの豊かな香りと味わいを楽しめるクレームブリュレです。贅沢に卵黄と生クリームを使い、パリとろの食感を実現します。
まとめ
クリームブリュレは、伝統的なフランス料理の素晴らしさを体現するデザートです。優雅な食文化の中から生まれた、この上品で洗練された味わいは、世界中の人々を魅了し続けています。焼き付けられたパリパリの砂糖を割る快感と、なめらかなクリームの絶妙な調和は、至福の時間を約束してくれるでしょう。